自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第13話『察する特別な感情』
主人公名前変換
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「こんにちは、幸村くん」
「精市、気分はどうだ?」
精市が入院する病院に九条と共に訪れる。元々一人で向かう予定だったが、途中で九条と会い、彼女もプリントを渡すため見舞いに向かっていると話を聞いたので一緒に向かうことになった。
病室では精市がベッドの上で本を読んでいたようで、俺達の姿を見ると嬉しそうに顔を綻ばせ、読みかけだった本に栞を挟んで傍らに置いた。
「やぁ、蓮二、九条さん。見ての通り伸び伸びとしてるよ」
「顔色も悪くなくて良かったよ。はい、今日のプリント」
「ありがとう九条さん。蓮二は最近の部員達によるレポートかな?」
「そういうことだ」
精市は九条からプリントを受け取り、俺からは部員達の練習メニューや個々の能力を更新し纏めてプリントしたデータを受け取る。
こうして渡しておけば精市も部員達の成長を見れなくても理解することは出来る。いつか復帰した時の役にも立つだろう。
「あ、幸村くん。良かったら、そこにある花瓶のお花を入れ替えるよ」
九条はそう言って窓に置かれている花へと目を向ける。
花瓶に生ける花は少し枯れかけ、その隣には夏らしい花であるヒマワリを主役にオレンジのトルコキキョウを合わせた小さなブーケが置かれていた。
「いいのかい? あとで看護師さんに頼もうと思ってたんだけど……お願いしてもいいかな?」
「うん。任せて」
自ら言い出したこともあり嫌な表情は何ひとつない九条は花瓶とブーケを抱え、一旦病室から出ていく。
笑顔で彼女を見送った精市はしばらくして真面目な表情へと顔つきが変わる。
「……蓮二、君は知ってるのかい? 九条さんの好きな相手について」
「お前は相変わらず唐突なことを聞いてくるな。もちろん、心当たりはあるが」
まぁ、唐突なのは構わない。むしろそれでこそ精市だとも言えよう。
「誰だい? 俺の女子マネージャーの一人に色目を使ったのは」
「お前のではないがプライバシーに関わることなので俺の口からは何も言えないな」
「俺と蓮二の仲だというのにかい?」
「情報源が俺だとバレたら九条の信用を失うのでな。さすがにリスクが高い」
「俺と蓮二の友情はその程度ということか……」
「そもそも気になるのなら本人に聞けば済むことだろう? お前にしては少し回りくどいな」
「本人から聞いたとして、もし彼女が頬を染めながら名前を告げたらショックのあまり俺はそいつの五感を奪いかねない!」
五感を奪うのはテニスの試合のみにしてくれ。そう口にしたかったが、いつもの芝居がかった様子ではなく感情的になる精市に引っかかりを覚えた。
「精市。お前にしては一人の女子に執心しているようだが、気があるのか?」
そう問いかけると精市はしばらく目を大きくさせてから瞬きをしたあと、悩ましげに顎に指を添えて考え込む。
「そう、なのか。そうか。どうやらその可能性が高いのかもしれないな」
「無自覚だったのか」
「元より九条さんは素敵な女性だと思っていたよ。もちろん、赤宮さんも西成さんも、女子はみんなそれぞれの魅力を持っている。だから九条さんもその一人だと思っていたよ。でもそうだとしたら全て納得する。テニス部にマネージャーが欲しいと思った時、九条さんはすでに俺の中で最初から決まっていたからね。だから彼女を中心にバランスのいいメンバーを厳選したんだけど……そうか。そういうことだったのか」
自分の感情に整理するように語る精市はそれはそれは面白くて彼のデータも更新せねばならないなと頭に叩き入れる。
しかし、九条の想い人が仁王だと知ったら精市がどうなるか気になるところだが、大会中である今そんな面倒事になりそうなことは御免こうむりたい。
とにかく今は精市に隠し通しておこう。立海三連覇のためにも。
「精市、気分はどうだ?」
精市が入院する病院に九条と共に訪れる。元々一人で向かう予定だったが、途中で九条と会い、彼女もプリントを渡すため見舞いに向かっていると話を聞いたので一緒に向かうことになった。
病室では精市がベッドの上で本を読んでいたようで、俺達の姿を見ると嬉しそうに顔を綻ばせ、読みかけだった本に栞を挟んで傍らに置いた。
「やぁ、蓮二、九条さん。見ての通り伸び伸びとしてるよ」
「顔色も悪くなくて良かったよ。はい、今日のプリント」
「ありがとう九条さん。蓮二は最近の部員達によるレポートかな?」
「そういうことだ」
精市は九条からプリントを受け取り、俺からは部員達の練習メニューや個々の能力を更新し纏めてプリントしたデータを受け取る。
こうして渡しておけば精市も部員達の成長を見れなくても理解することは出来る。いつか復帰した時の役にも立つだろう。
「あ、幸村くん。良かったら、そこにある花瓶のお花を入れ替えるよ」
九条はそう言って窓に置かれている花へと目を向ける。
花瓶に生ける花は少し枯れかけ、その隣には夏らしい花であるヒマワリを主役にオレンジのトルコキキョウを合わせた小さなブーケが置かれていた。
「いいのかい? あとで看護師さんに頼もうと思ってたんだけど……お願いしてもいいかな?」
「うん。任せて」
自ら言い出したこともあり嫌な表情は何ひとつない九条は花瓶とブーケを抱え、一旦病室から出ていく。
笑顔で彼女を見送った精市はしばらくして真面目な表情へと顔つきが変わる。
「……蓮二、君は知ってるのかい? 九条さんの好きな相手について」
「お前は相変わらず唐突なことを聞いてくるな。もちろん、心当たりはあるが」
まぁ、唐突なのは構わない。むしろそれでこそ精市だとも言えよう。
「誰だい? 俺の女子マネージャーの一人に色目を使ったのは」
「お前のではないがプライバシーに関わることなので俺の口からは何も言えないな」
「俺と蓮二の仲だというのにかい?」
「情報源が俺だとバレたら九条の信用を失うのでな。さすがにリスクが高い」
「俺と蓮二の友情はその程度ということか……」
「そもそも気になるのなら本人に聞けば済むことだろう? お前にしては少し回りくどいな」
「本人から聞いたとして、もし彼女が頬を染めながら名前を告げたらショックのあまり俺はそいつの五感を奪いかねない!」
五感を奪うのはテニスの試合のみにしてくれ。そう口にしたかったが、いつもの芝居がかった様子ではなく感情的になる精市に引っかかりを覚えた。
「精市。お前にしては一人の女子に執心しているようだが、気があるのか?」
そう問いかけると精市はしばらく目を大きくさせてから瞬きをしたあと、悩ましげに顎に指を添えて考え込む。
「そう、なのか。そうか。どうやらその可能性が高いのかもしれないな」
「無自覚だったのか」
「元より九条さんは素敵な女性だと思っていたよ。もちろん、赤宮さんも西成さんも、女子はみんなそれぞれの魅力を持っている。だから九条さんもその一人だと思っていたよ。でもそうだとしたら全て納得する。テニス部にマネージャーが欲しいと思った時、九条さんはすでに俺の中で最初から決まっていたからね。だから彼女を中心にバランスのいいメンバーを厳選したんだけど……そうか。そういうことだったのか」
自分の感情に整理するように語る精市はそれはそれは面白くて彼のデータも更新せねばならないなと頭に叩き入れる。
しかし、九条の想い人が仁王だと知ったら精市がどうなるか気になるところだが、大会中である今そんな面倒事になりそうなことは御免こうむりたい。
とにかく今は精市に隠し通しておこう。立海三連覇のためにも。