フリージア
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鍛錬場につくと真希ちゃんに肩を組まれ、3人には聞こえない声で
「優太が呪力のことで悩んでるみてぇだから今日はお前が組手してやれ」
「…真希ちゃん大丈夫?」
「別に…
そんな顔すんなよ。大丈夫だ、私は」
軽くデコピンされておでこを擦る。彼女のデコピンは大分痛いから少し涙目になってしまう
にしても、多分だけど憂太くんが真希ちゃんに呪力コントロールのこと相談したんだろう
悲しそうな真希ちゃんを慰めたくて抱きしめるとうぜぇと剥がされた。照れ屋さんめ
「憂太くん、今日は私と鍛錬しよ!
呪力コントロール上手くなりたいんだよね?
私もすごく得意なわけじゃないけど教えれることは教えるからさ」
一緒に頑張ろうよと笑顔を向けると嬉しそうな困ったような複雑そうな顔で頷かれた
とりあえず、みんなが組手をしているところから少し離れて準備運動をする
「まずは憂太くん手を出して」
「え、うん」
差し出された手を優しく握り、目を閉じる。そして彼の呪力の流れを感じ取るように集中する
…大きな呪力。混ざりあっていてどちらのかもわからない
でも、暖かいものを感じるのはこれは2人の愛情から来た呪いだからだろう。強い呪いは自分の身も滅ぼすけれど…それに耐える程の呪力があるのかもしれない
「すずめちゃん?」
「…憂太くんもちゃんと呪力がありそうだね
里香ちゃんの呪力がとても大きくて強いからわかりずらいけれど
呪力が血の流れのように体の細部に行き渡るようなイメージを最初はしてみて、最終的には考えなくても自然とできるようになることと、体の一部に武器も含めれるといいかも
私はそれを脇差やクナイに纏う時にしてるんだけど、離れても思うように操作できるように」
そう言いながら木でできた簡易的なクナイを空に投げる
クナイは垂直に飛んだ後綺麗に回転をし私が向ける指の方向に動く下に落ちることなく同じ高さに留まり続ける
「すごい」
「これは私が産まれながらにもっていたらしい術式みたいなものでね
私の呪力を流したモノをこんなふうに手から離れても操ることが出来るの、ただ大きいものは無理でクナイぐらいまでが限界」
自分の手元あたりの位置で術を解きクナイを軽く回しながら裾に仕舞う
「でも、それを知らない相手にはフェイントしやすくなるし隙を作れたら御の字
操作までできなくても呪力を武器に込めるのはイメージと感覚がわかるようになればもっと早くできるようになると思うよ」
「へぇ…あれ?でもイタコなんだよね
術式は違うの?」
「ああ、それは私の師匠みたいな人…
その人は里香ちゃんや憂太くんと会う前に一緒にいた人なんだけどその人から引き継いたもので
本来は私の術式じゃないから上手く扱えなくて、私が死にかけないと使えない力というか
いや、使えなくないけど、上手く安定しないの。だから基本的にはカウンター技…みたいな」
そう言うと小さく何かを呟いた彼に何を言ったのか聞き返そうとすると肩を掴まれた
真剣なでもどこか泣きそうな顔で憂太くんは
「僕が、君を守るよ
その力は使わせない…」
まっすぐ私を見つめながら言ってくれた言葉は在りし日のお兄ちゃんと重なった
-俺が守るよ。だから、
その先の言葉は思い出せないけれど、なんだか、悲しくなってつい一筋の涙が落ちる
慌てたように「ごめん、痛かった...??」と手を離し私の涙を優しく拭ってくれる手に安心して目を閉じる
「違う…目にゴミが入ったみたい…」
「え!?大丈夫??」
「今ので取れたみたいだから、大丈夫だよ」
微笑みながら言うと憂太くんの動きが止まる
心做しか頬が赤い気がするけど、そんなに女性の体制がないのかと少し心配になる
私は憂太くんの目をまっすぐ見つめ返しながら
「じゃあ、頑張って特訓してもっと強くならないとだね
それで里香ちゃんの呪いが解けるまでは守ってよ
その分、憂太くんのことも私が守ってあげるからさ」
「それじゃ意味無いんじゃ…」
「持ちつ持たれつ!
私は守られるだけの女の子じゃないんだよ
これでも棘くんと同じ2級でちょっとは強いんだよ」
「ええ!?そんなにすごいの??」
驚く彼にしてやったり顔をしながら、今どきの女の子は強いんだよと笑い。私を守ってもらう為にも特訓あるのみ!と言いながら呪力を込める練習を一緒にした
慣れてきたタイミングで、真希ちゃんとの組手も挟んでその日の演習は終わった
…To Be Continued