2章
おなまえ
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鬼の気配を追って炭治郎は窓から部屋に入った。
その目に映った状況に、身を固くする。
「鬼狩りの子?」
上弦と刻まれた左目が炭治郎を射抜く。
「来たのね、そう。何人いるの?一人は黄色い頭のガキでしょう。柱は来てる?もうすぐ来る?アンタは柱じゃないわね、弱そうだものね。」
鬼の周りで生き物のような帯がシュルシュルと動く。
その帯は二人の女の頭を掴んでいた。
それは鯉夏と名前だった。
炭治郎は息を飲んだ。
「柱じゃない奴は要らないのよ、わかる?私は汚い年寄りと不細工を食べないし。」
(体…!!どうなってる!?鯉夏さんと名前の体が無い。名前の血の匂いはするけど、鯉夏さんからは血の匂いははしていない…。)
炭治郎は状況をどうにか理解しようと必死に頭を動かした。
「その人たちを離せ!!」
炭治郎の言い方にカチンと来た堕姫は、不機嫌そうに顔を歪めた。
「誰に向かって口を利いてんだお前は。」
その直後、帯が炭治郎に襲いかかり家の外まで吹き飛ばした。
名前が目を開けると店の外だった。
近くには帯の破片と、鯉夏が倒れていた。
(あれ、私…。確か上弦の鬼の帯に取り込まれて…。そのあと、どうしてたっけ…?)
名前は周辺の気配を探り、近くに人間がいないことと、離れたところで戦闘が行われていることを把握した。
誰かが自分と鯉夏を助けてくれたのだろうと思い、まずは鯉夏を安全な場所へ運ぼうと手を伸ばした。
「あっ…。」
左腕は、まだ無いままだった。
(やっぱり普通の傷とは違うんだ…。回復しそうにない…。)
片腕が無いだけでバランスが取りずらいようで、名前は少しふらついた。
しかし、この程度で逃げる訳には行かない。
戦闘は既に始まっているのだ。
名前は残っている右腕で鯉夏を抱え、戦闘の被害が及ばないであろうところまで運んだ。
(急がないと…!戦況は一体どうなっている…?)
鯉夏を安全な場所に運び、激しい音が鳴っている方向へ名前は走った。
そうすると、屋根の上に血だらけの善逸と伊之助の姿が見えた。
そこには姿は変わっているものの、鯉夏を狙った鬼、堕姫がいた。
堕姫がさらに無数の帯を二人に向けようとしたのを名前は捉えた。
『血気術 藤衣』
その瞬間、藤衣を発動させ二人を狙う攻撃を防ぐ。
防ぎきれなかった衝撃が周囲に漏れ、屋根を倒壊させた。
(どうにか間に合ったか…?)
瓦礫が崩れ煙がたつ中、名前は反対の屋根の上に女性が立っているのを見つけた。
その女性は無数のクナイをばら撒き、堕姫ではないもう一体の鬼、妓夫太郎を狙った。
妓夫太郎は血気術を発動して防ぐが、宇髄と炭治郎の連携により刀を向けられる。
名前は何かを感じ、屋根の上の女性の元へ向かった。
名前の勘が、女性を守れと告げたのだ。
女性の姿をはっきりと捉えた瞬間、物凄い爆音と爆風が周囲を襲った。
煙が晴れた時、宇髄の前に妓夫太郎はいなかった。
(消えた!!)
宇髄は直ぐに自分の妻、雛鶴に目を向けそちらに向かおうとした。
雛鶴は宇髄が自分の方に向かってくるのが分かり、それを止めようとした。
「天元様、私に構わず鬼を探してくだ…」
そんな雛鶴の口は何者かにガッと乱暴に掴まれた。
気づけば妓夫太郎が目前に来ていたのだ。
雛鶴はさっと青ざめた。
「よくもやってくれたなああ。俺はお前に構うからなああ」
「雛鶴ーーーーーっ!!」
宇髄は必死に雛鶴のもとへ向かおうとするも、堕姫の帯がそれを邪魔する。
爆風に飛ばされた炭治郎が向かおうとしたその時、妓夫太郎の腕が焼け焦げ雛鶴が解放された。
「なんだあ?お前…。」
妓夫太郎はすぐに腕を生やしながら、突如現れた存在を睨みつける。
血気術 藤威を発動させた名前が、雛鶴を守るようにそこに立っていた。
息を切らしながら、名前は全身で妓夫太郎を威嚇した。
「鬼のくせに俺に歯向かおうってんのかああ?」
妓夫太郎が生やした腕を振りかぶって攻撃を繰り出そうとしたとき、名前は血気術を再度繰り出した。
『血気術 藤衣』
自身と雛鶴を守るように発動させたが、妓夫太郎の攻撃が名前に届く前にその腕は斬られていた。
今度は、炭治郎が名前と雛鶴の前に立っていた。
炭治郎はゲホッと苦しそうに咳をして、息を吸う音もヒューヒューと鳴り、呼吸さえも辛そうだった。
「炭治郎……!」
名前は目の前に立つ炭治郎が、怪我をしながらも必死に戦っていることがわかった。
しかし、妓夫太郎が手を緩めるはずがない。
再び繰り出される攻撃に備えようとした時、後ろから宇髄の姿が見えた。
「竈門炭治郎、名前!お前達に感謝する!!」
宇髄の刀が妓夫太郎の頚に届いた。
その目に映った状況に、身を固くする。
「鬼狩りの子?」
上弦と刻まれた左目が炭治郎を射抜く。
「来たのね、そう。何人いるの?一人は黄色い頭のガキでしょう。柱は来てる?もうすぐ来る?アンタは柱じゃないわね、弱そうだものね。」
鬼の周りで生き物のような帯がシュルシュルと動く。
その帯は二人の女の頭を掴んでいた。
それは鯉夏と名前だった。
炭治郎は息を飲んだ。
「柱じゃない奴は要らないのよ、わかる?私は汚い年寄りと不細工を食べないし。」
(体…!!どうなってる!?鯉夏さんと名前の体が無い。名前の血の匂いはするけど、鯉夏さんからは血の匂いははしていない…。)
炭治郎は状況をどうにか理解しようと必死に頭を動かした。
「その人たちを離せ!!」
炭治郎の言い方にカチンと来た堕姫は、不機嫌そうに顔を歪めた。
「誰に向かって口を利いてんだお前は。」
その直後、帯が炭治郎に襲いかかり家の外まで吹き飛ばした。
名前が目を開けると店の外だった。
近くには帯の破片と、鯉夏が倒れていた。
(あれ、私…。確か上弦の鬼の帯に取り込まれて…。そのあと、どうしてたっけ…?)
名前は周辺の気配を探り、近くに人間がいないことと、離れたところで戦闘が行われていることを把握した。
誰かが自分と鯉夏を助けてくれたのだろうと思い、まずは鯉夏を安全な場所へ運ぼうと手を伸ばした。
「あっ…。」
左腕は、まだ無いままだった。
(やっぱり普通の傷とは違うんだ…。回復しそうにない…。)
片腕が無いだけでバランスが取りずらいようで、名前は少しふらついた。
しかし、この程度で逃げる訳には行かない。
戦闘は既に始まっているのだ。
名前は残っている右腕で鯉夏を抱え、戦闘の被害が及ばないであろうところまで運んだ。
(急がないと…!戦況は一体どうなっている…?)
鯉夏を安全な場所に運び、激しい音が鳴っている方向へ名前は走った。
そうすると、屋根の上に血だらけの善逸と伊之助の姿が見えた。
そこには姿は変わっているものの、鯉夏を狙った鬼、堕姫がいた。
堕姫がさらに無数の帯を二人に向けようとしたのを名前は捉えた。
『血気術 藤衣』
その瞬間、藤衣を発動させ二人を狙う攻撃を防ぐ。
防ぎきれなかった衝撃が周囲に漏れ、屋根を倒壊させた。
(どうにか間に合ったか…?)
瓦礫が崩れ煙がたつ中、名前は反対の屋根の上に女性が立っているのを見つけた。
その女性は無数のクナイをばら撒き、堕姫ではないもう一体の鬼、妓夫太郎を狙った。
妓夫太郎は血気術を発動して防ぐが、宇髄と炭治郎の連携により刀を向けられる。
名前は何かを感じ、屋根の上の女性の元へ向かった。
名前の勘が、女性を守れと告げたのだ。
女性の姿をはっきりと捉えた瞬間、物凄い爆音と爆風が周囲を襲った。
煙が晴れた時、宇髄の前に妓夫太郎はいなかった。
(消えた!!)
宇髄は直ぐに自分の妻、雛鶴に目を向けそちらに向かおうとした。
雛鶴は宇髄が自分の方に向かってくるのが分かり、それを止めようとした。
「天元様、私に構わず鬼を探してくだ…」
そんな雛鶴の口は何者かにガッと乱暴に掴まれた。
気づけば妓夫太郎が目前に来ていたのだ。
雛鶴はさっと青ざめた。
「よくもやってくれたなああ。俺はお前に構うからなああ」
「雛鶴ーーーーーっ!!」
宇髄は必死に雛鶴のもとへ向かおうとするも、堕姫の帯がそれを邪魔する。
爆風に飛ばされた炭治郎が向かおうとしたその時、妓夫太郎の腕が焼け焦げ雛鶴が解放された。
「なんだあ?お前…。」
妓夫太郎はすぐに腕を生やしながら、突如現れた存在を睨みつける。
血気術 藤威を発動させた名前が、雛鶴を守るようにそこに立っていた。
息を切らしながら、名前は全身で妓夫太郎を威嚇した。
「鬼のくせに俺に歯向かおうってんのかああ?」
妓夫太郎が生やした腕を振りかぶって攻撃を繰り出そうとしたとき、名前は血気術を再度繰り出した。
『血気術 藤衣』
自身と雛鶴を守るように発動させたが、妓夫太郎の攻撃が名前に届く前にその腕は斬られていた。
今度は、炭治郎が名前と雛鶴の前に立っていた。
炭治郎はゲホッと苦しそうに咳をして、息を吸う音もヒューヒューと鳴り、呼吸さえも辛そうだった。
「炭治郎……!」
名前は目の前に立つ炭治郎が、怪我をしながらも必死に戦っていることがわかった。
しかし、妓夫太郎が手を緩めるはずがない。
再び繰り出される攻撃に備えようとした時、後ろから宇髄の姿が見えた。
「竈門炭治郎、名前!お前達に感謝する!!」
宇髄の刀が妓夫太郎の頚に届いた。