自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第14話『その想いは一方通行か』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あー! いい運動したー!」
休憩を終えてもう一度試合形式で仁王と打ち合った遥は再びテニスコートで寝そべった。額に流れる汗を拭うと仁王が見下ろすように覗き込んでくる。
「……おまんはまた寝転がるんか。暑いんじゃしベンチに移動しんしゃい」
「はーい」
仁王の言うことはもっともで、ベンチの方が木陰になっていて気持ちがいいため、遥はむくりと起き上がると二度目の休憩に向かう。
水分補給も忘れずに取って、たまに吹くそよ風を浴びながら二人はだれていた。
「思ったよりお前さんコントロールが良くなってきてたのぅ」
「え!? ほんと!? マジ!? プロ級!?」
「なんでプロ級に拘るかは知らんが、そんなのまだまだのまだまだぜよ」
軽く鼻で笑いながら、わしゃわしゃと遥の髪を撫で回す仁王に遥は抵抗を見せた。
「わっ! ちょっ、やめなよ! 汗かいてるのに!」
「あぁ、そうじゃったな。ばっちぃ」
「そこまで言う!? てか、ばっちくないやい!」
そんな反応の遥にけらけらと笑う仁王。遥は頬を膨らませてふいっと顔を背けたが、すぐに仁王へと視線を戻した。話したいことを思い出したから。
「あ、あのさ、仁王。聞きたいことがあるんだけど……」
「なんじゃ?」
「いやぁ……赤也のことなんだけど、好きな人とかいないのかなぁ~って思って……」
落ち着かないのか指先を弄りながらモジモジ照れ照れな様子の遥に、からかっていた仁王の表情がスッと消えた。
「何を言い出すかと思えば。薄々分かってはいたが、やはり赤也にほの字なんか」
「や、やはりって何っ!? 気づいてたのっ!? 内緒にして! みんなに内緒ねっ?」
あわあわしながら口元に人差し指を当てた遥が口止めをする。
対する仁王はふいっと目を逸らしながら「どうしようかのぅ」と呟く。
「そもそも俺が言いふらさんでも気づく奴はそこらにいそうじゃが」
「ええぇぇぇっ! 赤也はっ!? 赤也も気づいてる感じっ!?」
「いや、あいつは鈍感な所あるからな。そこは心配する必要もないじゃろ」
「よ、良かった……」
「西成は分かりやすい奴じゃから少しは俺を見習って悟らせん努力をすべきやの」
見よ。この表情が読めん顔を。と言わんばかりに仁王は無の表情を晒す。すると遥が別の反応を見せた。
「え! 仁王が悟られない努力をしなければならないような好きな相手いるの!?」
「……そこを気にするんか」
「興味はある! えー誰々~? あたしの知ってる人?」
「さぁての」
「ヒント! ヒント!」
「鏡じゃ」
「?」
ヒントの答えを聞いても遥は何も分からず、首を傾げた。仁王もそれ以上告げることはない。勘のいい者なら鏡に映った人物のことだろうと察するが、遥には通じない。彼もそれが分かってあえて伝えたのだろう。
後に仁王は「なんで俺あんなこと言うたんじゃ。認めるつもりはなかったのに」と若干の後悔を覚えることになる。
「それよりも赤也に想いを寄せるならお前さんはもう少し頑張らないかんぜよ。ただでさえ学年も違えば部活でしか繋がりがない上に友人関係でもないんじゃしの」
「うぐっ」
全くその通りであり、遥も嫌というほど分かっていた。でも遥だってそれで諦めるわけにはいかない。
「丸井だって同じ上級生なのに赤也と仲がいいからあたしも頑張るもん!」
「そう上手くいくとは思わんがの。まぁ頑張りんしゃい」
「君は応援してるのか、貶してるのかどっちなの!?」
「それは俺の口から言えんな」
「含みある言い方良くないっ!」
相変わらず読めない男だこと! そう訴えるも、仁王はクツクツとからかうように笑い、ずいっと遥に顔を寄せた。
「俺はそれなりにおまんのことは気に入っとるぜよ」
「ふ~ん?」
「……」
大した反応が得られずに不服そうな顔をして距離を離す仁王はおかしいなと言わんばかりに考え込んだ。
「……俺、それなりにモテるはずなんじゃがな」
「いきなり自慢!? あたしへの当てつけなのかしら!」
ムキーッと声を上げる遥は仁王の考えていることなど知る由もなかった。
休憩を終えてもう一度試合形式で仁王と打ち合った遥は再びテニスコートで寝そべった。額に流れる汗を拭うと仁王が見下ろすように覗き込んでくる。
「……おまんはまた寝転がるんか。暑いんじゃしベンチに移動しんしゃい」
「はーい」
仁王の言うことはもっともで、ベンチの方が木陰になっていて気持ちがいいため、遥はむくりと起き上がると二度目の休憩に向かう。
水分補給も忘れずに取って、たまに吹くそよ風を浴びながら二人はだれていた。
「思ったよりお前さんコントロールが良くなってきてたのぅ」
「え!? ほんと!? マジ!? プロ級!?」
「なんでプロ級に拘るかは知らんが、そんなのまだまだのまだまだぜよ」
軽く鼻で笑いながら、わしゃわしゃと遥の髪を撫で回す仁王に遥は抵抗を見せた。
「わっ! ちょっ、やめなよ! 汗かいてるのに!」
「あぁ、そうじゃったな。ばっちぃ」
「そこまで言う!? てか、ばっちくないやい!」
そんな反応の遥にけらけらと笑う仁王。遥は頬を膨らませてふいっと顔を背けたが、すぐに仁王へと視線を戻した。話したいことを思い出したから。
「あ、あのさ、仁王。聞きたいことがあるんだけど……」
「なんじゃ?」
「いやぁ……赤也のことなんだけど、好きな人とかいないのかなぁ~って思って……」
落ち着かないのか指先を弄りながらモジモジ照れ照れな様子の遥に、からかっていた仁王の表情がスッと消えた。
「何を言い出すかと思えば。薄々分かってはいたが、やはり赤也にほの字なんか」
「や、やはりって何っ!? 気づいてたのっ!? 内緒にして! みんなに内緒ねっ?」
あわあわしながら口元に人差し指を当てた遥が口止めをする。
対する仁王はふいっと目を逸らしながら「どうしようかのぅ」と呟く。
「そもそも俺が言いふらさんでも気づく奴はそこらにいそうじゃが」
「ええぇぇぇっ! 赤也はっ!? 赤也も気づいてる感じっ!?」
「いや、あいつは鈍感な所あるからな。そこは心配する必要もないじゃろ」
「よ、良かった……」
「西成は分かりやすい奴じゃから少しは俺を見習って悟らせん努力をすべきやの」
見よ。この表情が読めん顔を。と言わんばかりに仁王は無の表情を晒す。すると遥が別の反応を見せた。
「え! 仁王が悟られない努力をしなければならないような好きな相手いるの!?」
「……そこを気にするんか」
「興味はある! えー誰々~? あたしの知ってる人?」
「さぁての」
「ヒント! ヒント!」
「鏡じゃ」
「?」
ヒントの答えを聞いても遥は何も分からず、首を傾げた。仁王もそれ以上告げることはない。勘のいい者なら鏡に映った人物のことだろうと察するが、遥には通じない。彼もそれが分かってあえて伝えたのだろう。
後に仁王は「なんで俺あんなこと言うたんじゃ。認めるつもりはなかったのに」と若干の後悔を覚えることになる。
「それよりも赤也に想いを寄せるならお前さんはもう少し頑張らないかんぜよ。ただでさえ学年も違えば部活でしか繋がりがない上に友人関係でもないんじゃしの」
「うぐっ」
全くその通りであり、遥も嫌というほど分かっていた。でも遥だってそれで諦めるわけにはいかない。
「丸井だって同じ上級生なのに赤也と仲がいいからあたしも頑張るもん!」
「そう上手くいくとは思わんがの。まぁ頑張りんしゃい」
「君は応援してるのか、貶してるのかどっちなの!?」
「それは俺の口から言えんな」
「含みある言い方良くないっ!」
相変わらず読めない男だこと! そう訴えるも、仁王はクツクツとからかうように笑い、ずいっと遥に顔を寄せた。
「俺はそれなりにおまんのことは気に入っとるぜよ」
「ふ~ん?」
「……」
大した反応が得られずに不服そうな顔をして距離を離す仁王はおかしいなと言わんばかりに考え込んだ。
「……俺、それなりにモテるはずなんじゃがな」
「いきなり自慢!? あたしへの当てつけなのかしら!」
ムキーッと声を上げる遥は仁王の考えていることなど知る由もなかった。