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第14話『その想いは一方通行か』
主人公名前変換
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やべぇ! ぜってーやべぇ! その思いですぐに格ゲーを放り出してゲーセンを後にする赤宮先輩を追った。
だってよ、格ゲーで勝ち抜けしてたのに対戦相手が初心者かっつーほどの下手くそ具合だったから対戦しない方が良くね? ってなるじゃん普通は! それならもうCPU相手でやれば良かったじゃん!
そう思うほどの手応えのない対戦。それがまさかあの赤宮先輩が対戦相手だとは思わねーじゃん! 絶対にガチギレしてる。次会ったら殺される! その前に何としてでも怒りを和らいでもらわなければ俺の明日はない!
「赤宮先輩っ!!」
先輩は歩いていたので見失うことなくすぐに追いついた。そして後ろから声をかけるも相手は刺すような目で俺を睨んでくる。
「なんだ?」
「いや、あの~……赤宮先輩だとは知らずに生意気言っちゃってすんませんでした! ……って謝りたくて」
はは、と冷や汗ダラダラで謝罪をするが、赤宮先輩の表情に変わりはない。
「あ、そ」
そう言うとスタスタと歩き出すので絶対許してないやつだと思った俺は慌てて先輩の腕を掴む。
「ま、待ってください!」
「……」
赤宮先輩はさらに苛立ちのこもった鋭い視線を向ける。無言で「離せ」と言わんばかりに。余計に怒らせちまったが、仕方ないと割り切るしかない。
「赤宮先輩、格ゲーは初めてやったんですよねっ?」
「だったらなんだ?」
「じゃ、じゃあ、練習してみません? 俺、ガチでやってたんで先輩を不快にさせたお詫びに色々と教えるんで!」
「必要ない。もう二度とやらないからな」
おっかねぇ迫力でそう断言するがこっちも引くわけにはいかない。
せめて格ゲーを楽しんでもらって俺への怒りをチャラにしてもらわねーと、下手すりゃ真田副部長に暴言を吐いていたとチクられかねねぇ……! ハッ、そうだ。真田副部長だ!
「そういえば真田副部長も携帯ゲームの格ゲーしてもらったことがあるんスけど、副部長も全然上手くなくて! だから赤宮先輩がコツとか覚えたら副部長にも伝授出来るんじゃないッスかね!?」
苦し紛れなのは重々承知してる。けれど先輩の怒りを鎮めるためにもこっちも必死なんだ。
そんな俺の願いが届いたのか、赤宮先輩は何か考えるような素振りを見せてしばらく口を閉じる。もう一押しだ。
「きっと真田副部長も俺が教えるより赤宮先輩に教えてもらう方がいいと思うんスよ!」
「……。一応手解きを受けてやる」
よっし! 心の中でガッツポーズをした瞬間であった。ほんっと真田副部長のことになると目の色が変わるっつーかしおらしくなるっつーか。
ひとまず赤宮先輩に格ゲーの基礎を教えるため再びゲーセンに戻り、CPU相手の対戦モードにするよう指示をする。
先輩は操作方法を全然分かっていなかった状態だったんでジャンプのやり方やコンボ技のやり方、必殺技の出し方などなど一通りの基本的な情報を伝えると、赤宮先輩は半分ほど体力ゲージを削られたが何とか相手をKOさせることは出来た……が。
「なんで赤宮先輩ガード使わないんスか?」
「攻撃こそ最大の防御だろ」
「いや、攻撃食らってますけど……」
「は?」
いや、睨まれても。俺事実しか言ってないんで……とは、さすがに言えないけどここは真田副部長に助けてもらうしかねぇ。
「いや、赤宮先輩の戦い方は何だっていいんスけど、仮に副部長に教える立場になった時それも伝えておかないと大変じゃないですか。操作は全部出来るようになっておかないと!」
「……そうか」
納得したような表情をし、次の試合ではガードを織り交ぜた操作を見せてくれた。いやぁ、真田副部長様々だわ。
それから初心者にしてはいい動きをする先輩の上達さに俺は途中からあんま教えることなく、少し暇を持て余していた。やることと言えば新しい対戦相手キャラの注意ポイントを伝えてやるくらい。
気づけば全ステージクリアするまでに至ったのでなかなかの執念である。
「おぉ、凄いじゃないスか。今日初めてやったのに全クリッスよ! これなら真田副部長に教えるのも全っ然問題ないと思いますね!」
「自分でぶん殴る方が早いが、まぁいいだろ」
とは言いながらご満悦気味な様子の先輩の機嫌も良さそうで俺もホッとした。ちょろい、なんて思ったけど、真田副部長のためなら何でもしそうな勢いの先輩は若干心配にはなる。
けれどテレビゲームとはいえ真剣な表情でレバーとボタンを操作し、勝った時に見せる僅かに頬を緩ませた顔は何度ドキリとしたことか。
真田副部長の存在がこの人にそんな顔をさせてるのかと思うと何だかちょっと羨ましいというか、俺にも向けてほしいと思ってしまった。
だってよ、格ゲーで勝ち抜けしてたのに対戦相手が初心者かっつーほどの下手くそ具合だったから対戦しない方が良くね? ってなるじゃん普通は! それならもうCPU相手でやれば良かったじゃん!
そう思うほどの手応えのない対戦。それがまさかあの赤宮先輩が対戦相手だとは思わねーじゃん! 絶対にガチギレしてる。次会ったら殺される! その前に何としてでも怒りを和らいでもらわなければ俺の明日はない!
「赤宮先輩っ!!」
先輩は歩いていたので見失うことなくすぐに追いついた。そして後ろから声をかけるも相手は刺すような目で俺を睨んでくる。
「なんだ?」
「いや、あの~……赤宮先輩だとは知らずに生意気言っちゃってすんませんでした! ……って謝りたくて」
はは、と冷や汗ダラダラで謝罪をするが、赤宮先輩の表情に変わりはない。
「あ、そ」
そう言うとスタスタと歩き出すので絶対許してないやつだと思った俺は慌てて先輩の腕を掴む。
「ま、待ってください!」
「……」
赤宮先輩はさらに苛立ちのこもった鋭い視線を向ける。無言で「離せ」と言わんばかりに。余計に怒らせちまったが、仕方ないと割り切るしかない。
「赤宮先輩、格ゲーは初めてやったんですよねっ?」
「だったらなんだ?」
「じゃ、じゃあ、練習してみません? 俺、ガチでやってたんで先輩を不快にさせたお詫びに色々と教えるんで!」
「必要ない。もう二度とやらないからな」
おっかねぇ迫力でそう断言するがこっちも引くわけにはいかない。
せめて格ゲーを楽しんでもらって俺への怒りをチャラにしてもらわねーと、下手すりゃ真田副部長に暴言を吐いていたとチクられかねねぇ……! ハッ、そうだ。真田副部長だ!
「そういえば真田副部長も携帯ゲームの格ゲーしてもらったことがあるんスけど、副部長も全然上手くなくて! だから赤宮先輩がコツとか覚えたら副部長にも伝授出来るんじゃないッスかね!?」
苦し紛れなのは重々承知してる。けれど先輩の怒りを鎮めるためにもこっちも必死なんだ。
そんな俺の願いが届いたのか、赤宮先輩は何か考えるような素振りを見せてしばらく口を閉じる。もう一押しだ。
「きっと真田副部長も俺が教えるより赤宮先輩に教えてもらう方がいいと思うんスよ!」
「……。一応手解きを受けてやる」
よっし! 心の中でガッツポーズをした瞬間であった。ほんっと真田副部長のことになると目の色が変わるっつーかしおらしくなるっつーか。
ひとまず赤宮先輩に格ゲーの基礎を教えるため再びゲーセンに戻り、CPU相手の対戦モードにするよう指示をする。
先輩は操作方法を全然分かっていなかった状態だったんでジャンプのやり方やコンボ技のやり方、必殺技の出し方などなど一通りの基本的な情報を伝えると、赤宮先輩は半分ほど体力ゲージを削られたが何とか相手をKOさせることは出来た……が。
「なんで赤宮先輩ガード使わないんスか?」
「攻撃こそ最大の防御だろ」
「いや、攻撃食らってますけど……」
「は?」
いや、睨まれても。俺事実しか言ってないんで……とは、さすがに言えないけどここは真田副部長に助けてもらうしかねぇ。
「いや、赤宮先輩の戦い方は何だっていいんスけど、仮に副部長に教える立場になった時それも伝えておかないと大変じゃないですか。操作は全部出来るようになっておかないと!」
「……そうか」
納得したような表情をし、次の試合ではガードを織り交ぜた操作を見せてくれた。いやぁ、真田副部長様々だわ。
それから初心者にしてはいい動きをする先輩の上達さに俺は途中からあんま教えることなく、少し暇を持て余していた。やることと言えば新しい対戦相手キャラの注意ポイントを伝えてやるくらい。
気づけば全ステージクリアするまでに至ったのでなかなかの執念である。
「おぉ、凄いじゃないスか。今日初めてやったのに全クリッスよ! これなら真田副部長に教えるのも全っ然問題ないと思いますね!」
「自分でぶん殴る方が早いが、まぁいいだろ」
とは言いながらご満悦気味な様子の先輩の機嫌も良さそうで俺もホッとした。ちょろい、なんて思ったけど、真田副部長のためなら何でもしそうな勢いの先輩は若干心配にはなる。
けれどテレビゲームとはいえ真剣な表情でレバーとボタンを操作し、勝った時に見せる僅かに頬を緩ませた顔は何度ドキリとしたことか。
真田副部長の存在がこの人にそんな顔をさせてるのかと思うと何だかちょっと羨ましいというか、俺にも向けてほしいと思ってしまった。