2章
おなまえ
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名前は宇髄が現れたことに、安堵と驚きを感じていた。
「良かった。無事、だったんですね。」
名前は少しだけたどたどしく言葉を紡いだ。
宇髄はまぁどうにかな、と頬を掻きながら言った。
(良かった、守れていた…。私でも仲間を守ることが出来た!)
喜びで涙が溢れそうだった。
名前は笑みを浮かべ、宇髄に告げた。
「私…貴方を守れて良かったです。片手を失っても戦い続ける貴方を見て、鬼である私が体の一部が無いくらいで諦めてはいけないと思えました。」
宇髄はじっと名前を見つめながら話を聞いていた。
後ろには雛鶴たちもいた。
「ありがとうございました…。もう私は消滅すると思います。貴方に斬られるなら悔いはないです。」
名前は胸を張って言うことができた。
誰かを守るために、自分の力を使うことができた。
尊敬する煉獄のように。
きっと最終目的は炭治郎達が意志を繋いでくれる、そう思って名前は宇髄が斬ってくれることを期待して、目を閉じた。
じわじわと焦げが広がっていくのを感じる。
しかし名前を襲ったのは自身の命を狩る衝撃では無かった。
ぼたぼたっと自身の口元に鬼が欲して止まない甘美な液体が垂らされたのであった。
「!?」
名前は驚きで目を開き、自分の顔の前に腕を突き出す宇髄を見た。
「俺はお前を見捨てるつもりも斬るつもりもねぇよ。お前は俺や竈門たちだけじゃなく、俺の女房たちを守った。もちろん堅気の人間も。」
残った右腕に刃を突き立て、血を流し続ける宇髄。
その血はぼたぼたと名前の口元に落ち続ける。
驚きで動けない名前はその血を受け止めるが、飲み込むことが出来ない。
(共に戦った仲間の血を飲むことなどできない!でも、体が血を欲している…。)
名前の中で人間としての理性と鬼としての本能が葛藤する。
どうしたら良いのか迷っている名前に宇髄は笑いかけた。
「生きりゃいいんだよ、お前は。煉獄に何言われたのか俺は知らねぇが、俺の大事なものを守ってくれたお前を俺は救いたい。そのためなら俺の血くらいくれてやる。人間だろうが鬼だろうが、死んじまったら何も出来ないだろ?」
宇髄の言葉に名前は涙をほろりと零し、こくんっと血を飲んだ。
泣きながら血を飲み続けた。
ある程度飲むと体の崩壊は収まり、名前の体は少しずつ原型を取り戻していった。
その様子に宇髄は満足そうに笑った。
「俺様の血を飲んだんだ、ド派手に回復してくれなきゃ困るぜ?」
鬼の回復力で名前は五体満足の状態へ戻ることができた。
雛鶴ら三人の妻もほっと安心したようだった。
「夜が明ける前にさっさと山にでも行って姿を隠せ。その状態じゃ体に負荷がかかるかもしれねぇが、少しでも遠くへ行かねぇとそのうち隠が来ちまうからな。」
宇髄の助言もあったが、名前は炭治郎ら三人の無事も確認したかった。
気配を感じるので生きているのは分かっていたが、その目で姿を見ない限り安心できなかった。
「炭治郎たちを探したら、ここを去ります。」
名前の言葉に宇髄は呆れた表情を浮かべる。
「お前俺の話聞いてたか?早くここから離れろって言ってんだ、竈門達が生きてんのは分かるだろ?」
「分かってますけど、まだ安心しきれてなくて…。」
「俺はお前を思って言ってんだぞ!?音柱様の言うこと聞くだろ普通!?」
宇髄の言うことは正しい。
そろそろ夜が明けるため、名前は一刻も早くここから退散するべきだ。
しかし名前は譲れなかった。
共闘した仲間の無事を、しっかりと確認したかった。
「ごめんなさい宇髄さん。私は…っ!?」
宇髄に応えようとしたその瞬間、名前の体は何者かに押さえつけられた。
「…冗談だろう、宇髄。柱たる者が何故目の前の鬼を斬っていない?何故拘束をしていない?俺の幻覚であってくれと強く願うのだが。」
「かっ…はっ……!」
名前は頚元に日輪刀を突きつけられ、呼吸が出来ぬよう肺を圧迫された。
宇髄は焦る表情を隠しつつ現れた人物へ話しかけた。
「伊黒…。そいつはお館様から連絡のあった鬼だ。話をしてみて斬る必要が無いと判断した。」
「何を言っている?斬る必要の無い鬼など存在しない。俺は信じない。」
名前の動きを封じながら、蛇柱 伊黒小芭内は言った。
「俺はこいつを斬る。」
伊黒は名前を冷酷に睨みつけながら刀を振るった。
「良かった。無事、だったんですね。」
名前は少しだけたどたどしく言葉を紡いだ。
宇髄はまぁどうにかな、と頬を掻きながら言った。
(良かった、守れていた…。私でも仲間を守ることが出来た!)
喜びで涙が溢れそうだった。
名前は笑みを浮かべ、宇髄に告げた。
「私…貴方を守れて良かったです。片手を失っても戦い続ける貴方を見て、鬼である私が体の一部が無いくらいで諦めてはいけないと思えました。」
宇髄はじっと名前を見つめながら話を聞いていた。
後ろには雛鶴たちもいた。
「ありがとうございました…。もう私は消滅すると思います。貴方に斬られるなら悔いはないです。」
名前は胸を張って言うことができた。
誰かを守るために、自分の力を使うことができた。
尊敬する煉獄のように。
きっと最終目的は炭治郎達が意志を繋いでくれる、そう思って名前は宇髄が斬ってくれることを期待して、目を閉じた。
じわじわと焦げが広がっていくのを感じる。
しかし名前を襲ったのは自身の命を狩る衝撃では無かった。
ぼたぼたっと自身の口元に鬼が欲して止まない甘美な液体が垂らされたのであった。
「!?」
名前は驚きで目を開き、自分の顔の前に腕を突き出す宇髄を見た。
「俺はお前を見捨てるつもりも斬るつもりもねぇよ。お前は俺や竈門たちだけじゃなく、俺の女房たちを守った。もちろん堅気の人間も。」
残った右腕に刃を突き立て、血を流し続ける宇髄。
その血はぼたぼたと名前の口元に落ち続ける。
驚きで動けない名前はその血を受け止めるが、飲み込むことが出来ない。
(共に戦った仲間の血を飲むことなどできない!でも、体が血を欲している…。)
名前の中で人間としての理性と鬼としての本能が葛藤する。
どうしたら良いのか迷っている名前に宇髄は笑いかけた。
「生きりゃいいんだよ、お前は。煉獄に何言われたのか俺は知らねぇが、俺の大事なものを守ってくれたお前を俺は救いたい。そのためなら俺の血くらいくれてやる。人間だろうが鬼だろうが、死んじまったら何も出来ないだろ?」
宇髄の言葉に名前は涙をほろりと零し、こくんっと血を飲んだ。
泣きながら血を飲み続けた。
ある程度飲むと体の崩壊は収まり、名前の体は少しずつ原型を取り戻していった。
その様子に宇髄は満足そうに笑った。
「俺様の血を飲んだんだ、ド派手に回復してくれなきゃ困るぜ?」
鬼の回復力で名前は五体満足の状態へ戻ることができた。
雛鶴ら三人の妻もほっと安心したようだった。
「夜が明ける前にさっさと山にでも行って姿を隠せ。その状態じゃ体に負荷がかかるかもしれねぇが、少しでも遠くへ行かねぇとそのうち隠が来ちまうからな。」
宇髄の助言もあったが、名前は炭治郎ら三人の無事も確認したかった。
気配を感じるので生きているのは分かっていたが、その目で姿を見ない限り安心できなかった。
「炭治郎たちを探したら、ここを去ります。」
名前の言葉に宇髄は呆れた表情を浮かべる。
「お前俺の話聞いてたか?早くここから離れろって言ってんだ、竈門達が生きてんのは分かるだろ?」
「分かってますけど、まだ安心しきれてなくて…。」
「俺はお前を思って言ってんだぞ!?音柱様の言うこと聞くだろ普通!?」
宇髄の言うことは正しい。
そろそろ夜が明けるため、名前は一刻も早くここから退散するべきだ。
しかし名前は譲れなかった。
共闘した仲間の無事を、しっかりと確認したかった。
「ごめんなさい宇髄さん。私は…っ!?」
宇髄に応えようとしたその瞬間、名前の体は何者かに押さえつけられた。
「…冗談だろう、宇髄。柱たる者が何故目の前の鬼を斬っていない?何故拘束をしていない?俺の幻覚であってくれと強く願うのだが。」
「かっ…はっ……!」
名前は頚元に日輪刀を突きつけられ、呼吸が出来ぬよう肺を圧迫された。
宇髄は焦る表情を隠しつつ現れた人物へ話しかけた。
「伊黒…。そいつはお館様から連絡のあった鬼だ。話をしてみて斬る必要が無いと判断した。」
「何を言っている?斬る必要の無い鬼など存在しない。俺は信じない。」
名前の動きを封じながら、蛇柱 伊黒小芭内は言った。
「俺はこいつを斬る。」
伊黒は名前を冷酷に睨みつけながら刀を振るった。