1章
おなまえ
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名前が魚を取ってきて戻ると、炭治郎と伊之助がどっと疲れた表情をして座っていた。
その二人とは対照的に、善逸は名前が戻ってくるのを見つけるやいなや目を輝かせた。
そしてもじもじとしながら花を差し出した。
「俺、我妻善逸っていいます!!那田蜘蛛山でははぐれちゃってごめんねぇぇぇ!これ良かったら、名前ちゃんのこと考えて摘んできたんだ!!」
名前少しだけぽかんとしたが、すぐに笑顔を浮かべ花を受け取った。
「私は名前です。ありがとうございます、我妻さん。」
名前が花を受け取ってくれたことで、ぼんっと顔を真っ赤にした善逸は、炭治郎に駆け寄り、ねぇこれって結婚したいのかな!?結婚したいんだよね!?と騒いでいた。
伊之助は耳を塞ぎ、炭治郎は違うと思うぞ!と言い切っていた。
三人の騒ぐ様子に、名前はくすくすと笑う。
(こんなに楽しいの、久しぶりかも。)
名前は人間の時も、同年代の人達とは関わりがなかった。
こういったやり取りをしたことも無く、名前にとっては新鮮であった。
名前が面白がっている間も話が進んでいたようで、善逸が名前の手を両手で掴んだ。
「名前ちゃんのことは、俺が守るからね!!」
善逸の言葉に、名前は首を振った。
え、という善逸の手をゆっくりと離し、三人に向かって言う。
「私は強くなりたいんです。」
凛とした声で名前は言った。
名前は三人に真剣な表情を向けた。
「伊之助は、私が強くなるために毎日修行に付き合ってくれました。煉獄さんに貰った人間としての尊厳を守るため、私は死ぬ訳にはいきません。」
名前は頭を下げた。
「可能でしたら、竈門さんと我妻さんにも私の修行に付き合っていただきたいです。首以外でしたら斬っていただいて構いません。お願いします。」
名前の言葉に、炭治郎と善逸は困ったように顔を見合わせる。
伊之助は何も言わなかった。
名前は顔を上げ、三人の目を見てもう一度言った。
「強くなりたいんです。」
炭治郎はふぅ、と息を吐いた。
そうして膝をついて名前と目線を合わせた。
「分かりました。名前さんの覚悟に俺達も応えます。」
そう言って次の日から炭治郎と善逸も、名前の修行に来てくれるようになった。
名前は三人との戦いを通して、人間との戦い方を考えていた。
名前に人間を殺す気は無い。
食事も珠世が定期的に送ってくれている人間の血で済ませているため、人間を襲うことは無い。
しかし、生き抜くためには人間、すなわち鬼殺隊と戦わないといけない。
この間出会った柱のように、鬼である自分の話を聞かない鬼狩りの方が多いはずだ。
名前は覚悟を決め、新たな血鬼術を発動させた。
修行の合間、善逸は伊之助に文句を言っていた。
「なんでお前だけ名前ちゃんに名前呼ばれてんの!?」
「知るかァ!」
善逸はいつも通り名前にヘラヘラしていたが、突如気がついたかのように伊之助にくってかかっていた。
無駄な言い争いは炭治郎が止めてくれるが、そういえばそうだな、と今日は名前に目を向けた。
「そういえば名前さんは伊之助だけ呼び捨てだし敬語じゃないですね。」
「そうですね…。伊之助とは、なんというかその時の流れというか…。」
伊之助は名前にとって初めて言い争った相手だ。
それに伊之助自体、全く敬語を使わないし言葉遣いも悪い。
わざわざ敬語に戻す必要が無く、その場の流れで呼び捨てをしていた。
ふぅん、と炭治郎が頷く中、善逸はまだ恨めしそうに伊之助を睨みつけていた。
「名前さんっておいくつですか?」
「おいぃぃぃいいい!!女性に歳を聞くなんてお前っ…失礼だからな!!」
あっけんからんと聞く炭治郎に、善逸が全力で注意するも、
「あ、16になります。」
名前がすかさず答えたため、善逸はなんとも言えない表情で黙った。
その答えに炭治郎はぱぁっと表情を明るくした。
「1つしか違わないじゃないですか!」
その後はあれよあれよという間に、呼び捨てで呼び合うことになり、ついでに敬語も無くすことになった。
炭治郎の話の進め方には脱帽である。
名前はその日も、嬉しそうに笑った。
その二人とは対照的に、善逸は名前が戻ってくるのを見つけるやいなや目を輝かせた。
そしてもじもじとしながら花を差し出した。
「俺、我妻善逸っていいます!!那田蜘蛛山でははぐれちゃってごめんねぇぇぇ!これ良かったら、名前ちゃんのこと考えて摘んできたんだ!!」
名前少しだけぽかんとしたが、すぐに笑顔を浮かべ花を受け取った。
「私は名前です。ありがとうございます、我妻さん。」
名前が花を受け取ってくれたことで、ぼんっと顔を真っ赤にした善逸は、炭治郎に駆け寄り、ねぇこれって結婚したいのかな!?結婚したいんだよね!?と騒いでいた。
伊之助は耳を塞ぎ、炭治郎は違うと思うぞ!と言い切っていた。
三人の騒ぐ様子に、名前はくすくすと笑う。
(こんなに楽しいの、久しぶりかも。)
名前は人間の時も、同年代の人達とは関わりがなかった。
こういったやり取りをしたことも無く、名前にとっては新鮮であった。
名前が面白がっている間も話が進んでいたようで、善逸が名前の手を両手で掴んだ。
「名前ちゃんのことは、俺が守るからね!!」
善逸の言葉に、名前は首を振った。
え、という善逸の手をゆっくりと離し、三人に向かって言う。
「私は強くなりたいんです。」
凛とした声で名前は言った。
名前は三人に真剣な表情を向けた。
「伊之助は、私が強くなるために毎日修行に付き合ってくれました。煉獄さんに貰った人間としての尊厳を守るため、私は死ぬ訳にはいきません。」
名前は頭を下げた。
「可能でしたら、竈門さんと我妻さんにも私の修行に付き合っていただきたいです。首以外でしたら斬っていただいて構いません。お願いします。」
名前の言葉に、炭治郎と善逸は困ったように顔を見合わせる。
伊之助は何も言わなかった。
名前は顔を上げ、三人の目を見てもう一度言った。
「強くなりたいんです。」
炭治郎はふぅ、と息を吐いた。
そうして膝をついて名前と目線を合わせた。
「分かりました。名前さんの覚悟に俺達も応えます。」
そう言って次の日から炭治郎と善逸も、名前の修行に来てくれるようになった。
名前は三人との戦いを通して、人間との戦い方を考えていた。
名前に人間を殺す気は無い。
食事も珠世が定期的に送ってくれている人間の血で済ませているため、人間を襲うことは無い。
しかし、生き抜くためには人間、すなわち鬼殺隊と戦わないといけない。
この間出会った柱のように、鬼である自分の話を聞かない鬼狩りの方が多いはずだ。
名前は覚悟を決め、新たな血鬼術を発動させた。
修行の合間、善逸は伊之助に文句を言っていた。
「なんでお前だけ名前ちゃんに名前呼ばれてんの!?」
「知るかァ!」
善逸はいつも通り名前にヘラヘラしていたが、突如気がついたかのように伊之助にくってかかっていた。
無駄な言い争いは炭治郎が止めてくれるが、そういえばそうだな、と今日は名前に目を向けた。
「そういえば名前さんは伊之助だけ呼び捨てだし敬語じゃないですね。」
「そうですね…。伊之助とは、なんというかその時の流れというか…。」
伊之助は名前にとって初めて言い争った相手だ。
それに伊之助自体、全く敬語を使わないし言葉遣いも悪い。
わざわざ敬語に戻す必要が無く、その場の流れで呼び捨てをしていた。
ふぅん、と炭治郎が頷く中、善逸はまだ恨めしそうに伊之助を睨みつけていた。
「名前さんっておいくつですか?」
「おいぃぃぃいいい!!女性に歳を聞くなんてお前っ…失礼だからな!!」
あっけんからんと聞く炭治郎に、善逸が全力で注意するも、
「あ、16になります。」
名前がすかさず答えたため、善逸はなんとも言えない表情で黙った。
その答えに炭治郎はぱぁっと表情を明るくした。
「1つしか違わないじゃないですか!」
その後はあれよあれよという間に、呼び捨てで呼び合うことになり、ついでに敬語も無くすことになった。
炭治郎の話の進め方には脱帽である。
名前はその日も、嬉しそうに笑った。