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第14話『その想いは一方通行か』
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休日のテニスコート。西成がテニスを上手くなって仕返ししたい奴がいるというので俺がそれに付き合ってやることにした。
それから小一時間、西成に俺のラケットを貸して軽く打ち方のレクチャーをし、実際に打ち合ってみる。
まぁ、これが凄いのなんの。なかなかのへっぽこじゃった。空振り、ボールミス、転ぶ、などなど。向いてないんかとも思ったが、何度もやっていくうちに少しは上達しとった。そうしてもらわなこっちも教えたのが無駄になってまうがのぅ。
「うえぇぇぇーー! つっかれたー!」
体力の限界なのか、奴はテニスコートの上に仰向け状態で寝転んだ。こっちとしては準備運動にもならんが、素人相手ならこんなもんじゃろう。
ラケットのフレームを肩に乗せた俺は西成の元へ近づいてその場にしゃがみ込む。
「休憩するか?」
「する~~!」
「じゃあ日陰に移動するぜよ。熱中症になったら大変じゃき」
「そうだねっ」
ガバッと勢いよく起き上がる西成はどう見てもまだまだ元気な様子。部活だったらもっと扱かれてただろうな。
そんなことを考えながらそそくさと木陰の下にあるベンチへと向かう西成の後に俺も続いた。
水分補給のため近くの自販機で買った缶ジュースのプルタブを引っ掛けて飲み口を開ける。西成とベンチに並んで座りながら互いにジュースを飲んだ。
「ぷはー! 生き返るー!」
「おっさんじゃのぅ」
「こんな若々しいあたしに向けてなんてことを!」
「そうかそうか。年齢詐称しとったらとんだペテン師やと思うたがの」
「あたしは仁王のような騙しは出来ないのだが!」
「そうじゃのぅ。おまんは騙すより騙される側じゃ」
「それは嬉しくないっ! そもそもあたしを騙そうとする者がいるのは許してはならないと思うんだよねっ。世界平和的にも!」
ぷりぷりしながらどういう理屈か分からんことを口にする西成はどこかおもろい。とんだ自信じゃ。
「そういえばあたしのテニスの腕はどうっ? プロ級?」
「ポジティブすぎて心苦しいが、お前さんの腕は小学生レベルにも満たんぜよ。欠伸しながらでも勝てる程度じゃ」
「心苦しい割になかなか辛辣では? ちぇ~。あの跡部とかいうホクロとの再戦はまだまだかぁ~」
はぁ~。と残念そうに溜め息を吐くが、それより何より気になる固有名詞に反応する。
「跡部……って言ったか?」
「うん。知り合い?」
「知り合いというか有名人じゃろ。氷帝の跡部なんて他校からでもファンがおるくらいじゃき」
「えー!? あのホクロが!? 女の子の扱いも全然だったあのホクロが!?」
よほどこやつから嫌われとると見た。まさか跡部が西成の言う再戦したい相手じゃったとは。……相手が悪すぎるな。いくらこいつが頑張ろうと勝ち目はゼロじゃな。
「悪いことは言わん。跡部には100%勝てんから諦めんしゃい」
「えぇっ!? なんで!」
「跡部の強さに追いつけるわけないってことじゃ」
「ぐぬぬ……」
悔しげに唸る様子はまるで威嚇しようとして威嚇にならんポメラニアンのよう。まぁ、頑張っても無駄だとはっきり言われるのはさすがに可哀想が過ぎたか。
「まぁ、勝てんでも上達した所を見せつけるのはアリじゃろう。そういうのは無駄な努力にはならんからの」
「そ、そうだよね! 今度こそ一球くらい決めてやるんだ!」
おーおー。燃えとる燃えとる。そんなに敵視するんじゃから跡部の奴は相当西成を弄んだんじゃのぅ。
そういえば西成が自分を売ってデートを持ちかけた相手でもあったな。一歩間違えたらデートしとったんか? 跡部と西成が? ……想像つかんのぅ。
まぁ、そうならんで良かったがな。変な男に騙されんで安心じゃ。それに跡部ならこやつを相手にしないのも頷ける。
「……何だかんだお前が一番手のかかる奴じゃのぅ」
「いきなりディスるの!?」
「いーや、俺としてはおもろいと思うちょるが」
「面白がらないでくんないっ?」
俺に食ってかかる西成にけらけら笑いながら、心の中では跡部の奴に惹かれんで良かったと安堵する自分もいた。ふつふつと知らん間に湧き上がる、こやつを独占されたくないという思い。
それを相手に悟られんよう自身にペルソナをつけることにした。
それから小一時間、西成に俺のラケットを貸して軽く打ち方のレクチャーをし、実際に打ち合ってみる。
まぁ、これが凄いのなんの。なかなかのへっぽこじゃった。空振り、ボールミス、転ぶ、などなど。向いてないんかとも思ったが、何度もやっていくうちに少しは上達しとった。そうしてもらわなこっちも教えたのが無駄になってまうがのぅ。
「うえぇぇぇーー! つっかれたー!」
体力の限界なのか、奴はテニスコートの上に仰向け状態で寝転んだ。こっちとしては準備運動にもならんが、素人相手ならこんなもんじゃろう。
ラケットのフレームを肩に乗せた俺は西成の元へ近づいてその場にしゃがみ込む。
「休憩するか?」
「する~~!」
「じゃあ日陰に移動するぜよ。熱中症になったら大変じゃき」
「そうだねっ」
ガバッと勢いよく起き上がる西成はどう見てもまだまだ元気な様子。部活だったらもっと扱かれてただろうな。
そんなことを考えながらそそくさと木陰の下にあるベンチへと向かう西成の後に俺も続いた。
水分補給のため近くの自販機で買った缶ジュースのプルタブを引っ掛けて飲み口を開ける。西成とベンチに並んで座りながら互いにジュースを飲んだ。
「ぷはー! 生き返るー!」
「おっさんじゃのぅ」
「こんな若々しいあたしに向けてなんてことを!」
「そうかそうか。年齢詐称しとったらとんだペテン師やと思うたがの」
「あたしは仁王のような騙しは出来ないのだが!」
「そうじゃのぅ。おまんは騙すより騙される側じゃ」
「それは嬉しくないっ! そもそもあたしを騙そうとする者がいるのは許してはならないと思うんだよねっ。世界平和的にも!」
ぷりぷりしながらどういう理屈か分からんことを口にする西成はどこかおもろい。とんだ自信じゃ。
「そういえばあたしのテニスの腕はどうっ? プロ級?」
「ポジティブすぎて心苦しいが、お前さんの腕は小学生レベルにも満たんぜよ。欠伸しながらでも勝てる程度じゃ」
「心苦しい割になかなか辛辣では? ちぇ~。あの跡部とかいうホクロとの再戦はまだまだかぁ~」
はぁ~。と残念そうに溜め息を吐くが、それより何より気になる固有名詞に反応する。
「跡部……って言ったか?」
「うん。知り合い?」
「知り合いというか有名人じゃろ。氷帝の跡部なんて他校からでもファンがおるくらいじゃき」
「えー!? あのホクロが!? 女の子の扱いも全然だったあのホクロが!?」
よほどこやつから嫌われとると見た。まさか跡部が西成の言う再戦したい相手じゃったとは。……相手が悪すぎるな。いくらこいつが頑張ろうと勝ち目はゼロじゃな。
「悪いことは言わん。跡部には100%勝てんから諦めんしゃい」
「えぇっ!? なんで!」
「跡部の強さに追いつけるわけないってことじゃ」
「ぐぬぬ……」
悔しげに唸る様子はまるで威嚇しようとして威嚇にならんポメラニアンのよう。まぁ、頑張っても無駄だとはっきり言われるのはさすがに可哀想が過ぎたか。
「まぁ、勝てんでも上達した所を見せつけるのはアリじゃろう。そういうのは無駄な努力にはならんからの」
「そ、そうだよね! 今度こそ一球くらい決めてやるんだ!」
おーおー。燃えとる燃えとる。そんなに敵視するんじゃから跡部の奴は相当西成を弄んだんじゃのぅ。
そういえば西成が自分を売ってデートを持ちかけた相手でもあったな。一歩間違えたらデートしとったんか? 跡部と西成が? ……想像つかんのぅ。
まぁ、そうならんで良かったがな。変な男に騙されんで安心じゃ。それに跡部ならこやつを相手にしないのも頷ける。
「……何だかんだお前が一番手のかかる奴じゃのぅ」
「いきなりディスるの!?」
「いーや、俺としてはおもろいと思うちょるが」
「面白がらないでくんないっ?」
俺に食ってかかる西成にけらけら笑いながら、心の中では跡部の奴に惹かれんで良かったと安堵する自分もいた。ふつふつと知らん間に湧き上がる、こやつを独占されたくないという思い。
それを相手に悟られんよう自身にペルソナをつけることにした。