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第15話『過去を乗り越える都大会決勝』
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従姉弟のキヨが苦手。凄く苦手。いや、苦手というより嫌い。嫌い嫌い嫌い大嫌い。
幼稚園の頃はそんなんじゃなかった。年長組になるまでは。
『遥ちゃん。あそぼーよ』
『うん、いいよー』
記憶はないけど幼稚園に入る前から仲が良くて一緒に遊んでたらしい。そして一緒の幼稚園に入って、年長さんになった時にキヨが好きな子に告白すると言ったことがあった。
『俺、クミちゃんに好きって言うんだー』
『へー。クミちゃんに?』
『そうだよ。応援してくれる?』
『うん! キヨ、がんばれー』
もちろん心からキヨの応援をしてあげたよ。それでクミちゃんを呼び出して二人っきりになったのを見計らってキヨは告白した。あたしは気になったから隠れて二人の様子を窺っていたんだけど、クミちゃんの返事はNOだった。
『キヨくんごめんね、クミは他に好きな子がいるから』
『……』
(キヨ……)
キヨは悲しそうな顔をしてた。あんなに嬉しそうに告白しようとしていたのに。だからあたしは居ても立ってもいられなくて二人の前に飛び出した。何とかしようとしたくて。
『キヨはいい子だよ! だからキヨとお付き合いしてみてよっ』
あの時はなんであんなに必死だったのかはよく分かんないんだけど、仲良しのキヨのために頑張ったつもりだった。
ぱちんっ。
『っ……』
『遥……サイテー!』
『?』
気がつけばキヨが両手であたしの頬を、しかも両方叩いた。今思えば両頬とは結構酷いんじゃないか?
『クミちゃん行こうっ』
それでキヨはクミちゃんの手を引っ張ってあたしの前からいなくなったのだが、あたしからしてみたら何を怒ったのか分からず今も分からないままである。
明日になれば元通りかな、なんて思ってた次の日、キヨはあたしを無視してきた。さすがのあたしも怒ったのでその日から奴と一緒には遊ぶことはなかった。
それだけならまだ良かったものの、今度は何かとあたしを苛め始める。泥団子を投げたり、鞄の中に虫を入れてきたりとその頃のあたしにとっては相当参っていた。
だから一度だけ仕返しに頬を引っ叩いて、溜まっていたイライラを吐き出した。すっきりしたけどキヨと会うのはもう嫌だったので親に泣きながら『遠くに引っ越したい』なんて言って困らせることもした。
だけどその願いは叶った。神奈川にお父さんの知り合いがいるから仕事はそこに変えると言ってくれて東京から神奈川に引っ越したのだ。
最近知ったんだけど、お母さんは卒園したら氷帝に入れようとしてたらしい。氷帝に行ってたらどんな人生を送れたのかも気になるところだけど今はこの生活に十分満足してる。
……満足してたのに、会うこともないだろうと思ったのに、まさか都大会で再会するなんて思っても見なかった。奴がテニス部で大会に勝ち進んでたなんて。
あのオレンジ頭を見た時、体中の汗が噴き出したかと思った。そのくらいビクついてたみたい。そして気付いた。いつの間にかあたしの中で千石清純の存在はトラウマであると。
「はぁ……気が重いよぅ」
「応援するだけなのに?」
先週、キヨに都大会決勝戦を観に来てと強要されてしまったあたしは秋にポロッとそのことを話してしまった。
そしたら真面目なことに定評のある秋が「約束は守るためにあるんだよ」と真面目っぷりを発揮して、嫌がるあたしと一緒に山吹の応援へと向かうのだった。
「キヨと会いたくない~」
「そんなこと言わないで少しだけでも顔を見せてあげなきゃ」
あたしを説得する秋に渋々頷くしかなかった。すっぽかそうとしたのにほんとに真面目さんである。こんなことになるなら言わなきゃ良かった……。
「麻美もあとから来るみたいだからそれまでは二人で千石くんの応援しようね」
「うー」
そう、麻美はあとから合流する予定なのだ。何故ならば今日は五位決定戦があるから。謂わば敗者復活戦。元よりあたしもそっちを目的にしてたのにキヨの応援に行かねばならなかった。うう、あたしもルドルフの方に行きたいよ。
「そういえばこんそれーしょん? ってのに勝てばルドルフも関東大会に出られるんだよね」
「そうだよ。麻美も応援に力が入るかもね」
はたしてそうだろうか。麻美は応援するよりどっしり構えて見守るイメージだけど。
あ、確かこんそれーしょんには憎き氷帝が出るんだよね。氷帝なんか問題とか起こして出場停止になっちゃえばいいんだよっ。
幼稚園の頃はそんなんじゃなかった。年長組になるまでは。
『遥ちゃん。あそぼーよ』
『うん、いいよー』
記憶はないけど幼稚園に入る前から仲が良くて一緒に遊んでたらしい。そして一緒の幼稚園に入って、年長さんになった時にキヨが好きな子に告白すると言ったことがあった。
『俺、クミちゃんに好きって言うんだー』
『へー。クミちゃんに?』
『そうだよ。応援してくれる?』
『うん! キヨ、がんばれー』
もちろん心からキヨの応援をしてあげたよ。それでクミちゃんを呼び出して二人っきりになったのを見計らってキヨは告白した。あたしは気になったから隠れて二人の様子を窺っていたんだけど、クミちゃんの返事はNOだった。
『キヨくんごめんね、クミは他に好きな子がいるから』
『……』
(キヨ……)
キヨは悲しそうな顔をしてた。あんなに嬉しそうに告白しようとしていたのに。だからあたしは居ても立ってもいられなくて二人の前に飛び出した。何とかしようとしたくて。
『キヨはいい子だよ! だからキヨとお付き合いしてみてよっ』
あの時はなんであんなに必死だったのかはよく分かんないんだけど、仲良しのキヨのために頑張ったつもりだった。
ぱちんっ。
『っ……』
『遥……サイテー!』
『?』
気がつけばキヨが両手であたしの頬を、しかも両方叩いた。今思えば両頬とは結構酷いんじゃないか?
『クミちゃん行こうっ』
それでキヨはクミちゃんの手を引っ張ってあたしの前からいなくなったのだが、あたしからしてみたら何を怒ったのか分からず今も分からないままである。
明日になれば元通りかな、なんて思ってた次の日、キヨはあたしを無視してきた。さすがのあたしも怒ったのでその日から奴と一緒には遊ぶことはなかった。
それだけならまだ良かったものの、今度は何かとあたしを苛め始める。泥団子を投げたり、鞄の中に虫を入れてきたりとその頃のあたしにとっては相当参っていた。
だから一度だけ仕返しに頬を引っ叩いて、溜まっていたイライラを吐き出した。すっきりしたけどキヨと会うのはもう嫌だったので親に泣きながら『遠くに引っ越したい』なんて言って困らせることもした。
だけどその願いは叶った。神奈川にお父さんの知り合いがいるから仕事はそこに変えると言ってくれて東京から神奈川に引っ越したのだ。
最近知ったんだけど、お母さんは卒園したら氷帝に入れようとしてたらしい。氷帝に行ってたらどんな人生を送れたのかも気になるところだけど今はこの生活に十分満足してる。
……満足してたのに、会うこともないだろうと思ったのに、まさか都大会で再会するなんて思っても見なかった。奴がテニス部で大会に勝ち進んでたなんて。
あのオレンジ頭を見た時、体中の汗が噴き出したかと思った。そのくらいビクついてたみたい。そして気付いた。いつの間にかあたしの中で千石清純の存在はトラウマであると。
「はぁ……気が重いよぅ」
「応援するだけなのに?」
先週、キヨに都大会決勝戦を観に来てと強要されてしまったあたしは秋にポロッとそのことを話してしまった。
そしたら真面目なことに定評のある秋が「約束は守るためにあるんだよ」と真面目っぷりを発揮して、嫌がるあたしと一緒に山吹の応援へと向かうのだった。
「キヨと会いたくない~」
「そんなこと言わないで少しだけでも顔を見せてあげなきゃ」
あたしを説得する秋に渋々頷くしかなかった。すっぽかそうとしたのにほんとに真面目さんである。こんなことになるなら言わなきゃ良かった……。
「麻美もあとから来るみたいだからそれまでは二人で千石くんの応援しようね」
「うー」
そう、麻美はあとから合流する予定なのだ。何故ならば今日は五位決定戦があるから。謂わば敗者復活戦。元よりあたしもそっちを目的にしてたのにキヨの応援に行かねばならなかった。うう、あたしもルドルフの方に行きたいよ。
「そういえばこんそれーしょん? ってのに勝てばルドルフも関東大会に出られるんだよね」
「そうだよ。麻美も応援に力が入るかもね」
はたしてそうだろうか。麻美は応援するよりどっしり構えて見守るイメージだけど。
あ、確かこんそれーしょんには憎き氷帝が出るんだよね。氷帝なんか問題とか起こして出場停止になっちゃえばいいんだよっ。