自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第15話『過去を乗り越える都大会決勝』
主人公名前変換
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「吉郎」
五位決定戦にて。ルドルフが相手にしているのは不動峰に敗れた氷帝であった。訓練されてもおかしくない氷帝部員達による名物の氷帝コールを頼りにコートに辿り着いた麻美はルドルフ側のベンチに座る赤澤に声をかける。
悩んだ結果、麻美は少しだけ顔を合わせてやるかと結論を出したのだ。
「ん? 麻美か! 応援に来てくれたのかっ?」
赤澤が振り向き、麻美の姿を確認すると彼女が来るとは思ってもみなかったのか、驚きのあまり立ち上がった。そんな赤澤の行動により他のルドルフ部員達の視線は二人へと向けられる。
「まぁ、暇だったからな」
わざわざ時間を作ったとはまだ素直に言えない麻美は赤澤の質問に適当な言葉を選び、答えた。
「おや? 赤宮さんではないですか。わざわざ足を運んでいただきありがとうございます」
赤澤の隣に座っていた観月も彼女に挨拶をする。麻美は「あぁ」と頷くと急に後ろから肩をとんとんと叩かれた。
「?」
後ろを振り向けばむにっと頬を人差し指で押された。綺麗に整われた顔が一瞬だけ崩れる。そんな普段見ることのない麻美の顔に赤澤がははっと笑い、観月は目を丸くさせる。そしてそんな麻美の頬に指を差した人物も暫くしてから声を出した。
「簡単に引っ掛かっただーね!」
「テメ……」
何という侮辱を与えるんだと怒りを露にした麻美は柳沢の胸ぐらを掴もうとしたが、それよりも早く観月が彼の耳をこれでもかというほど引っ張った。
「いでででっ!」
「まったく! あなたは女性に対して何てことをやらかすつもりですか!」
「じょ、冗談だーね! 俺なりのスキンシップだーね! いでで!」
「……」
観月が代わりに怒ってくれたため麻美はもういいやと軽く溜め息を吐き捨てる。そしてちらりと目を向けた先には大袈裟なくらいに笑う従姉弟の姿。
「……いつまで笑ってやがる」
「スマンスマン。お前がああいうのに引っ掛かったのを見たのが初めてだったからな」
声を出して笑うのは止まったものの、表情まではまだ抑えられない赤澤。麻美はチッと舌打ちをする。そこへバタバタと走るルドルフ部員がやって来た。
「部長! そろそろ試合が始まります! ……と、あっ、赤宮さん……?」
「金田、だったな。今日も二人はダブルスでいくのか?」
「は、はいっ」
「前の青学での試合に成果を残したからか何かとペアを組んで練習することが多くなってな」
「そうか。まぁ、頑張れよ。吉郎、金田」
「おう」
「あっ、は、はい!」
赤澤の背中を見て今まで練習に励んでいた金田はその従姉弟である麻美にしなくていい緊張をしてしまう。赤澤の親戚だからというだけではなく、麻美から醸し出すクールさが彼をそうさせているのかもしれない。
「赤澤部長、そろそろ行かないと……あ、金田もここにいたのか。……ん? ……えーと……?」
そろそろコートまで集まらなければならないので金田と同じように赤澤を呼びに来た不二裕太が駆け寄ってくる。麻美とは初対面である彼は赤澤達と話をする麻美を見て誰だと言いたげな表情で首を傾げた。
「あぁ、裕太は麻美と初対面だったか? 俺の従姉弟の麻美だ」
「赤宮麻美。不二裕太だったな。先週の試合を見てたから私は一方的に知ってるけど」
「はぁ……。ども」
ぺこりと軽く頭を下げる裕太に麻美は頷いて答える。特にそれ以上会話も盛り上がることはないので彼はどこか戸惑いながらと「……それじゃあ、俺は失礼します」と言って去っていった。
「じゃ、俺らもそろそろ行くな。応援頼むぜ」
「あぁ」
「あ、あの、失礼しました!」
大きく頭を下げる金田とその彼の背中をぽんっと押してコートに向かう赤澤。そんな試合前の応援席では氷帝コールが未だに響いていた。
五位決定戦にて。ルドルフが相手にしているのは不動峰に敗れた氷帝であった。訓練されてもおかしくない氷帝部員達による名物の氷帝コールを頼りにコートに辿り着いた麻美はルドルフ側のベンチに座る赤澤に声をかける。
悩んだ結果、麻美は少しだけ顔を合わせてやるかと結論を出したのだ。
「ん? 麻美か! 応援に来てくれたのかっ?」
赤澤が振り向き、麻美の姿を確認すると彼女が来るとは思ってもみなかったのか、驚きのあまり立ち上がった。そんな赤澤の行動により他のルドルフ部員達の視線は二人へと向けられる。
「まぁ、暇だったからな」
わざわざ時間を作ったとはまだ素直に言えない麻美は赤澤の質問に適当な言葉を選び、答えた。
「おや? 赤宮さんではないですか。わざわざ足を運んでいただきありがとうございます」
赤澤の隣に座っていた観月も彼女に挨拶をする。麻美は「あぁ」と頷くと急に後ろから肩をとんとんと叩かれた。
「?」
後ろを振り向けばむにっと頬を人差し指で押された。綺麗に整われた顔が一瞬だけ崩れる。そんな普段見ることのない麻美の顔に赤澤がははっと笑い、観月は目を丸くさせる。そしてそんな麻美の頬に指を差した人物も暫くしてから声を出した。
「簡単に引っ掛かっただーね!」
「テメ……」
何という侮辱を与えるんだと怒りを露にした麻美は柳沢の胸ぐらを掴もうとしたが、それよりも早く観月が彼の耳をこれでもかというほど引っ張った。
「いでででっ!」
「まったく! あなたは女性に対して何てことをやらかすつもりですか!」
「じょ、冗談だーね! 俺なりのスキンシップだーね! いでで!」
「……」
観月が代わりに怒ってくれたため麻美はもういいやと軽く溜め息を吐き捨てる。そしてちらりと目を向けた先には大袈裟なくらいに笑う従姉弟の姿。
「……いつまで笑ってやがる」
「スマンスマン。お前がああいうのに引っ掛かったのを見たのが初めてだったからな」
声を出して笑うのは止まったものの、表情まではまだ抑えられない赤澤。麻美はチッと舌打ちをする。そこへバタバタと走るルドルフ部員がやって来た。
「部長! そろそろ試合が始まります! ……と、あっ、赤宮さん……?」
「金田、だったな。今日も二人はダブルスでいくのか?」
「は、はいっ」
「前の青学での試合に成果を残したからか何かとペアを組んで練習することが多くなってな」
「そうか。まぁ、頑張れよ。吉郎、金田」
「おう」
「あっ、は、はい!」
赤澤の背中を見て今まで練習に励んでいた金田はその従姉弟である麻美にしなくていい緊張をしてしまう。赤澤の親戚だからというだけではなく、麻美から醸し出すクールさが彼をそうさせているのかもしれない。
「赤澤部長、そろそろ行かないと……あ、金田もここにいたのか。……ん? ……えーと……?」
そろそろコートまで集まらなければならないので金田と同じように赤澤を呼びに来た不二裕太が駆け寄ってくる。麻美とは初対面である彼は赤澤達と話をする麻美を見て誰だと言いたげな表情で首を傾げた。
「あぁ、裕太は麻美と初対面だったか? 俺の従姉弟の麻美だ」
「赤宮麻美。不二裕太だったな。先週の試合を見てたから私は一方的に知ってるけど」
「はぁ……。ども」
ぺこりと軽く頭を下げる裕太に麻美は頷いて答える。特にそれ以上会話も盛り上がることはないので彼はどこか戸惑いながらと「……それじゃあ、俺は失礼します」と言って去っていった。
「じゃ、俺らもそろそろ行くな。応援頼むぜ」
「あぁ」
「あ、あの、失礼しました!」
大きく頭を下げる金田とその彼の背中をぽんっと押してコートに向かう赤澤。そんな試合前の応援席では氷帝コールが未だに響いていた。