2章
おなまえ
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宇髄は片手にも関わらず、妓夫太郎と交戦する。
片目を斬られつつも妓夫太郎に、刀を突きつける。
その隙を狙って炭治郎は妓夫太郎に飛び掛った。
(遅いんだよ!テメェは鈍間!!どれだけお膳立てされても駄目な奴は駄目だ!)
炭治郎の顎に妓夫太郎の鎌が突き刺さる。
しかし炭治郎は止まらなかった。
(斬る!頚を斬る!!諦めない、絶対に斬る!!)
顎の痛み、毒の回りを感じる。
それでも炭治郎は妓夫太郎の頚に刀を振るった。
体中の痛みを忘れ、炭治郎は自分が出せる力以上を求めた。
「ガアアアァアア!!」
炭治郎の額の痣の形が代わり濃くなった。
妓夫太郎の頚に刀が通る。
(畜生、こんなガキに…!まずい!斬られるぞォォォォ!!)
妓夫太郎の顔に焦りが浮かぶ。
(いや!大丈夫だ!!俺の頚が斬られても妹の頚が繋がってりゃあ…)
妓夫太郎は意識を堕姫の方へ持っていく。
善逸の刀が堕姫の頚を斬り落とそうとしているが、同時に無数の帯が善逸を襲う。
「アンタがアタシの頚を斬るより早く、アタシがアンタを細切れにするわ!!」
堕姫が勝ち誇った笑みを浮かべる。
名前がいる場所は善逸たちからは少し遠い。
藤衣を発動させても届くかどうか定かでは無かった。
しかしそれでも、ここで善逸を守らなければ自分のいる意味がないと思った。
瞬時に右腕に噛みつき血を流した。
『血気術 藤衣・打掛 (ふじごろも・うちかけ)』
それは戦いの中で名前が生み出した新しい血気術。
通常の藤衣は自身とその周囲を鬼の攻撃から守るものだが、藤衣・打掛は名前が気配を認知している相手ならば、名前から遠くても藤衣の効果を発揮することが出来る能力だ。
しかしこれも名前の体に負荷がかかる。
左腕、右腹に続き右足に焦げが広がってきた。
名前の血気術の効果により、帯は善逸に攻撃を与えることが出来なかった。
すぐに堕姫は気が付き、遠くにいる名前を睨みつけた。
「アンタ…!許さないから…!!」
すぐに名前に攻撃を与えようとした堕姫だったが、後ろから来る殺気に気づき構え直した。
そこには伊之助がいた。
「俺の体の柔らかさを見くびんじゃねえ!内蔵の位置をズラすなんてお茶の子さいさいだぜ!!険しい山で育った俺には毒も効かねえ!!」
伊之助は猪の顔から血を吹き出させながらも、二本の刀を振るった。
「「「アアアアァアア!!!!」」」
鬼の頚を狙う三人の声が響き渡り、そしてその三本の刀が二体の鬼の頚を斬った。
二つの頚は高く舞い上がってから地面に落ちる。
そしてその勢いが殺せずゴロゴロと回転すると、二つの頚は向かい合って止まった。
二体の鬼の体は倒れ、全く動かなくなった。
「斬った!?斬った!!斬った!!キャーーー!!」
少し離れた屋根の上に立つ、女性が叫び声をあげた。
名前がそちらに目を向けると、雛鶴の他に二人の女性がいた。
「斬りましたよォ雛鶴さん!草葉の陰から見てください!」
「アンタ意味わかって言ってんの!?馬鹿!!」
女性達が騒ぐ中、名前は宇髄の様子がおかしいことに気づく。
その傍に座り込む炭治郎は呼吸に精一杯で、何も聞こえていないようだった。
名前は炭治郎と宇髄の奥にある、妓夫太郎の体に目線を向ける。
(あれ、まって。あの体、技出そうとしていない…?)
宇髄と同じことに気づいた名前は、妓夫太郎の体から技が繰り出されようとしたその瞬間、#頭の中にこれまでの戦いの様子が浮かんだ。
(私はこの戦いで、何をした?)
炭治郎に守られた。
善逸は自分の代わりに戦った。
伊之助は命をかけてとどめをさした。
宇髄は自分たちの盾となり矛となった。
皆、怪我をしてまで、片腕をなくしてまで、命を落とす限界まで、戦い続けた。
しかし名前は、自分がこの戦いで何も出来なかったと感じた。
(強くなったのに、戦えるようになったのに…!)
思い浮かんだのは炭治郎達との鍛錬の日々、宇髄が自分を斬らなかったこと、雛鶴の感謝の言葉。
そして、煉獄の笑った顔だった。
(……守る!私が、皆を守る!!)
「逃げろーーーーーーーッ!!!!」
妓夫太郎の最後の技が炸裂するその直前、宇髄の叫び声がした。
その声と同時に、名前は持てる全ての力を出し切って血気術を発動させた。
『血気術 藤衣・打掛』
片目を斬られつつも妓夫太郎に、刀を突きつける。
その隙を狙って炭治郎は妓夫太郎に飛び掛った。
(遅いんだよ!テメェは鈍間!!どれだけお膳立てされても駄目な奴は駄目だ!)
炭治郎の顎に妓夫太郎の鎌が突き刺さる。
しかし炭治郎は止まらなかった。
(斬る!頚を斬る!!諦めない、絶対に斬る!!)
顎の痛み、毒の回りを感じる。
それでも炭治郎は妓夫太郎の頚に刀を振るった。
体中の痛みを忘れ、炭治郎は自分が出せる力以上を求めた。
「ガアアアァアア!!」
炭治郎の額の痣の形が代わり濃くなった。
妓夫太郎の頚に刀が通る。
(畜生、こんなガキに…!まずい!斬られるぞォォォォ!!)
妓夫太郎の顔に焦りが浮かぶ。
(いや!大丈夫だ!!俺の頚が斬られても妹の頚が繋がってりゃあ…)
妓夫太郎は意識を堕姫の方へ持っていく。
善逸の刀が堕姫の頚を斬り落とそうとしているが、同時に無数の帯が善逸を襲う。
「アンタがアタシの頚を斬るより早く、アタシがアンタを細切れにするわ!!」
堕姫が勝ち誇った笑みを浮かべる。
名前がいる場所は善逸たちからは少し遠い。
藤衣を発動させても届くかどうか定かでは無かった。
しかしそれでも、ここで善逸を守らなければ自分のいる意味がないと思った。
瞬時に右腕に噛みつき血を流した。
『血気術 藤衣・打掛 (ふじごろも・うちかけ)』
それは戦いの中で名前が生み出した新しい血気術。
通常の藤衣は自身とその周囲を鬼の攻撃から守るものだが、藤衣・打掛は名前が気配を認知している相手ならば、名前から遠くても藤衣の効果を発揮することが出来る能力だ。
しかしこれも名前の体に負荷がかかる。
左腕、右腹に続き右足に焦げが広がってきた。
名前の血気術の効果により、帯は善逸に攻撃を与えることが出来なかった。
すぐに堕姫は気が付き、遠くにいる名前を睨みつけた。
「アンタ…!許さないから…!!」
すぐに名前に攻撃を与えようとした堕姫だったが、後ろから来る殺気に気づき構え直した。
そこには伊之助がいた。
「俺の体の柔らかさを見くびんじゃねえ!内蔵の位置をズラすなんてお茶の子さいさいだぜ!!険しい山で育った俺には毒も効かねえ!!」
伊之助は猪の顔から血を吹き出させながらも、二本の刀を振るった。
「「「アアアアァアア!!!!」」」
鬼の頚を狙う三人の声が響き渡り、そしてその三本の刀が二体の鬼の頚を斬った。
二つの頚は高く舞い上がってから地面に落ちる。
そしてその勢いが殺せずゴロゴロと回転すると、二つの頚は向かい合って止まった。
二体の鬼の体は倒れ、全く動かなくなった。
「斬った!?斬った!!斬った!!キャーーー!!」
少し離れた屋根の上に立つ、女性が叫び声をあげた。
名前がそちらに目を向けると、雛鶴の他に二人の女性がいた。
「斬りましたよォ雛鶴さん!草葉の陰から見てください!」
「アンタ意味わかって言ってんの!?馬鹿!!」
女性達が騒ぐ中、名前は宇髄の様子がおかしいことに気づく。
その傍に座り込む炭治郎は呼吸に精一杯で、何も聞こえていないようだった。
名前は炭治郎と宇髄の奥にある、妓夫太郎の体に目線を向ける。
(あれ、まって。あの体、技出そうとしていない…?)
宇髄と同じことに気づいた名前は、妓夫太郎の体から技が繰り出されようとしたその瞬間、#頭の中にこれまでの戦いの様子が浮かんだ。
(私はこの戦いで、何をした?)
炭治郎に守られた。
善逸は自分の代わりに戦った。
伊之助は命をかけてとどめをさした。
宇髄は自分たちの盾となり矛となった。
皆、怪我をしてまで、片腕をなくしてまで、命を落とす限界まで、戦い続けた。
しかし名前は、自分がこの戦いで何も出来なかったと感じた。
(強くなったのに、戦えるようになったのに…!)
思い浮かんだのは炭治郎達との鍛錬の日々、宇髄が自分を斬らなかったこと、雛鶴の感謝の言葉。
そして、煉獄の笑った顔だった。
(……守る!私が、皆を守る!!)
「逃げろーーーーーーーッ!!!!」
妓夫太郎の最後の技が炸裂するその直前、宇髄の叫び声がした。
その声と同時に、名前は持てる全ての力を出し切って血気術を発動させた。
『血気術 藤衣・打掛』