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2章

おなまえ

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苗字
名前

(ぼんやりするな!こっちからも頚を狙え!!)

宇髄の刀と共に、炭治郎も刀を振るう。
二人の刀が頚をとらえたと思った瞬間、ガチン!と二人の動きが止まった。


「お前らが俺の頚斬るなんて無理な話なんだよなあ」


妓夫太郎は二本の鎌でそれぞれの刀を受け止めていた。
にたりと笑う妓夫太郎に、宇髄のもう一本の刀が頚を狙う。
しかし、ぐるりと頭が回転し口で刀を受け止めていた。
宇髄は険しそうに顔を歪め、何かを察したのか叫んだ。

「竈門、踏ん張れ!!」

名前はその言葉に、また妓夫太郎が技を出すことが分かった。


『血気術 藤衣』


後ろに庇っている雛鶴だけでなく、前に立つ炭治郎まで範囲を広げたが、やはり三人同時に守るのは難しく、衝撃を和らげることが出来なかった。
三人揃って後ろに飛ばされ、宇髄は名前達とは逆方向に飛んで行った。


(強い…守りきれない…!)


名前は自分の腹部がじわじわと焼け焦げていくのを感じた。
藤衣と藤威は鬼に対しては非常に効果のある血気術だ。
しかし、同時に鬼である名前の体はその反動を受ける。
長時間使ったり無理に範囲を広げると反動は大きくなり、体の様々な箇所が崩れていく。
もちろん名前も能力の使いすぎを自覚しているが、この状況で自分の命を優先するなんて考えは名前の中には無かった。



体制を整えようとしたとき、伊之助の声が響いた。

「危ねぇぞォォォ!!」

妓夫太郎の攻撃を避けたかと思えば、次は無数の帯が名前達を狙っていた。
また藤衣を発動させようとした名前だったが、伊之助と善逸が目の前に現れ、三人を帯から守った。


「伊之助!!善逸!!」


炭治郎が二人の名前を呼ぶ。
その呼び掛けに反応するように、二人は炭治郎に声をかけた。

「作戦変更をよぎなくされてるぜ!蚯蚓女に全っ然近づけねぇ!!こっち三人で蟷螂鬼はオッサンに頑張ってもらうしかねぇ!!」

伊之助はムキーッと忌々しそうに帯を弾きながら言った。
その横で善逸が血を流しながら目を閉じた状態で、帯を弾いた。

「鎌の男よりもまだこちらの方が弱い。まずこっちの頚を斬ろう。炭治郎まだ動けるか!」

炭治郎は二人と同じように迫り来る帯を弾きつつ、善逸の問いに答える。

「動ける!!ただ宇髄さんは敵の毒にやられているから危険な状態だ。一刻も早く決着をつけなければ…」

炭治郎の言葉の途中で、帯とともに妓夫太郎の攻撃がこちらまで飛んできた。
それをどうにか避けた炭治郎は、名前に目を向ける。

名前!雛鶴さんを安全なところへ!」
「わかった!」

名前は頷き、雛鶴を片手で抱えて飛んだ。
少しでも遠くへ行くために。




ある程度離れたところへ雛鶴を下ろし、名前はすぐに踵を返そうとした。

名前さん!」

雛鶴の声に名前は足を止め、振り向いた。
不安そうな顔をした雛鶴がそこにはいた。


「ありがとう。どうか無事で…!」


雛鶴の言葉に名前は少しだけ驚いた。
鬼の自分に対して、感謝と無事を祈る言葉を言ってくれるなんて思っていなかったからだ。

「…っはい!」

名前は力強く頷き、地面を蹴った。

(早く、早く戦場へ…!雛鶴さんの大切な人が危険なはず!)






名前が戻った時、音が止んでいた。

(柱は…?それに鬼はどこ…?)

建物はほとんど倒壊し、戦いは終わったかのように静まり返っていた。
名前はきょろきょろと柱や炭治郎、鬼を探した。


(どうなったの!?みんな、生きてるの!?)


名前は動揺していた。
だからこそ、迫り来る攻撃に気が付かなかった。
シュルっという音ともに背後から帯が現れ、名前を捕らえた。


「やだ、アンタまだいたの?まぁでも来るのが遅かったわね。」


堕姫の帯が名前を羽交い締めにし、全く動きが取れなくなった。
堕姫は屋根の上に悠々と座り、その近くには座り込んだ炭治郎と妓夫太郎がいた。

「柱は死んだ。猪も心臓を一突きされたし、黄色のガキは瓦礫の下で苦しんでるわ。アタシたちの勝ちよ!」

堕姫は勝ち誇った笑みを浮かべ、名前を見下した。
名前はこの状況を信じられず、目を見開いて座り込んでいる二人を見た。


(そんな…柱も伊之助も善逸も死んでしまうの…?炭治郎…、諦めてしまったの…?)


名前がそう思った時、妓夫太郎越しに炭治郎の目が見えた。

その目は、あの時と同じ覚悟の炎が灯っていた。
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