1章
おなまえ
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(なんだか、禍々しい気配がする…。)
珠世の屋敷を出て数日。
名前はとにかく強い鬼がいる方へ向かっていた。
強い鬼の元に迎えば炭治郎に会える気がしていたのだ。
鬼の気配を追い続けて、気がつけば線路近くまで来ていた。
山奥にある線路で、近くに人間はいないようだった。
名前は立ち止まり、不意に違和感を感じた。
(あれ?この気配…。だんだんと近づいてきている?)
名前の方向に鬼の気配が近づいてきているのだ。
しかも、すごい速さだ。
名前は自分の横にある線路を見つめ、鬼が列車に乗っていることに気づいた。
そして名前の目の前に現れる列車に乗ればその鬼に会えると確信した。
自らが導き出した答えに納得し、一歩踏み出そうとしたとき、名前はもう一つの気配を感じ取った。
(柱が…乗っている……!)
名前にとってまだ見ぬ存在である柱。
しかしその強さは気配で分かる。
(絶対に勝てない、と体が勝手に諦めるてしまうような気配だ。)
名前はその気配だけで身震いをした。
そして遠くに列車が姿を現した。
それは真っ黒な蒸気機関車だった
列車に乗る鬼に会って無惨の話を聞き、運良く炭治郎がいれば恩返しをしようと思っていた名前だったが、柱がいるなら話は別だ。
わざわざ命を投げ捨てるようなことをする必要は無い。
ぐんぐんと列車は名前に近づくが、それに背を向けて離れようとした。
名前と列車がすれ違うその一瞬、列車の中に見慣れた市松模様がちらりと見えた気がした。
その柄を目に認めた瞬間、名前は地面を蹴り、最終車両の手すりを掴んでいた。
恐怖よりも仲間を思う気持ちが勝った瞬間だった。
名前は先ほど自分が立っていた場所がどんどん離れていく様子を見つめ、小さく息を吐いた。
(覚悟を決めろ…!)
名前は車内への扉に手をかけ、勢いよくその扉を開いた。
車内はひっそりとしており、何人もの人間が眠っていた。
名前は不思議に思いながら、炭治郎の姿を探したが、この車両にはいないようだった。
(どの人も深い眠りについている。車両に乗っている鬼の能力なの…?)
名前が通っても誰も起きない。
次の扉もその次の扉を開けても、また人が大量に眠っていた。
しかし名前が探している、炭治郎も鬼も見つからなかった。
六個目の扉、すなわち前から三両目の車両の扉を開けようとした時、名前は全身に鳥肌がたった。
(ここの扉を開けたら、柱がいる…!)
名前は一度手にかけた扉から手を離した。
冷や汗が止まらず腕は震えていた。
本来、鬼である名前がこの距離まで来ているのに、柱が自分を斬りに来ないことに違和感を感じるべきなのだが、そのような余裕は名前の中には存在していなかった。
(怖い。柱に会うのが怖い…!)
名前の脳内に、扉を開けた瞬間に首を斬られた自分の姿が映し出される。
しかし同時に、恩人である炭治郎の顔が思い浮かんだ。
(この車両に、竈門さんがいる…!)
名前は怯えつつもゆっくりと扉に手をかけ、ほんの少しだけ扉を開けた。
そっと中を覗き込むと、ほかの車両と同様に中は静まり返っていた。
車両の前の方に、見た事のある着物の柄が見えた。
(あれは…黄色い髪をした鬼狩りの子の袖だ…!)
扉の隙間からは、前方に黄色い袖と赤い炎のような柄の羽織しか見えなかった。
名前が車両内へ入ろうとしても誰も起きない。
相当鬼の術が強いんだと名前は思った。
中に入り、ゆっくりと鬼狩りたちの元へ近づくと、それぞれの腕に縄が巻かれ人間の腕へ繋がっている奇妙な光景が広がっていた。
名前はその光景に疑問を抱きつつも、名前見たことの無いおそらく柱と思われる人物の隣に、炭治郎がいるのを発見した。
柱を起こさないように注意しつつ、名前はそっと声をかけた。
「竈門さん、竈門さん。起きてください。」
小声とはいえ、炭治郎はぴくりともせず気持ちよさそうに寝息をたてていた。
先程よりも少しだけ大きな声で名前は呼びかけた。
「竈門さん!鬼が出てますよ!起きてください!」
しかし炭治郎は起きない。
名前が後ろを振り返ると、黄色い髪の青年は幸せそうにうふふ…と言いながら寝ており、以前名前に斬りかかってきた猪の男はいびきをかきながら寝ていた。
そして、
(この人が…柱……。)
燃えるような髪色をして、非常に特徴的な眉毛をしている男性だった。
深く眠っているとはいえ、傍によるだけで只者ではないという気配がする。
鬼の能力で眠っていなければ、列車に乗った瞬間に斬りに殺されていただろう。
名前はしばらくその顔を見つめていた。
(この人は、柱という存在は、竈門さんやこの黄色い髪の青年のように私と会話をしてくれるんだろうか。それとも猪の男のように問答無用で斬るのだろうか。)
名前の中で鬼殺隊という存在は、敵でありつつも味方である。
どっちとして見れば良いのか、名前には決めることが出来なかった。
珠世の屋敷を出て数日。
名前はとにかく強い鬼がいる方へ向かっていた。
強い鬼の元に迎えば炭治郎に会える気がしていたのだ。
鬼の気配を追い続けて、気がつけば線路近くまで来ていた。
山奥にある線路で、近くに人間はいないようだった。
名前は立ち止まり、不意に違和感を感じた。
(あれ?この気配…。だんだんと近づいてきている?)
名前の方向に鬼の気配が近づいてきているのだ。
しかも、すごい速さだ。
名前は自分の横にある線路を見つめ、鬼が列車に乗っていることに気づいた。
そして名前の目の前に現れる列車に乗ればその鬼に会えると確信した。
自らが導き出した答えに納得し、一歩踏み出そうとしたとき、名前はもう一つの気配を感じ取った。
(柱が…乗っている……!)
名前にとってまだ見ぬ存在である柱。
しかしその強さは気配で分かる。
(絶対に勝てない、と体が勝手に諦めるてしまうような気配だ。)
名前はその気配だけで身震いをした。
そして遠くに列車が姿を現した。
それは真っ黒な蒸気機関車だった
列車に乗る鬼に会って無惨の話を聞き、運良く炭治郎がいれば恩返しをしようと思っていた名前だったが、柱がいるなら話は別だ。
わざわざ命を投げ捨てるようなことをする必要は無い。
ぐんぐんと列車は名前に近づくが、それに背を向けて離れようとした。
名前と列車がすれ違うその一瞬、列車の中に見慣れた市松模様がちらりと見えた気がした。
その柄を目に認めた瞬間、名前は地面を蹴り、最終車両の手すりを掴んでいた。
恐怖よりも仲間を思う気持ちが勝った瞬間だった。
名前は先ほど自分が立っていた場所がどんどん離れていく様子を見つめ、小さく息を吐いた。
(覚悟を決めろ…!)
名前は車内への扉に手をかけ、勢いよくその扉を開いた。
車内はひっそりとしており、何人もの人間が眠っていた。
名前は不思議に思いながら、炭治郎の姿を探したが、この車両にはいないようだった。
(どの人も深い眠りについている。車両に乗っている鬼の能力なの…?)
名前が通っても誰も起きない。
次の扉もその次の扉を開けても、また人が大量に眠っていた。
しかし名前が探している、炭治郎も鬼も見つからなかった。
六個目の扉、すなわち前から三両目の車両の扉を開けようとした時、名前は全身に鳥肌がたった。
(ここの扉を開けたら、柱がいる…!)
名前は一度手にかけた扉から手を離した。
冷や汗が止まらず腕は震えていた。
本来、鬼である名前がこの距離まで来ているのに、柱が自分を斬りに来ないことに違和感を感じるべきなのだが、そのような余裕は名前の中には存在していなかった。
(怖い。柱に会うのが怖い…!)
名前の脳内に、扉を開けた瞬間に首を斬られた自分の姿が映し出される。
しかし同時に、恩人である炭治郎の顔が思い浮かんだ。
(この車両に、竈門さんがいる…!)
名前は怯えつつもゆっくりと扉に手をかけ、ほんの少しだけ扉を開けた。
そっと中を覗き込むと、ほかの車両と同様に中は静まり返っていた。
車両の前の方に、見た事のある着物の柄が見えた。
(あれは…黄色い髪をした鬼狩りの子の袖だ…!)
扉の隙間からは、前方に黄色い袖と赤い炎のような柄の羽織しか見えなかった。
名前が車両内へ入ろうとしても誰も起きない。
相当鬼の術が強いんだと名前は思った。
中に入り、ゆっくりと鬼狩りたちの元へ近づくと、それぞれの腕に縄が巻かれ人間の腕へ繋がっている奇妙な光景が広がっていた。
名前はその光景に疑問を抱きつつも、名前見たことの無いおそらく柱と思われる人物の隣に、炭治郎がいるのを発見した。
柱を起こさないように注意しつつ、名前はそっと声をかけた。
「竈門さん、竈門さん。起きてください。」
小声とはいえ、炭治郎はぴくりともせず気持ちよさそうに寝息をたてていた。
先程よりも少しだけ大きな声で名前は呼びかけた。
「竈門さん!鬼が出てますよ!起きてください!」
しかし炭治郎は起きない。
名前が後ろを振り返ると、黄色い髪の青年は幸せそうにうふふ…と言いながら寝ており、以前名前に斬りかかってきた猪の男はいびきをかきながら寝ていた。
そして、
(この人が…柱……。)
燃えるような髪色をして、非常に特徴的な眉毛をしている男性だった。
深く眠っているとはいえ、傍によるだけで只者ではないという気配がする。
鬼の能力で眠っていなければ、列車に乗った瞬間に斬りに殺されていただろう。
名前はしばらくその顔を見つめていた。
(この人は、柱という存在は、竈門さんやこの黄色い髪の青年のように私と会話をしてくれるんだろうか。それとも猪の男のように問答無用で斬るのだろうか。)
名前の中で鬼殺隊という存在は、敵でありつつも味方である。
どっちとして見れば良いのか、名前には決めることが出来なかった。