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第14話『その想いは一方通行か』
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九条のおかげでうさいぬの手ぬぐいは確実に手に入り、皿に至ってはあと数点で手に入る。もちろん期間内に残りの点数を集めることは可能だ。我が手に入ったも同然と言えよう。
共にスーパーマーケットを出ると俺は再度彼女に礼を告げた。
「九条。今日は本当にありがとう。この礼はまた何かしらの形で返したいと思う」
「そんな、別にいいんだよ。私は真田くんが喜んでくれたら十分だから」
「しかしそれでは俺の気が済まない」
九条は無欲だ。それは美徳という者もいるのかもしれないが、人ならば多少の欲は出してもいいだろう。
「真田くんは真面目だね。うーん……それならグッズが届いたら写真を撮って見せてくれたら嬉しいな」
彼女の告げるお礼ははたしてお礼と言えるものなのか? そんな納得が出来ない顔をしてしまったのだろう。九条はくすくす笑いながら言葉を続けた。
「本当に私は朝食用のパンについていたシールを有効活用してくれる真田くんにあげただけのことだからそんなに畏まらなくて大丈夫だよ」
彼女にとってはほんの些細なことだったのだろう。俺に気を遣わせないようにしてるのもよく分かる。
だが、とか。しかし、なんてばかり言うのも申し訳ない上に受け取ったのは俺なのだから折れるのもこちらになるのだろう。
「……分かった。品物を受け取り次第すぐに写真に残して送ろう」
「うん、楽しみにしてるね。あと悩む姿の真田くんを見ることが出来て何だか新鮮だったよ」
「それは……どう反応すればいいか困るな」
正直なところ決断の遅い姿を見せただけに過ぎないので格好悪いとしか思えない。
「普段見ることが出来ない姿が見れたって私が勝手に思ってるだけだから真田くんは軽く流していいんだよ」
「話を軽く流すなど俺には出来んっ」
それでは会話にならんではないか。そう告げるも脳裏に赤也の姿が過り『だから副部長はお堅いんスよ~』と言っていた言葉を思い出す。
堅苦しかっただろうかと考えるが、自分の意思を変えるつもりはない。けれど九条の表情は変わりなかった。
「真剣に話を聞いてくれてるんだね。ありがとう」
慈愛に満ちた微笑み。そんなことで礼を言わなくとも当然のことをしたまでだというのに。
そう口にするよりもふわりと擽るような九条の優しさと気遣いが現れたような綻ぶ表情につい見とれてしまった。
「真田くん?」
「━━っ! す、すまない。九条はいい表情をするのだな、と……」
「そ、そうかなっ? 面と向かってそう言われることがないから何だか照れるね」
僅かながら頬を朱に染めた九条。何とも言い難い感情が胸に衝撃を与える。苛立ちというには怒りはなく、喜ばしいというには脈が早くなる気がした。とてもむず痒いな。
しかし九条におかしいと思われたくはないため、咳払いをひとつして平静を装った。
「そういう所がお前の長所のひとつなのだろう。短所を理解するのもいいが、長所を自覚するのも大事だ」
「そうだね、短所ばかり気を取られないように長所を伸ばせるようにするよ。真田くんに褒めてもらえたら自信に繋がるし」
九条は自分の短所が優柔不断な所だと言っていた。あまりそのような場面が見受けられないため、俺としてはピンと来ないものではあるが、彼女が言うのならそのような場面が幾度もあったのだろう。
「……仮に、だ。もしも何か判断出来ずに悩むことがあれば相談くらいには乗ろう。決断の手助けになればと思う」
「本当……? 凄く嬉しいよっ。真田くんならしっかり話を聞いてくれた上に心強い答えが返ってきそうだから頼りにするね」
あぁ。そう返事をした頃、分かれ道にて九条と別れた。いまだに心臓がざわつくような、身体の奥から熱くなるような感覚が残る。
体調を崩しかけたかもしれん。悪化でもしてしまえば体調管理を怠ったことになるだろう。早く帰って身体を休ませなければならないと思い帰路に急いだ。
共にスーパーマーケットを出ると俺は再度彼女に礼を告げた。
「九条。今日は本当にありがとう。この礼はまた何かしらの形で返したいと思う」
「そんな、別にいいんだよ。私は真田くんが喜んでくれたら十分だから」
「しかしそれでは俺の気が済まない」
九条は無欲だ。それは美徳という者もいるのかもしれないが、人ならば多少の欲は出してもいいだろう。
「真田くんは真面目だね。うーん……それならグッズが届いたら写真を撮って見せてくれたら嬉しいな」
彼女の告げるお礼ははたしてお礼と言えるものなのか? そんな納得が出来ない顔をしてしまったのだろう。九条はくすくす笑いながら言葉を続けた。
「本当に私は朝食用のパンについていたシールを有効活用してくれる真田くんにあげただけのことだからそんなに畏まらなくて大丈夫だよ」
彼女にとってはほんの些細なことだったのだろう。俺に気を遣わせないようにしてるのもよく分かる。
だが、とか。しかし、なんてばかり言うのも申し訳ない上に受け取ったのは俺なのだから折れるのもこちらになるのだろう。
「……分かった。品物を受け取り次第すぐに写真に残して送ろう」
「うん、楽しみにしてるね。あと悩む姿の真田くんを見ることが出来て何だか新鮮だったよ」
「それは……どう反応すればいいか困るな」
正直なところ決断の遅い姿を見せただけに過ぎないので格好悪いとしか思えない。
「普段見ることが出来ない姿が見れたって私が勝手に思ってるだけだから真田くんは軽く流していいんだよ」
「話を軽く流すなど俺には出来んっ」
それでは会話にならんではないか。そう告げるも脳裏に赤也の姿が過り『だから副部長はお堅いんスよ~』と言っていた言葉を思い出す。
堅苦しかっただろうかと考えるが、自分の意思を変えるつもりはない。けれど九条の表情は変わりなかった。
「真剣に話を聞いてくれてるんだね。ありがとう」
慈愛に満ちた微笑み。そんなことで礼を言わなくとも当然のことをしたまでだというのに。
そう口にするよりもふわりと擽るような九条の優しさと気遣いが現れたような綻ぶ表情につい見とれてしまった。
「真田くん?」
「━━っ! す、すまない。九条はいい表情をするのだな、と……」
「そ、そうかなっ? 面と向かってそう言われることがないから何だか照れるね」
僅かながら頬を朱に染めた九条。何とも言い難い感情が胸に衝撃を与える。苛立ちというには怒りはなく、喜ばしいというには脈が早くなる気がした。とてもむず痒いな。
しかし九条におかしいと思われたくはないため、咳払いをひとつして平静を装った。
「そういう所がお前の長所のひとつなのだろう。短所を理解するのもいいが、長所を自覚するのも大事だ」
「そうだね、短所ばかり気を取られないように長所を伸ばせるようにするよ。真田くんに褒めてもらえたら自信に繋がるし」
九条は自分の短所が優柔不断な所だと言っていた。あまりそのような場面が見受けられないため、俺としてはピンと来ないものではあるが、彼女が言うのならそのような場面が幾度もあったのだろう。
「……仮に、だ。もしも何か判断出来ずに悩むことがあれば相談くらいには乗ろう。決断の手助けになればと思う」
「本当……? 凄く嬉しいよっ。真田くんならしっかり話を聞いてくれた上に心強い答えが返ってきそうだから頼りにするね」
あぁ。そう返事をした頃、分かれ道にて九条と別れた。いまだに心臓がざわつくような、身体の奥から熱くなるような感覚が残る。
体調を崩しかけたかもしれん。悪化でもしてしまえば体調管理を怠ったことになるだろう。早く帰って身体を休ませなければならないと思い帰路に急いだ。