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第15話『過去を乗り越える都大会決勝』
主人公名前変換
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「あ~ぁ……」
その頃、青学との対戦を控えた山吹のメンバーである千石がベンチに座りながら深い溜め息を吐いた。因みにこれで6回目。
何があったのか聞いてほしいオーラをこれでもかという程溢れ出す彼に隣に座っていたサングラスの少年が何かを諦めたかのように口を開いた。
「……さっきから何なんですか千石さん」
「聞いてよ室町くん! 亜久津ってば酷いんだよ! 俺のラブラブプランに協力してくれないし、その後、偶然にもその亜久津がプランに沿う現場を作ってくれたと思ったら先を越されちゃって……また頼みに行ったら全然相手してくんなくってさ! 酷いよねっ? そうだよねっ?」
「……」
サングラスの少年、室町は溜め息をついた。話の意味は分からないが、ひとつ年上である先輩が何をしようとしていたのかは理解出来たようだ。
「ナンパも程々にしてくださいよ」
「いやいや、ナンパとかじゃなくてさ」
「あ、千石くんっ」
否定しようとする千石。そんな彼を呼ぶ声が聞こえ千石だけじゃなく思わず室町も声がする方へと振り向く。
「あっ! 秋ちゃん!」
「こんにちは、千石くん。遥を連れて来たよ」
「うぐぐ……」
「あはは。ありがとう、秋ちゃん」
何やら親しげに話すが見たところ別の学校の制服を着る女子二人に室町は「他校か」と思った。
他校生の女子をナンパして知り合ったのだろうと考えたが、一人は千石に話しかけて来る女子の中でも結構大人しめだという印象。
そしてもう一人は何かに怯えるように一緒に来た女子の後ろに身を隠す。いつも千石に寄って来る女子とは雰囲気が違うため室町は思わず首を傾げた。
「あ、室町くん。一応紹介するね。こっちは俺の従姉弟の遥でその友達の秋ちゃん」
「はぁ……」
「九条秋です。よろしくお願いします」
「室町、十次です」
何をよろしくすればいいのか、そう感じながらも自己紹介をする秋に室町も自分の名を口にする。そして秋は曇りのない微笑みを彼に向けた。
「試合、頑張ってね」
「はぁ」
「千石くんも頑張ってね」
「ありがとう秋ちゃん。もうその言葉だけで俺は負ける気がしないよ!」
女性の前だけデレデレする千石の姿を幾度となく見てきた室町は相変わらず調子のいい人だと思わずにはいられない。そんな賑やかになり始めるベンチが気になったのか、同じユニフォームを身に纏う男子が二人やって来た。
「何だか楽しそうだな」
「待て、東方。これはきっとまた千石がナンパをして人様に迷惑をかけてる所かも知れないぞ」
「あ、地味'sじゃん」
「ジミーズ?」
千石の言葉の意味が分からず秋は首を傾げる。すると千石は楽しげにその説明を始めた。
「あの二人は地味'sって言ってすんごく地味な二人なんだよ」
「「地味で悪かったな!」」
「え……。でも地味って言うほどには見えないけど、普通じゃないかな?」
「秋ちゃん。普通っていうのは地味ってことなんだよ」
「……あいつ、本当にいつも失礼な奴だよな」
「……あぁ」
もはや怒鳴る気も失せたのか、地味'sと呼ばれる一人である南は他人事のように普通=地味について熱く語る千石を見ていた。そして同意するようにもう一人の地味'sである東方がひとつ頷く。
「でも、それなら私も地味'sじゃないかな? 私も何も取り柄もない普通の人間だし」
千石の話を聞いた秋は自分もその地味'sの一員ではないかと話し始めると、南と東方はその話に耳をぴくりと反応させた。
「ないない。秋ちゃんは可愛いじゃん。地味っていうのはかっこいいのかかっこ悪いのか微妙なラインのことでもあるからさ」
「本当にあいつは失礼な奴だな!」
「あぁ!」
地味'sのメンバーが増えるのではないかと若干期待をしていた二人は尚も失礼なことを言う千石にそろそろ怒りをぶつけたいという気持ちが同調し始める。
そんな中、秋は手首の内側にある腕時計を見て時間を確認すると「あっ」と呟く。
「ごめんね、千石くん。私そろそろ行かなきゃ」
「えっ!?」
先程まで黙っていた遥は秋の言葉を聞いて大きな声を上げる。彼女がどこに行くのか察したのか遥は後ろを向く秋の制服の裾をぎゅうっと強く掴んだ。
「えー? 秋ちゃんは試合見てくれないのー?」
「麻美の従姉弟も大会に出てるから先にそれを見てからまた後で様子を観に来ようと思ってるの」
「あ。麻美ちゃんも来てたんだ、ラッキー。じゃあ、俺の試合が終わるまでには戻って来てね」
「うん」
「まままま待つんだ、秋! あたし一人じゃ心細いよ!」
「遥。約束はちゃんと守るんだよ」
「いいじゃないかもう十分だよっ」
「試合観るまでが約束だよ?」
「うぅ……」
駄々をこねる遥に向けて発する正当な発言が効いたのか大人しく黙ると裾を掴んでいた手をゆっくり放す。秋は振り返り、遥に「すぐに戻るからね」と優しく宥めすかした。
その頃、青学との対戦を控えた山吹のメンバーである千石がベンチに座りながら深い溜め息を吐いた。因みにこれで6回目。
何があったのか聞いてほしいオーラをこれでもかという程溢れ出す彼に隣に座っていたサングラスの少年が何かを諦めたかのように口を開いた。
「……さっきから何なんですか千石さん」
「聞いてよ室町くん! 亜久津ってば酷いんだよ! 俺のラブラブプランに協力してくれないし、その後、偶然にもその亜久津がプランに沿う現場を作ってくれたと思ったら先を越されちゃって……また頼みに行ったら全然相手してくんなくってさ! 酷いよねっ? そうだよねっ?」
「……」
サングラスの少年、室町は溜め息をついた。話の意味は分からないが、ひとつ年上である先輩が何をしようとしていたのかは理解出来たようだ。
「ナンパも程々にしてくださいよ」
「いやいや、ナンパとかじゃなくてさ」
「あ、千石くんっ」
否定しようとする千石。そんな彼を呼ぶ声が聞こえ千石だけじゃなく思わず室町も声がする方へと振り向く。
「あっ! 秋ちゃん!」
「こんにちは、千石くん。遥を連れて来たよ」
「うぐぐ……」
「あはは。ありがとう、秋ちゃん」
何やら親しげに話すが見たところ別の学校の制服を着る女子二人に室町は「他校か」と思った。
他校生の女子をナンパして知り合ったのだろうと考えたが、一人は千石に話しかけて来る女子の中でも結構大人しめだという印象。
そしてもう一人は何かに怯えるように一緒に来た女子の後ろに身を隠す。いつも千石に寄って来る女子とは雰囲気が違うため室町は思わず首を傾げた。
「あ、室町くん。一応紹介するね。こっちは俺の従姉弟の遥でその友達の秋ちゃん」
「はぁ……」
「九条秋です。よろしくお願いします」
「室町、十次です」
何をよろしくすればいいのか、そう感じながらも自己紹介をする秋に室町も自分の名を口にする。そして秋は曇りのない微笑みを彼に向けた。
「試合、頑張ってね」
「はぁ」
「千石くんも頑張ってね」
「ありがとう秋ちゃん。もうその言葉だけで俺は負ける気がしないよ!」
女性の前だけデレデレする千石の姿を幾度となく見てきた室町は相変わらず調子のいい人だと思わずにはいられない。そんな賑やかになり始めるベンチが気になったのか、同じユニフォームを身に纏う男子が二人やって来た。
「何だか楽しそうだな」
「待て、東方。これはきっとまた千石がナンパをして人様に迷惑をかけてる所かも知れないぞ」
「あ、地味'sじゃん」
「ジミーズ?」
千石の言葉の意味が分からず秋は首を傾げる。すると千石は楽しげにその説明を始めた。
「あの二人は地味'sって言ってすんごく地味な二人なんだよ」
「「地味で悪かったな!」」
「え……。でも地味って言うほどには見えないけど、普通じゃないかな?」
「秋ちゃん。普通っていうのは地味ってことなんだよ」
「……あいつ、本当にいつも失礼な奴だよな」
「……あぁ」
もはや怒鳴る気も失せたのか、地味'sと呼ばれる一人である南は他人事のように普通=地味について熱く語る千石を見ていた。そして同意するようにもう一人の地味'sである東方がひとつ頷く。
「でも、それなら私も地味'sじゃないかな? 私も何も取り柄もない普通の人間だし」
千石の話を聞いた秋は自分もその地味'sの一員ではないかと話し始めると、南と東方はその話に耳をぴくりと反応させた。
「ないない。秋ちゃんは可愛いじゃん。地味っていうのはかっこいいのかかっこ悪いのか微妙なラインのことでもあるからさ」
「本当にあいつは失礼な奴だな!」
「あぁ!」
地味'sのメンバーが増えるのではないかと若干期待をしていた二人は尚も失礼なことを言う千石にそろそろ怒りをぶつけたいという気持ちが同調し始める。
そんな中、秋は手首の内側にある腕時計を見て時間を確認すると「あっ」と呟く。
「ごめんね、千石くん。私そろそろ行かなきゃ」
「えっ!?」
先程まで黙っていた遥は秋の言葉を聞いて大きな声を上げる。彼女がどこに行くのか察したのか遥は後ろを向く秋の制服の裾をぎゅうっと強く掴んだ。
「えー? 秋ちゃんは試合見てくれないのー?」
「麻美の従姉弟も大会に出てるから先にそれを見てからまた後で様子を観に来ようと思ってるの」
「あ。麻美ちゃんも来てたんだ、ラッキー。じゃあ、俺の試合が終わるまでには戻って来てね」
「うん」
「まままま待つんだ、秋! あたし一人じゃ心細いよ!」
「遥。約束はちゃんと守るんだよ」
「いいじゃないかもう十分だよっ」
「試合観るまでが約束だよ?」
「うぅ……」
駄々をこねる遥に向けて発する正当な発言が効いたのか大人しく黙ると裾を掴んでいた手をゆっくり放す。秋は振り返り、遥に「すぐに戻るからね」と優しく宥めすかした。