自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第15話『過去を乗り越える都大会決勝』
主人公名前変換
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「いやー。助かったね、秋っ」
「う、うん……」
遥の言葉に同意するも小さく頷くことしか出来ない秋。財布が返って来たのは良いことだが、目付きの鋭い亜久津に怯える彼女は早く彼から離れたかった。そして遥に「そろそろ行こう……」と小声で話したその時、亜久津の目付きがよりいっそう鋭くなる。
自分の発した言葉に対して怒ったのかと思い、びくりと身体を震わせた。すると亜久津は後ろを振り向き、自身の顔へ目掛け飛んでくる拳を己の手のひらで受け止めたのだ。
「……女か」
「うちの連れにちょっかい出してんじゃねーよ」
「あ゛ぁ?」
拳を繰り出したのは麻美であった。彼女の言葉に亜久津はぴくりと眉を上げる。秋は自分達が危ない目に遭っていると勘違いしているんだということを一瞬にして理解した。遥はというと「麻美だー!」と暢気に声をかける。
その近くで格好良く助けようとしていた千石が先を越されたと項垂れていることも知らず。
「麻美っ、勘違いだよ。この人は━━」
「上等じゃねーか。女だろうが容赦しねぇぜ」
「当たり前だ。負けたあとの言い訳にはされたくないからな」
「ん? なんで二人は戦闘体勢に入ってんの?」
「遥……」
状況を理解してない遥に秋は肩を落としそうになる。
「ま、待ってくださいです!」
そこへ亜久津と麻美の間に割って入る少年が声を上げた。するとサイズの合わないバンダナがずれてしまい、慌ててバンダナを上げると亜久津を庇うように両手を広げる。
「……何?」
「亜久津先輩は誤解されやすいだけですっ。だから許してくださいです! お願いしますっ!」
麻美に向けて大きく頭を下げる。体操服姿のその少年を見て麻美は「舎弟か?」と思った。
「太一……なんの真似だ?」
「ダダダダーン! もうすぐ試合が始まるですっ。早く戻らないと失格になっちゃいますよ!」
亜久津と太一と呼ばれる少年のやり取りを見て麻美は溜め息を吐いた。
「興が冷めた。とっとと行きやがれ」
「ありがとうございますです! 行きましょう亜久津先輩!」
「俺に指図すんじゃねぇ」
少年が亜久津の腕を掴むと亜久津はその手を振り払う。「……すみませんでした」とぺこりと謝る少年の横を通り過ぎると、彼は煙草を地面に捨て靴で揉み消し、試合するコートへと向かった。そして少年は三人に向けて深々とお辞儀をするとポイ捨てされた煙草を拾ってから男を追いかけるように駆け出す。
「とりあえず麻美、ヤッホー」
「何がとりあえずだ」
「麻美、さっきのは誤解なんだよ。あの人は私の財布を拾ってくれただけで……」
「その割には怯えてたように見えるけど」
「う、うん……ちょっと怖かったんだけど」
「それよりさ! 麻美とも合流出来たんだし一緒にこんそれーしょんに出るルドルフの様子でも見に行こ━━」
「遥は千石くんの応援ね」
この流れなら千石に会わなくて済むと思った遥の考えは甘かった。真面目な秋に言葉を遮られ、遥はがっくりと肩を落とす。
「千石って確か遥の従姉弟で山吹だったか?」
「うん。千石くんが遥に応援に来てほしいって言ったみたいなんだけど、遥が渋ってるみたいで。だから一度遥を千石くんの所まで送ろうと思うの」
「ちょ、あたしは園児じゃないから一人でも行けるよ!」
「そうか。私はとりあえずルドルフの様子を見たいからそっち行くけど」
「うん、私も送り次第そっちに行くよ」
「ええぇぇぇー!? ちょっとあたしは無視ですかぁぁぁっ!?」
秋に腕を掴まれ強制的に連れられる遥。麻美はただそれを黙って見送った後にルドルフのいるコートへと向かった。
「う、うん……」
遥の言葉に同意するも小さく頷くことしか出来ない秋。財布が返って来たのは良いことだが、目付きの鋭い亜久津に怯える彼女は早く彼から離れたかった。そして遥に「そろそろ行こう……」と小声で話したその時、亜久津の目付きがよりいっそう鋭くなる。
自分の発した言葉に対して怒ったのかと思い、びくりと身体を震わせた。すると亜久津は後ろを振り向き、自身の顔へ目掛け飛んでくる拳を己の手のひらで受け止めたのだ。
「……女か」
「うちの連れにちょっかい出してんじゃねーよ」
「あ゛ぁ?」
拳を繰り出したのは麻美であった。彼女の言葉に亜久津はぴくりと眉を上げる。秋は自分達が危ない目に遭っていると勘違いしているんだということを一瞬にして理解した。遥はというと「麻美だー!」と暢気に声をかける。
その近くで格好良く助けようとしていた千石が先を越されたと項垂れていることも知らず。
「麻美っ、勘違いだよ。この人は━━」
「上等じゃねーか。女だろうが容赦しねぇぜ」
「当たり前だ。負けたあとの言い訳にはされたくないからな」
「ん? なんで二人は戦闘体勢に入ってんの?」
「遥……」
状況を理解してない遥に秋は肩を落としそうになる。
「ま、待ってくださいです!」
そこへ亜久津と麻美の間に割って入る少年が声を上げた。するとサイズの合わないバンダナがずれてしまい、慌ててバンダナを上げると亜久津を庇うように両手を広げる。
「……何?」
「亜久津先輩は誤解されやすいだけですっ。だから許してくださいです! お願いしますっ!」
麻美に向けて大きく頭を下げる。体操服姿のその少年を見て麻美は「舎弟か?」と思った。
「太一……なんの真似だ?」
「ダダダダーン! もうすぐ試合が始まるですっ。早く戻らないと失格になっちゃいますよ!」
亜久津と太一と呼ばれる少年のやり取りを見て麻美は溜め息を吐いた。
「興が冷めた。とっとと行きやがれ」
「ありがとうございますです! 行きましょう亜久津先輩!」
「俺に指図すんじゃねぇ」
少年が亜久津の腕を掴むと亜久津はその手を振り払う。「……すみませんでした」とぺこりと謝る少年の横を通り過ぎると、彼は煙草を地面に捨て靴で揉み消し、試合するコートへと向かった。そして少年は三人に向けて深々とお辞儀をするとポイ捨てされた煙草を拾ってから男を追いかけるように駆け出す。
「とりあえず麻美、ヤッホー」
「何がとりあえずだ」
「麻美、さっきのは誤解なんだよ。あの人は私の財布を拾ってくれただけで……」
「その割には怯えてたように見えるけど」
「う、うん……ちょっと怖かったんだけど」
「それよりさ! 麻美とも合流出来たんだし一緒にこんそれーしょんに出るルドルフの様子でも見に行こ━━」
「遥は千石くんの応援ね」
この流れなら千石に会わなくて済むと思った遥の考えは甘かった。真面目な秋に言葉を遮られ、遥はがっくりと肩を落とす。
「千石って確か遥の従姉弟で山吹だったか?」
「うん。千石くんが遥に応援に来てほしいって言ったみたいなんだけど、遥が渋ってるみたいで。だから一度遥を千石くんの所まで送ろうと思うの」
「ちょ、あたしは園児じゃないから一人でも行けるよ!」
「そうか。私はとりあえずルドルフの様子を見たいからそっち行くけど」
「うん、私も送り次第そっちに行くよ」
「ええぇぇぇー!? ちょっとあたしは無視ですかぁぁぁっ!?」
秋に腕を掴まれ強制的に連れられる遥。麻美はただそれを黙って見送った後にルドルフのいるコートへと向かった。