2章
おなまえ
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(いたっ!意外と揺れるなぁ…。結構な山中なのかな…。)
名前は籠に入っていた。
前後に隠が一人ずついて、名前が入っている籠を担いで運んでいる。
最初こそほとんど揺れることなく、スムーズに進んでいるように感じたが、時間が経つにつれよく揺れるようになり、気を抜くと籠の中で頭をぶつけてしまうようになった。
籠は特殊な素材で作られているらしく、日の光を通さないどころか匂いや音も通さなかった。
そのため、名前は今の時間や位置を察することが全くできなかった。
そんな中、ずっと揺れ続けていた籠が止まった。
(止まった。着いたのかな…?そういえば甘露寺さんってどんな方だろう。優しい人だといいんだけど…。)
名前は不安に感じていた。
これまで出会ってきた柱は六人。
煉獄、宇髄、しのぶ、義勇の四名は紆余曲折ありつつも、名前を認めている。
しかし不死川や伊黒のように全く名前を受け入れない柱もいる。
これから会う甘露寺という柱が、名前をどう思っているのかにより、名前の今後の動きが変わるのだ。
カチャリ、と音がして籠の鍵が開けられた。
「到着致しました。どうぞ出てきてください。」
隠の声がして、恐る恐る名前は外に出た。
「それでねぇ、炭治郎君が不死川さんに思いっきり頭突き食らわせたの!つい吹き出しちゃってね〜!あの時のことは今でも、ぷぷっ笑っちゃうわぁ〜!」
「へ、へぇ…!」
「でもね、その後の無一郎君は素敵だったの!若いけどやっぱり男の子なのよね!私、キュンとしちゃった!」
「そ、そうなんですね…。」
「あっ、私ばっかり話しちゃってごめんねぇ!名前ちゃんはどんな殿方が好みなの?」
「えっと…。」
名前と甘露寺は二人で温泉に浸かっていた。
止まらない甘露寺の話に名前はついていけず、相槌を打つのに必死だった。
まさか名前も柱と二人で温泉に入るなど予想しておらず、非常に戸惑っていたのだ。
籠から出た名前が最初に見たのは、正面に立つ女性だった。
キラキラと輝く瞳で名前を見つめる女性こそ、恋柱 甘露寺蜜璃であった。
ここまで名前を届けた隠から何か聞いたあと、甘露寺は名前に近づいてにっこりと笑った。
「初めまして、こんにちはぁ。甘露寺蜜璃です〜。」
「あっ、初めまして。名前と申します。この度は任務のお手伝いをさせていただければと思っております。」
名前は慌てて膝をつき、顔を伏せて挨拶をした。
柱とはできる限り友好的でいたいと思った名前は、まずは自分が反抗しないことを態度で示すことを決めていた。
(立場が下であると認識していることを、伝えなくちゃいけない…!)
しかし、名前の思惑を他所に甘露寺は慌てて名前を立たせた。
「そんなことしなくていいよ〜!名前ちゃんのことはお館様からも聞いてるから、そんなに怯えないで大丈夫!私は名前ちゃんと是非仲良くなりたいの!歳も近いし、きっと私達仲良くなれると思うの!」
甘露寺はにこにこと笑ってそう言った。
名前はその言葉と様子に張り詰めていた緊張がほぐれ、どっと疲れを感じた。
「窮屈な所に閉じ込められて疲れちゃったよね〜!この先に疲れを取る上に美容にも良い温泉があるの!一緒に入りに行きましょう〜!」
名前の疲れを感じ取ったのか、甘露寺は名前を温泉へ案内した。
戸惑う名前に構うことなく、腕を引っ張ってぐんぐんと前に進んでいく。
「えっあのっ!温泉に行くんですか!?」
「そう!今は、私の刀を打ち直して貰っているの〜。それが出来るまではゆっくりしてていいんだぁ〜。」
「それって私と入る必要って…。」
「いいからいいから!!」
その結果、甘露寺と温泉に浸かるという状況が出来上がったのである。
甘露寺が敵対的でなかったことは名前にとっては非常に良いことであったが、こんな歓迎の仕方は全く想定していなかった。
名前が戸惑った理由は、柱とこのような状況になることを予想していなかったのもあるが、もう一つ理由がある。
名前が同性の友達と言える相手は、今のところカナヲしかいない。
だからこそら甘露寺の距離の詰め方に戸惑いを覚えたのである。
(相手は柱…。油断は出来ないけど、この人が悪い人には全く見えない。でも、なんていうか、人懐っこすぎて心配になる…!)
しかし、温泉に浸かることで消えていく疲れとともに、感じていた戸惑いも少しずつ消えていった。
名前は籠に入っていた。
前後に隠が一人ずついて、名前が入っている籠を担いで運んでいる。
最初こそほとんど揺れることなく、スムーズに進んでいるように感じたが、時間が経つにつれよく揺れるようになり、気を抜くと籠の中で頭をぶつけてしまうようになった。
籠は特殊な素材で作られているらしく、日の光を通さないどころか匂いや音も通さなかった。
そのため、名前は今の時間や位置を察することが全くできなかった。
そんな中、ずっと揺れ続けていた籠が止まった。
(止まった。着いたのかな…?そういえば甘露寺さんってどんな方だろう。優しい人だといいんだけど…。)
名前は不安に感じていた。
これまで出会ってきた柱は六人。
煉獄、宇髄、しのぶ、義勇の四名は紆余曲折ありつつも、名前を認めている。
しかし不死川や伊黒のように全く名前を受け入れない柱もいる。
これから会う甘露寺という柱が、名前をどう思っているのかにより、名前の今後の動きが変わるのだ。
カチャリ、と音がして籠の鍵が開けられた。
「到着致しました。どうぞ出てきてください。」
隠の声がして、恐る恐る名前は外に出た。
「それでねぇ、炭治郎君が不死川さんに思いっきり頭突き食らわせたの!つい吹き出しちゃってね〜!あの時のことは今でも、ぷぷっ笑っちゃうわぁ〜!」
「へ、へぇ…!」
「でもね、その後の無一郎君は素敵だったの!若いけどやっぱり男の子なのよね!私、キュンとしちゃった!」
「そ、そうなんですね…。」
「あっ、私ばっかり話しちゃってごめんねぇ!名前ちゃんはどんな殿方が好みなの?」
「えっと…。」
名前と甘露寺は二人で温泉に浸かっていた。
止まらない甘露寺の話に名前はついていけず、相槌を打つのに必死だった。
まさか名前も柱と二人で温泉に入るなど予想しておらず、非常に戸惑っていたのだ。
籠から出た名前が最初に見たのは、正面に立つ女性だった。
キラキラと輝く瞳で名前を見つめる女性こそ、恋柱 甘露寺蜜璃であった。
ここまで名前を届けた隠から何か聞いたあと、甘露寺は名前に近づいてにっこりと笑った。
「初めまして、こんにちはぁ。甘露寺蜜璃です〜。」
「あっ、初めまして。名前と申します。この度は任務のお手伝いをさせていただければと思っております。」
名前は慌てて膝をつき、顔を伏せて挨拶をした。
柱とはできる限り友好的でいたいと思った名前は、まずは自分が反抗しないことを態度で示すことを決めていた。
(立場が下であると認識していることを、伝えなくちゃいけない…!)
しかし、名前の思惑を他所に甘露寺は慌てて名前を立たせた。
「そんなことしなくていいよ〜!名前ちゃんのことはお館様からも聞いてるから、そんなに怯えないで大丈夫!私は名前ちゃんと是非仲良くなりたいの!歳も近いし、きっと私達仲良くなれると思うの!」
甘露寺はにこにこと笑ってそう言った。
名前はその言葉と様子に張り詰めていた緊張がほぐれ、どっと疲れを感じた。
「窮屈な所に閉じ込められて疲れちゃったよね〜!この先に疲れを取る上に美容にも良い温泉があるの!一緒に入りに行きましょう〜!」
名前の疲れを感じ取ったのか、甘露寺は名前を温泉へ案内した。
戸惑う名前に構うことなく、腕を引っ張ってぐんぐんと前に進んでいく。
「えっあのっ!温泉に行くんですか!?」
「そう!今は、私の刀を打ち直して貰っているの〜。それが出来るまではゆっくりしてていいんだぁ〜。」
「それって私と入る必要って…。」
「いいからいいから!!」
その結果、甘露寺と温泉に浸かるという状況が出来上がったのである。
甘露寺が敵対的でなかったことは名前にとっては非常に良いことであったが、こんな歓迎の仕方は全く想定していなかった。
名前が戸惑った理由は、柱とこのような状況になることを予想していなかったのもあるが、もう一つ理由がある。
名前が同性の友達と言える相手は、今のところカナヲしかいない。
だからこそら甘露寺の距離の詰め方に戸惑いを覚えたのである。
(相手は柱…。油断は出来ないけど、この人が悪い人には全く見えない。でも、なんていうか、人懐っこすぎて心配になる…!)
しかし、温泉に浸かることで消えていく疲れとともに、感じていた戸惑いも少しずつ消えていった。