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あの小学校での任務の後から、何となく雰囲気が変わったような気がする。たまたま聞いた悟くんと憂太くんの病院での会話で里香ちゃんの呪いを解くっていう目標ができたのが良かったのだろうか
私は…正直なことを言うと解けなければいいのにって思ってしまっている
どんな形であれ里香ちゃんと憂太くんといれることは私にとっては幸せなことだし、呪いで里香ちゃんが苦しんで縛られているなら解放してあげたいとも思うけど
それ以上にやっぱり一緒にいたいと思うのは我儘なんだろうな
「高菜?」
「棘くん…なんでもないよ
心配してくれてありがとうね」
「こんぶ」
「…本当に、大丈夫だよ
何かあればいつもみたいに皆を頼るから
あ、でも持ちつ持たれつだからね」
「やぁやぁ、みんな
調子はどうだい?」
憂太くんと真希ちゃんの組手をパンダくんと棘くんと一緒に見学していたところに悟先生が来た
…上層部の人と何かあったのかな微かだけど呪力に乱れを感じた。それも少しの間だけど
憂太くんが何か答えようとすると、真希ちゃんが思いっきり憂太くんの頬を払ったのに腰が上がりそうになったがこれも大事な稽古だとすぐに思いいたり座り直す
そのまま2人の組手を見続けるが、最初の頃よりは良くなったもののハラハラする瞬間が多く心配になってしまう
「憂太が高専に来て3ヶ月か
かなり動けるようになったな」
「性格も前向きになったよね」
「しゃけ」
「特訓の成果でてるよね」
「すじこ」
「確かに真希も楽しそうだ
今まで武具同士の立ち合いってすずめと真希ぐらいでしかなかっ…天啓!!」
パンダくんが凄い顔をして立ち上がり大きな声で憂太くんを呼び出す
いきなりどうしたんだろうと驚いていると、何かを察した棘くんが私の腕を引き足の間に座らせると耳を塞がれ
憂太くんはそんな私と棘くんを見て何かを言いかけたけど、パンダくんに腕を回されて顔が見えなくなってしまった
2人が何かを話すとパンダくんは真希ちゃんに大きな丸のポーズをして2人が言い合い始め
棘くんは私の耳から手を離して立ち上がり憂太くんの傍に行くので、それに倣って私も二人の傍に寄った
「ははっ何の話かな?」
「…こんぶ」
「私はよく会話が聞こえなかったけど
パンダくんは憂太くんに何を聞いてたの?」
「ぅえっ!?な、なんでもないよ!!」
「そう、なの?」
「しゃけ」
「私だけ仲間はずれにされてるような…」
「おかか」
「してないなら…いい?かな?」
なんでか狼狽えながら顔を赤くする憂太くんのことは気になるけど
棘くんが深くは聞いてやるなって言ってるし…そうした方が良さそうだ
「すずめちゃんは…その、狗巻くんと仲良いんだね」
「ん?うん!大事な友達だからね」
「しゃけ」
「そ、そっか」
何か言いたげな憂太くんにどうしたのか聞こうとすると
急に現れた大きな手が私を狗巻くんから遠ざけるように引っ張り反対側に立っていた憂太くんに押し付けられた
転ばないようについ目の前にきた憂太くんの服を握ると手は消えていた
「え!?里香ちゃん!?」
「びっくりした…ふふっ、大丈夫だよ
憂太くんも里香ちゃんも大事な友達だから安心してね」
そう言い本当なら里香ちゃんのことも抱きしめたいけど今は姿がないから、代わりに憂太くんの体を里香ちゃんの分も力いっぱい抱きしめる
こんな風に接するのは何年ぶりだろう…あの頃と変わらないどこか安心できる憂太くんの香りがして少し心が安らんだ
昔は抱きついたり手を繋いだりとにかくべったりだったから、2人がそばにいるのが凄く嬉しい
里香ちゃんの姿がないのは寂しく感じるけど、でも、きっとそこにいるよね。呪力の気配は感じるし
「私は2人のこと大好きだよ。今も昔も変わらず…
あ、そうだ!一緒に遊びに行こうよ。私と憂太くんと里香ちゃん3人で!」
ちょっとぐらい羽目を外しても怒られないよ。と言った時に、この言葉は入院していた頃にも言ったなと思った
あの時は私が呪霊の負の感情に耐えきれず体調を崩して、結局遊びに行くことができなかったけれど今の私ならもしものことがあっても対処できる…と思うし
何より、今の内に3人での少しでも思い出を作りたかった。里香ちゃんは姿を表さなくても憂太くんの傍にずっといるみたいだしせっかくなら楽しい気持ちを共有したい
「…っうん!」
「早速、放課後に「すとーぷ!」
と悟くんの言葉に静止される。どうやら今から2人は任務に向かうらしい
危ない任務じゃないけどお出かけは憂太くんが疲れていなかったらっていう約束になった
今日は私も真希ちゃんもパンダくんもお留守番なので、2人のことを見送り鍛錬の続きしようと言おうとすると「で?」と真希ちゃんに聞かれた
「どうしたの?真希ちゃん」
「お前、優太のことどう思ってんだよ」
「俺も気になってた」
「好きだよ。里香ちゃんのことも好き」
「そうじゃなくてだな」
「うん、言いたいことはわかってるよ
私は恋愛的な意味で里香ちゃんと憂太くんのことが好きだよ」
2人は豆鉄砲をくらった鳩のような顔でこちらを見た
私は不作面の端を隠している顔をさらに隠すように少し引っ張り、恥ずかしい言っちゃったと小さく呟く
2人にどういうことだと詳しくと詰め寄られる
「どうもこうも…私は昔から里香ちゃんと憂太くんのことが好きだよ
その好きは他の好きな人とは違うのは幼いながらにもわかったし
でもね。だからこそ、二人を応援したいなって好きな人の幸せを願うのは普通のことでしょ?
里香ちゃんも憂太くんも大好きでお似合いだから私は二人を見守る。ただそれだけのことで
二人の愛の邪魔はしたくない…ううんできないし。そもそも、恋愛対象でいうなら憂太くんも里香ちゃんも私のことはそう言う意味では見てないから」
「お前はそれでいいのかよ
てか、2人を同時に好きって…」
「いいとかじゃないかな〜嫉妬しちゃうこともあるにはあるし
でも、それは寂しさからくるというか…
なんなら2人が結婚して養子にしてもらうのもありだな!って考えてた時期もあったしね
とにかく、私はこれでいいの
私の恋は里香ちゃんと憂太くんは知らないままいて欲しい…大事な友人として傍にいれれば幸せ……だから」
絶対にこのことは内緒だよと微笑みかけると2人は微妙な顔をした
…多分、つい脅しみたいに呪力を少し纏ってしまったからだろうけど、私もまだまだ未熟だから強くものを言いたい時とかに無意識に呪力が出てしまうことがある
真希ちゃんとパンダくんに謝りながらも鍛錬の続きをしようと声をかけた
…To Be Continued