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第14話『その想いは一方通行か』
主人公名前変換
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その日の麻美は文具店にてノートを購入していた。学校の購買部で買えば済むことだったが、宿題に使用するためすぐにでも必要だったからである。
いざ課題に取り掛かろうとしてノートを捲ったらあと1ページしかなかった時の苛立ちはまだ治まらない。せっかく机と向き合ったというのにやる気が削がれてしまった。
けれどもう少し前から残量に気をつけてノートを買っておけばこんなことにはならなかっただろう。幼馴染みの真田が聞いたら「たるんどる」と言われるかもしれない。
そんなイライラを発散する場がないかと考えながらノートの入ったビニール袋を片手に街を歩く麻美はとある店舗の前に足を止める。
「ゲーセンか……」
店頭にはクレーンゲーム台があり、客の足を引き止めようと人気キャラクターのぬいぐるみが並んでいた。アニメ化されて話題になったキャラらしいが麻美の興味は湧かず、そのまま別の目的のため騒々しい店内へと足を踏み入れた。
リズムゲームやコインゲーム、沢山のクレーンゲームや対戦ゲームなど種類豊富の中、麻美は目当ての遊具を見つけた。それがパンチングマシーンである。
自動でパッドが起き上がる筐体の前に立つと、彼女は小銭を投入し、備え付けのグローブを手にはめた。
少し古めかしい音が鳴り、パッドがその身を起こして機体の準備が完了。いつでも打ち込んでこいと煽るようなゲーム音に麻美は静かに深呼吸をした。
そして身を構えて、グローブに包まれた拳に力を込め、全力でパンチを放つ。その音は凄まじかった。まるで破裂音のような大きな音。
たった一発。しかも女子中学生が放ったとは思えないその威力は周りにいた他の客を驚かせる。彼女のパンチ力を数値化しようと映し出される液晶がルーレットを回すように数字が動いた。
叩き出した数字は97kgその結果に周りが歓声の声を上げる。しかしその数字はゲーム内でしか表せない単位で実際のレベルがどうかまでは分からない。
それでもその数字は限りなく上に近い数字に変わりなかったが、麻美は「100を超えないのかよ……」と胸の中で呟き、少々不満げではあった。
とはいえムカムカしていた気持ちがすっきりしたので目的は果たせたということになる。麻美は帰るか、とゲームセンターを退店しようとした時だった。
「おい! 格ゲーの悪魔が来たぞ!」
「マジかよ! 今何人抜きだっ!?」
「8人抜きだってよ!」
突然周りがざわつく。格ゲーの悪魔ってなんだ? という表情をする麻美は常連客と思わしき人達の後を追ってみることにした。
向かった先はテレビゲームのコーナーだった。もっと詳しいことを言うと格闘ゲームコーナーである。その周辺には人だかりが出来ていて対戦ゲームをしているのだろう。両者を応援するような声が響いていた。
ちょうど麻美のいる場所は挑戦者側のゲーム台らしく、格ゲーの悪魔とやらはゲーム台の向こう側にいるので姿は見えない。
そして挑戦者は呆気なく倒されてしまい、格ゲーの悪魔は計10人のチャレンジャーを叩きのめしたと観客達が盛り上がっていた。
次の挑戦者は誰が行く? と相談する中、興味が出た麻美が我先にと挑戦者として挑むため、席に着いて小銭を入れた。
しかし結果は惨敗。というのも麻美は格ゲーというものを初めてプレイしたので手も足も出なかったのだ。
舌打ちをし、席を立つ麻美だったがゲーム台の向こう側である対戦相手の声が聞こえてきた。
「え! さすがにめっちゃ弱くね!? 一撃どころか全然動けてねーじゃん! 操作下手にもほどがあるっしょ!?」
聞き覚えのあるその声を聞いて麻美は青筋を立て、対戦相手の元へと向かう。
「悪かったな、下手で」
「は? え、えぇっ!? 赤宮先輩っ!? 今のもしかして先輩が……!?」
格ゲーの悪魔こと部活の後輩、切原赤也だった。彼は麻美を見た途端、顔を青くして慌てふためく。
「覚えとけよ。この借りは絶対に返すからな」
そう睨んだ麻美はびくりと肩を震わせる切原を置いてそのままゲームセンターを後にした。
いざ課題に取り掛かろうとしてノートを捲ったらあと1ページしかなかった時の苛立ちはまだ治まらない。せっかく机と向き合ったというのにやる気が削がれてしまった。
けれどもう少し前から残量に気をつけてノートを買っておけばこんなことにはならなかっただろう。幼馴染みの真田が聞いたら「たるんどる」と言われるかもしれない。
そんなイライラを発散する場がないかと考えながらノートの入ったビニール袋を片手に街を歩く麻美はとある店舗の前に足を止める。
「ゲーセンか……」
店頭にはクレーンゲーム台があり、客の足を引き止めようと人気キャラクターのぬいぐるみが並んでいた。アニメ化されて話題になったキャラらしいが麻美の興味は湧かず、そのまま別の目的のため騒々しい店内へと足を踏み入れた。
リズムゲームやコインゲーム、沢山のクレーンゲームや対戦ゲームなど種類豊富の中、麻美は目当ての遊具を見つけた。それがパンチングマシーンである。
自動でパッドが起き上がる筐体の前に立つと、彼女は小銭を投入し、備え付けのグローブを手にはめた。
少し古めかしい音が鳴り、パッドがその身を起こして機体の準備が完了。いつでも打ち込んでこいと煽るようなゲーム音に麻美は静かに深呼吸をした。
そして身を構えて、グローブに包まれた拳に力を込め、全力でパンチを放つ。その音は凄まじかった。まるで破裂音のような大きな音。
たった一発。しかも女子中学生が放ったとは思えないその威力は周りにいた他の客を驚かせる。彼女のパンチ力を数値化しようと映し出される液晶がルーレットを回すように数字が動いた。
叩き出した数字は97kgその結果に周りが歓声の声を上げる。しかしその数字はゲーム内でしか表せない単位で実際のレベルがどうかまでは分からない。
それでもその数字は限りなく上に近い数字に変わりなかったが、麻美は「100を超えないのかよ……」と胸の中で呟き、少々不満げではあった。
とはいえムカムカしていた気持ちがすっきりしたので目的は果たせたということになる。麻美は帰るか、とゲームセンターを退店しようとした時だった。
「おい! 格ゲーの悪魔が来たぞ!」
「マジかよ! 今何人抜きだっ!?」
「8人抜きだってよ!」
突然周りがざわつく。格ゲーの悪魔ってなんだ? という表情をする麻美は常連客と思わしき人達の後を追ってみることにした。
向かった先はテレビゲームのコーナーだった。もっと詳しいことを言うと格闘ゲームコーナーである。その周辺には人だかりが出来ていて対戦ゲームをしているのだろう。両者を応援するような声が響いていた。
ちょうど麻美のいる場所は挑戦者側のゲーム台らしく、格ゲーの悪魔とやらはゲーム台の向こう側にいるので姿は見えない。
そして挑戦者は呆気なく倒されてしまい、格ゲーの悪魔は計10人のチャレンジャーを叩きのめしたと観客達が盛り上がっていた。
次の挑戦者は誰が行く? と相談する中、興味が出た麻美が我先にと挑戦者として挑むため、席に着いて小銭を入れた。
しかし結果は惨敗。というのも麻美は格ゲーというものを初めてプレイしたので手も足も出なかったのだ。
舌打ちをし、席を立つ麻美だったがゲーム台の向こう側である対戦相手の声が聞こえてきた。
「え! さすがにめっちゃ弱くね!? 一撃どころか全然動けてねーじゃん! 操作下手にもほどがあるっしょ!?」
聞き覚えのあるその声を聞いて麻美は青筋を立て、対戦相手の元へと向かう。
「悪かったな、下手で」
「は? え、えぇっ!? 赤宮先輩っ!? 今のもしかして先輩が……!?」
格ゲーの悪魔こと部活の後輩、切原赤也だった。彼は麻美を見た途端、顔を青くして慌てふためく。
「覚えとけよ。この借りは絶対に返すからな」
そう睨んだ麻美はびくりと肩を震わせる切原を置いてそのままゲームセンターを後にした。