1章
おなまえ
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鬼狩りが現れ、名前と戦っていた鬼を斬った。
体中に傷跡のある、見るからに好戦的である鬼狩りである。
「なんだァ?鬼同士で取り合いかよ、くだらねェことしてんなァ。」
名前はじっとその鬼狩りを見ていた。
そして気配で分かった。
(この人は柱だ…。煉獄さんと、同じ…。)
強い鬼狩りは気配が違う。
鬼と戦っていたとはいえ、鬼狩りの気配がわからない訳では無い。
しかし、目の前の鬼を斬られるまで全く気配がしなかった。
相当強い鬼狩りでないと、そのようなことは出来ないだろう。
柱が刀を構え直すのを見て、名前は咄嗟に言葉を発した。
「待って!私はこの人たちを食べようとしたわけじゃない!」
(煉獄さんと同じ柱だ。あの人ほどじゃないにしろ、きっと話くらい聞いてくれる…!)
名前は鬼狩りとして強い人間ほど、鬼への理解もあるのだろうと予想をしていた。
目の前の柱も、今は名前が人間を食べようとしていたと思っているから戦おうとしているだけで、きっと自分の話を聞いてくれる、と。
「あァ?何言ってんだお前。鬼が人間を食わねェ?そんなことありえねぇんだよ。」
柱は呆れたような表情を浮かべつつも、名前を強く睨みつけたまま言い放った。
風柱、不死川実弥は非常に機嫌が悪かった。
鬼を滅殺する。
不死川は鬼殺隊の目的を強く志し、毎日鬼を狩っていた。
しかし少し前に炭治郎が連れてきた禰豆子に出会い、『人間を食べない』鬼がいるという事実に直面してしまったのである。
まだ認めてはいないものの、そういう存在がいるという事実が不死川を非常に腹立たせた。
さらに、そんな中での煉獄の訃報。
上弦の参によって葬られたと聞き、やはり鬼は全て滅する必要があると再度志を高く持ったばかりだった。
任務帰りの村の近くで、鬼の気配を辿って着いたのがこの洞窟だった。
不死川が認識したのは二体の鬼。
一体は五十ほどの人間を食っている鬼の気配だったので、そっちを先に斬った。
何に気を取られていたのか知らないが、不死川に気がつくことなく一瞬で首を斬ることができた。
もう一体も不死川には気づいておらず、鬼の首が落ちてから存在に気が付き、不死川に目を向けたのだ。
名前の発言を真っ向から否定する不死川に、名前は少しだけ感情を荒らげた。
「事実なの!私はこの人たちを守ろうとしていただけ!」
「てめェがどうこう言おうと、俺は鬼の言葉なんて信じる気はさらさらねェよ。」
不死川は全く耳を貸さない。
刀を持つ手に力を入れ、一歩踏み出そうとしたその時、
「みんながみんな、煉獄さんのようではないんだな…。」
名前の小さな呟きに不死川はぴたりと動きを止めた。
臨戦態勢を取ろうとした名前は不思議な表情を浮かべ、不死川を見た。
「なんでてめェが煉獄の名を知っている?」
不死川の不機嫌そうな表情が、さらに険しいものに変わった。
ビリビリと、殺意が名前に伝わる。
「…っ!?」
殺意をあてられ、名前は再度臨戦態勢を取り直す。
不死川は眼力だけで人を殺してしまいそうなくらいの視線を名前へ向けた。
少しでも不自然な動きをしたら一瞬で斬られる、そう思わせるほどの眼力だった。
「列車で、煉獄さんに命を救われた。彼は私にとって恩人なの…!」
名前は心からの言葉を述べた。
嘘偽りない、名前の本心だった。
しかしその言葉は不死川にとっては火に油を注ぐ内容でしか無かった。
「オイ、柱になるような男がそんなことする訳ねェだろ。雑魚鬼が何言っていやがんだァ?」
「私は二回も命を救われた!あの人は、煉獄さんは、鬼である私にも生きる尊厳をくれた!!」
こればかりは、名前は譲るわけにはいかなかった。
どんなに目の前の柱が怖くても、煉獄の意志を伝え、それを抱えて生きていかなければと思ったのだ。
しかし、名前の言葉は不死川の怒りを増幅させた。
「てめェ……。煉獄を侮辱する気か…!」
不死川の殺意は強くなり、まるで空気を裂くようだった。
「煉獄ほどの男が、てめェみたいな雑魚鬼を二回も仕留め損ねたって言うのかァ?あいつは鬼殺隊の誇りを持っていた、誰よりも熱い男だった。そんな男が、鬼を見逃す?そんなことありえねぇ!!」
その場で一度刀を振るい、不死川は再度目の前の鬼へ刀を構えた。
「鬼殺隊を侮辱した罪、その死をもって償え!!」
「貴方なんかに煉獄さんの意志を、思いを否定なんてさせない!」
名前も再びその目に闘志を燃やし、不死川を睨み付けた。
体中に傷跡のある、見るからに好戦的である鬼狩りである。
「なんだァ?鬼同士で取り合いかよ、くだらねェことしてんなァ。」
名前はじっとその鬼狩りを見ていた。
そして気配で分かった。
(この人は柱だ…。煉獄さんと、同じ…。)
強い鬼狩りは気配が違う。
鬼と戦っていたとはいえ、鬼狩りの気配がわからない訳では無い。
しかし、目の前の鬼を斬られるまで全く気配がしなかった。
相当強い鬼狩りでないと、そのようなことは出来ないだろう。
柱が刀を構え直すのを見て、名前は咄嗟に言葉を発した。
「待って!私はこの人たちを食べようとしたわけじゃない!」
(煉獄さんと同じ柱だ。あの人ほどじゃないにしろ、きっと話くらい聞いてくれる…!)
名前は鬼狩りとして強い人間ほど、鬼への理解もあるのだろうと予想をしていた。
目の前の柱も、今は名前が人間を食べようとしていたと思っているから戦おうとしているだけで、きっと自分の話を聞いてくれる、と。
「あァ?何言ってんだお前。鬼が人間を食わねェ?そんなことありえねぇんだよ。」
柱は呆れたような表情を浮かべつつも、名前を強く睨みつけたまま言い放った。
風柱、不死川実弥は非常に機嫌が悪かった。
鬼を滅殺する。
不死川は鬼殺隊の目的を強く志し、毎日鬼を狩っていた。
しかし少し前に炭治郎が連れてきた禰豆子に出会い、『人間を食べない』鬼がいるという事実に直面してしまったのである。
まだ認めてはいないものの、そういう存在がいるという事実が不死川を非常に腹立たせた。
さらに、そんな中での煉獄の訃報。
上弦の参によって葬られたと聞き、やはり鬼は全て滅する必要があると再度志を高く持ったばかりだった。
任務帰りの村の近くで、鬼の気配を辿って着いたのがこの洞窟だった。
不死川が認識したのは二体の鬼。
一体は五十ほどの人間を食っている鬼の気配だったので、そっちを先に斬った。
何に気を取られていたのか知らないが、不死川に気がつくことなく一瞬で首を斬ることができた。
もう一体も不死川には気づいておらず、鬼の首が落ちてから存在に気が付き、不死川に目を向けたのだ。
名前の発言を真っ向から否定する不死川に、名前は少しだけ感情を荒らげた。
「事実なの!私はこの人たちを守ろうとしていただけ!」
「てめェがどうこう言おうと、俺は鬼の言葉なんて信じる気はさらさらねェよ。」
不死川は全く耳を貸さない。
刀を持つ手に力を入れ、一歩踏み出そうとしたその時、
「みんながみんな、煉獄さんのようではないんだな…。」
名前の小さな呟きに不死川はぴたりと動きを止めた。
臨戦態勢を取ろうとした名前は不思議な表情を浮かべ、不死川を見た。
「なんでてめェが煉獄の名を知っている?」
不死川の不機嫌そうな表情が、さらに険しいものに変わった。
ビリビリと、殺意が名前に伝わる。
「…っ!?」
殺意をあてられ、名前は再度臨戦態勢を取り直す。
不死川は眼力だけで人を殺してしまいそうなくらいの視線を名前へ向けた。
少しでも不自然な動きをしたら一瞬で斬られる、そう思わせるほどの眼力だった。
「列車で、煉獄さんに命を救われた。彼は私にとって恩人なの…!」
名前は心からの言葉を述べた。
嘘偽りない、名前の本心だった。
しかしその言葉は不死川にとっては火に油を注ぐ内容でしか無かった。
「オイ、柱になるような男がそんなことする訳ねェだろ。雑魚鬼が何言っていやがんだァ?」
「私は二回も命を救われた!あの人は、煉獄さんは、鬼である私にも生きる尊厳をくれた!!」
こればかりは、名前は譲るわけにはいかなかった。
どんなに目の前の柱が怖くても、煉獄の意志を伝え、それを抱えて生きていかなければと思ったのだ。
しかし、名前の言葉は不死川の怒りを増幅させた。
「てめェ……。煉獄を侮辱する気か…!」
不死川の殺意は強くなり、まるで空気を裂くようだった。
「煉獄ほどの男が、てめェみたいな雑魚鬼を二回も仕留め損ねたって言うのかァ?あいつは鬼殺隊の誇りを持っていた、誰よりも熱い男だった。そんな男が、鬼を見逃す?そんなことありえねぇ!!」
その場で一度刀を振るい、不死川は再度目の前の鬼へ刀を構えた。
「鬼殺隊を侮辱した罪、その死をもって償え!!」
「貴方なんかに煉獄さんの意志を、思いを否定なんてさせない!」
名前も再びその目に闘志を燃やし、不死川を睨み付けた。