総一。1916。
幼い総士は祭りの中、水槽の中を綺麗に泳ぐ琉金を一目見て「この子がいい!」と思った。だってあんまりにも美しく泳いでみせたから。美しく泳いでいたけれど。泳いで、いたのに。
その日のことをもう総士は覚えてはいないし、思い出したとしても取るに足らないことだった。今でも金魚は総士のそばにいる。総士のそばだけにいる。それが当たり前みたいに。あの日の子供を慰めるみたいに。
その日のことをもう総士は覚えてはいないし、思い出したとしても取るに足らないことだった。今でも金魚は総士のそばにいる。総士のそばだけにいる。それが当たり前みたいに。あの日の子供を慰めるみたいに。
