2章
おなまえ
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炭治郎は妓夫太郎と話をしながら、名前の姿を確認した。
堕姫の帯に捕まり、地面に抑えられている。
しかしその状態でもこちらを伺うような視線に、一瞬目を合わせた。
そして、炭治郎はバッと天を仰いだ。
「悔しいんだなあ自分の弱さが。人は嘆く時天を仰ぐんだぜ。涙が溢れねえようになああ」
妓夫太郎はニタニタと笑いながら、炭治郎に話しかけ続ける。
炭治郎は変わらず天を仰いでいたが、一度鼻を動かすと、呟き始めた。
「俺は…俺は……準備してたんだ。」
そう言うと炭治郎は思いっきり頭突きをかました。
ゴンッと鈍い音が響き、妓夫太郎は真正面からそれをくらった。
(ヤケクソで頭突きかよ。効かねえぜこんな……!?体が上手く動かせねえ!!)
たかが人間の頭突きだと思い、すぐに体勢を立て直そうと思った妓夫太郎だったが、何故か体が動かなかった。
しかし直ぐにその理由に気づく。
(なんで、ここに藤の花が…!?)
妓夫太郎を取り囲む、大量の美しい藤の花が視界に広がっていた。
先程までは無かったその存在に、妓夫太郎は動揺する。
(くそ…この幻覚のせいか…!)
妓夫太郎が藤の花に苦しむ中、炭治郎は刀を振るった。
力いっぱいその頚を狙ったのだ。
名前は炭治郎の目を見た瞬間、諦めていないことを悟った。
炭治郎は何か考えている。
隙をうかがっている。
それが分かった名前は、自分の持つ力でどうにか炭治郎の役に立ちたいと思った。
(この帯のせいで手足は動かせない…。何か、何かできないか…?)
名前は視線を動かし、使えるものを探したものの何も見つからない。
血気術を使うにも手足を引っ掛けない。
(くそ…どうしたらあの鬼の隙を作れる…?私に出来ることは…?)
名前はギリッと悔しそうに唇を噛む。
しかしその瞬間、はっと気がついた。
(そうか、血を流せればどこでもいいんだ。腕や足じゃなくても血が流せれば血気術を使える!)
名前は、躊躇うことなく思いっきり口を噛んだ。
痛みと共に口から大量の血が流れ始めた。
『血気術 藤花ノ宴』
名前の忌血の匂いが周囲に漂う。
その匂いを炭治郎は嗅ぎ分け、頭突きに踏切ったのだ。
そして頭突きをかました直後、その場に大量の藤の花が咲いた。
まるで本物のようだった。
名前の血気術のおかげで妓夫太郎は動けなくなり、炭治郎は頚に刀を降り下ろせたのだった。
「おおおおああああああ!!」
炭治郎は大声を上げて刀に力を込める。
目の前の鬼を殺すために。
「ちょっと嘘でしょ!!そんな奴に頚斬られないでよ!!」
妓夫太郎の頚が斬られそうになっているのを見て、堕姫は帯を炭治郎に向けた。
そうなったことで名前は解放され、自由に動けるようになった。
(炭治郎の邪魔はさせない!)
名前は急いで堕姫の帯を止めようと動いたが、それを上回る速度で何かが瓦礫から飛び出し帯を弾いた。
それは血だらけの善逸だった。
「善逸くん!!」
全身血だらけで、もう動けるとは到底思えない姿だった。
しかし、その状態で善逸は刀を構える。
『雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 神速』
目に追えない速さで、善逸は堕姫の頚を狙った。
帯のようにしなる堕姫の頚だが、善逸の斬撃の速さで斬られかけていた。
(斬れろ斬れろ振り抜け!!霹靂の神速は二回しか使えない。足が駄目になる!瓦礫から抜けるために一度使っていて後が無い。そしてもう今以外首を狙える機会は訪れない!!)
善逸は全力で刀を振るう。
もう自身の足は悲鳴をあげている。
しかしこの千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかなかった。
一方炭治郎も自身の刀に力を込め続けていた。
(くそォオ斬れない!!硬い!!名前の血気術で弱体化してるはずなのに、まだ力が足りないのか!!)
炭治郎が妓夫太郎を斬りきれないうちに、妓夫太郎は血気術を繰り出し刀を押し戻した。
「このガキィィィっ!!」
妓夫太郎は憎たらしそうに炭治郎を睨みつけ、攻撃を繰り出す。
炭治郎はどうにか攻撃を受け止めるが、すごい速さの鎌が炭治郎の頚を狙った。
まずい、と思ったその瞬間、宇髄が現れ鎌を刀で防ぐ。
妓夫太郎だけでなく炭治郎も驚いた。
ドドドド、という音ともに攻撃を繰り出す宇髄。
そして、大声で叫んだ。
「『譜面』が完成した!!勝ちに行くぞォオ!!」
その声は、反撃の狼煙のようだった。
堕姫の帯に捕まり、地面に抑えられている。
しかしその状態でもこちらを伺うような視線に、一瞬目を合わせた。
そして、炭治郎はバッと天を仰いだ。
「悔しいんだなあ自分の弱さが。人は嘆く時天を仰ぐんだぜ。涙が溢れねえようになああ」
妓夫太郎はニタニタと笑いながら、炭治郎に話しかけ続ける。
炭治郎は変わらず天を仰いでいたが、一度鼻を動かすと、呟き始めた。
「俺は…俺は……準備してたんだ。」
そう言うと炭治郎は思いっきり頭突きをかました。
ゴンッと鈍い音が響き、妓夫太郎は真正面からそれをくらった。
(ヤケクソで頭突きかよ。効かねえぜこんな……!?体が上手く動かせねえ!!)
たかが人間の頭突きだと思い、すぐに体勢を立て直そうと思った妓夫太郎だったが、何故か体が動かなかった。
しかし直ぐにその理由に気づく。
(なんで、ここに藤の花が…!?)
妓夫太郎を取り囲む、大量の美しい藤の花が視界に広がっていた。
先程までは無かったその存在に、妓夫太郎は動揺する。
(くそ…この幻覚のせいか…!)
妓夫太郎が藤の花に苦しむ中、炭治郎は刀を振るった。
力いっぱいその頚を狙ったのだ。
名前は炭治郎の目を見た瞬間、諦めていないことを悟った。
炭治郎は何か考えている。
隙をうかがっている。
それが分かった名前は、自分の持つ力でどうにか炭治郎の役に立ちたいと思った。
(この帯のせいで手足は動かせない…。何か、何かできないか…?)
名前は視線を動かし、使えるものを探したものの何も見つからない。
血気術を使うにも手足を引っ掛けない。
(くそ…どうしたらあの鬼の隙を作れる…?私に出来ることは…?)
名前はギリッと悔しそうに唇を噛む。
しかしその瞬間、はっと気がついた。
(そうか、血を流せればどこでもいいんだ。腕や足じゃなくても血が流せれば血気術を使える!)
名前は、躊躇うことなく思いっきり口を噛んだ。
痛みと共に口から大量の血が流れ始めた。
『血気術 藤花ノ宴』
名前の忌血の匂いが周囲に漂う。
その匂いを炭治郎は嗅ぎ分け、頭突きに踏切ったのだ。
そして頭突きをかました直後、その場に大量の藤の花が咲いた。
まるで本物のようだった。
名前の血気術のおかげで妓夫太郎は動けなくなり、炭治郎は頚に刀を降り下ろせたのだった。
「おおおおああああああ!!」
炭治郎は大声を上げて刀に力を込める。
目の前の鬼を殺すために。
「ちょっと嘘でしょ!!そんな奴に頚斬られないでよ!!」
妓夫太郎の頚が斬られそうになっているのを見て、堕姫は帯を炭治郎に向けた。
そうなったことで名前は解放され、自由に動けるようになった。
(炭治郎の邪魔はさせない!)
名前は急いで堕姫の帯を止めようと動いたが、それを上回る速度で何かが瓦礫から飛び出し帯を弾いた。
それは血だらけの善逸だった。
「善逸くん!!」
全身血だらけで、もう動けるとは到底思えない姿だった。
しかし、その状態で善逸は刀を構える。
『雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 神速』
目に追えない速さで、善逸は堕姫の頚を狙った。
帯のようにしなる堕姫の頚だが、善逸の斬撃の速さで斬られかけていた。
(斬れろ斬れろ振り抜け!!霹靂の神速は二回しか使えない。足が駄目になる!瓦礫から抜けるために一度使っていて後が無い。そしてもう今以外首を狙える機会は訪れない!!)
善逸は全力で刀を振るう。
もう自身の足は悲鳴をあげている。
しかしこの千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかなかった。
一方炭治郎も自身の刀に力を込め続けていた。
(くそォオ斬れない!!硬い!!名前の血気術で弱体化してるはずなのに、まだ力が足りないのか!!)
炭治郎が妓夫太郎を斬りきれないうちに、妓夫太郎は血気術を繰り出し刀を押し戻した。
「このガキィィィっ!!」
妓夫太郎は憎たらしそうに炭治郎を睨みつけ、攻撃を繰り出す。
炭治郎はどうにか攻撃を受け止めるが、すごい速さの鎌が炭治郎の頚を狙った。
まずい、と思ったその瞬間、宇髄が現れ鎌を刀で防ぐ。
妓夫太郎だけでなく炭治郎も驚いた。
ドドドド、という音ともに攻撃を繰り出す宇髄。
そして、大声で叫んだ。
「『譜面』が完成した!!勝ちに行くぞォオ!!」
その声は、反撃の狼煙のようだった。