自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第14話『その想いは一方通行か』
主人公名前変換
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夕飯の買い出しに向かった秋は大型スーパーにて頼まれていた材料を購入していた。その途中、パンコーナーにて見覚えのある人物が目に入る。
彼は腕を組みながら商品を吟味していてあまりの迫力に周りの客が距離をとっている様子。
トレードマークである黒帽子を被っていないがその逞しい体つきと、いつもよりも不似合いな場所で彼を見つけたため、本人か確かめるように秋はその者の名を呼んだ。
「真田くん?」
「む? 九条か。奇遇だな、買い物か?」
やはり本人だったようで他人の空似でなくて良かったと安堵しながら秋は話を続ける。
「うん。真田くんも? 何だか凄く悩んでいるように見えたけどどうしたの?」
「あぁ……少々悩んでしまってな」
常に決断力の強い真田がこんなにも悩むなんて只事じゃないのかもしれない。そう思った秋は親身になって話を聞く。
「パン製品についてるシールを集めると、うさいぬのグッズが貰えるらしいのだが、うさいぬの手ぬぐいにするべきか、それとも皿にするべきか頭を悩ませている」
うさいぬ。子供から女性に人気のピンク色の愛らしい姿をしているキャラクター。
そんなうさいぬを中学生とはいえ、厳格な態度で堅物とも言われる彼の口から出てくるとはさすがの秋も想像しなかった。
ギャップがあるとも思えるが、そんな真田が真剣な表情でその理由を語ったのため、秋は彼の悩みを解決させるべく一緒に解決の糸口を探る。
真田の言う通り、パンの製品の袋にはポイントシールが貼られており、近くにあるシールを貼る台紙にキャンペーン内容が書かれていたので秋はそれに目を通した。
「手ぬぐいとお皿はシールのポイントが違うんだね」
「あぁ、すでにいくつか集めていてる。今回購入するシールで手ぬぐいは確実に手に入るのだが、もう少し集めると皿のポイントにも近づけるのでどうしたら良いものか非常に迷ってしまってな……。締切まで1週間なので両方を得るのはさすがに難しい。我ながらはっきりと決断出来ないとは日本男児として情けないことだ」
「そんなことないよ。それだけ真田くんは一生懸命後悔しないように悩んでるってことだよね? 私、優柔不断だから悩んでしまうことはよくあるの」
少し照れながら自分の短所とも言えることを語るが真田は「ほう?」と意外そうな表情を見せた。
「お前はよく議会で意見を出しているではないか」
「客観的なことならね。主観的になるとよく迷っちゃうの。何を食べようかなとか、休みの日をどう過ごそうかなとか」
例えを出すには些細なことばかりではあるが、秋にとっては自分の短所の例を口にするのでやはり気恥ずかしく思ってしまう。そして「あ」と彼女は口を開く。
「私もシール集めを手伝うから頑張って両方手に入れてみるのはどうかな?」
そう告げると秋は食パンや菓子パンなどをいくつかカゴの中に入れた。そんな唐突な行動に真田も目を大きく見開かせる。
「ま、待てっ。そこまでしてくれとは言ってないぞ!」
「うん。だから私がしたくてやってることだから真田くんは気にしなくていいよ。私は朝食用のパンとして食べるし、そこに付いてるシールを真田くんにあげるだけだから」
「いや、しかし……俺はそのようなつもりで相談したわけじゃないんだ」
「分かってるよ。真田くんは強請ったりするような人じゃないもの。それに私が真田くんに両方手に入れてほしいっていう我儘だから」
ね? と微笑む秋に真田はたじろいだ。彼をよく知る者がこの光景を見ると「真田が女子に圧倒されている」と噂になりかねないだろう。
秋は純粋に真田の喜ぶ手伝いが出来るならという厚意であり、真田としてもこれ以上秋の善意を無下に出来ない。うぐぐ、と小さく唸った後、嘆息をつく。
「……分かった。かたじけない。有難く受け取らせてもらおう」
その答えに満足した秋はうんうんと頷きながら笑みを浮かべる。真田はそんな彼女を見て照れくさそうに少し視線を逸らした。
彼は腕を組みながら商品を吟味していてあまりの迫力に周りの客が距離をとっている様子。
トレードマークである黒帽子を被っていないがその逞しい体つきと、いつもよりも不似合いな場所で彼を見つけたため、本人か確かめるように秋はその者の名を呼んだ。
「真田くん?」
「む? 九条か。奇遇だな、買い物か?」
やはり本人だったようで他人の空似でなくて良かったと安堵しながら秋は話を続ける。
「うん。真田くんも? 何だか凄く悩んでいるように見えたけどどうしたの?」
「あぁ……少々悩んでしまってな」
常に決断力の強い真田がこんなにも悩むなんて只事じゃないのかもしれない。そう思った秋は親身になって話を聞く。
「パン製品についてるシールを集めると、うさいぬのグッズが貰えるらしいのだが、うさいぬの手ぬぐいにするべきか、それとも皿にするべきか頭を悩ませている」
うさいぬ。子供から女性に人気のピンク色の愛らしい姿をしているキャラクター。
そんなうさいぬを中学生とはいえ、厳格な態度で堅物とも言われる彼の口から出てくるとはさすがの秋も想像しなかった。
ギャップがあるとも思えるが、そんな真田が真剣な表情でその理由を語ったのため、秋は彼の悩みを解決させるべく一緒に解決の糸口を探る。
真田の言う通り、パンの製品の袋にはポイントシールが貼られており、近くにあるシールを貼る台紙にキャンペーン内容が書かれていたので秋はそれに目を通した。
「手ぬぐいとお皿はシールのポイントが違うんだね」
「あぁ、すでにいくつか集めていてる。今回購入するシールで手ぬぐいは確実に手に入るのだが、もう少し集めると皿のポイントにも近づけるのでどうしたら良いものか非常に迷ってしまってな……。締切まで1週間なので両方を得るのはさすがに難しい。我ながらはっきりと決断出来ないとは日本男児として情けないことだ」
「そんなことないよ。それだけ真田くんは一生懸命後悔しないように悩んでるってことだよね? 私、優柔不断だから悩んでしまうことはよくあるの」
少し照れながら自分の短所とも言えることを語るが真田は「ほう?」と意外そうな表情を見せた。
「お前はよく議会で意見を出しているではないか」
「客観的なことならね。主観的になるとよく迷っちゃうの。何を食べようかなとか、休みの日をどう過ごそうかなとか」
例えを出すには些細なことばかりではあるが、秋にとっては自分の短所の例を口にするのでやはり気恥ずかしく思ってしまう。そして「あ」と彼女は口を開く。
「私もシール集めを手伝うから頑張って両方手に入れてみるのはどうかな?」
そう告げると秋は食パンや菓子パンなどをいくつかカゴの中に入れた。そんな唐突な行動に真田も目を大きく見開かせる。
「ま、待てっ。そこまでしてくれとは言ってないぞ!」
「うん。だから私がしたくてやってることだから真田くんは気にしなくていいよ。私は朝食用のパンとして食べるし、そこに付いてるシールを真田くんにあげるだけだから」
「いや、しかし……俺はそのようなつもりで相談したわけじゃないんだ」
「分かってるよ。真田くんは強請ったりするような人じゃないもの。それに私が真田くんに両方手に入れてほしいっていう我儘だから」
ね? と微笑む秋に真田はたじろいだ。彼をよく知る者がこの光景を見ると「真田が女子に圧倒されている」と噂になりかねないだろう。
秋は純粋に真田の喜ぶ手伝いが出来るならという厚意であり、真田としてもこれ以上秋の善意を無下に出来ない。うぐぐ、と小さく唸った後、嘆息をつく。
「……分かった。かたじけない。有難く受け取らせてもらおう」
その答えに満足した秋はうんうんと頷きながら笑みを浮かべる。真田はそんな彼女を見て照れくさそうに少し視線を逸らした。