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第13話『察する特別な感情』
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ホームルーム前、スマホに弦一郎からメッセージが届く。『屋上に来てくれ』と、たった一言。おそらく何かしら話があるのだろうと思う。直接話したいことなのか。
教室で声をかけたらいいのに。もしかして他人には聞かせづらい内容とかか? それとも私に何か思う所があるとか? 弦一郎に嫌われるのだけは勘弁願いたい。せっかく最近は大人しくしてるというのに。
我ながら不安に思いながら緊張を悟られないように呼び出された屋上への扉へと手をかける。
そこには逞しい背中を向けて仁王立ちをする弦一郎の姿があった。弦一郎は扉の音に気がつき、後ろを振り返る。
「来てくれて感謝する」
「あぁ。ところで……話ってなんだ?」
すぐに本題に入る。多分向こうも世間話をするために呼びつけたわけではないだろう。ホームルーム前ということもあり、屋上には私達以外の人の気配もないのでこちらとしては気楽に話せるのでとてもいいが。
「実は今朝方、生徒会と風紀委員との合同で会議を行った。つい最近のことだが、東京のある学校で生徒が余所者に暴行されたらしい」
余所の学校で暴れるとはなかなかイカれた奴もいたものだ。まぁ、場合によっては私も出来なくはないけど。だが、する理由がない。
「この所、そういう暴行事件が多発していて、どうやら同一人物での犯行と聞いている」
「とんでもねぇ奴だな」
「あぁ。都内中心で起こっているものだからうちまで被害は及ばないだろうが……合同会議の結果、登下校の見回りの強化と教師による不審人物への注意喚起を行うことになった。同一人物による暴行事件という詳細を話すと皆が不安になるため、他言無用で頼む」
そう言われた私は誰かに聞かれてないか辺りを見渡すが、屋上に来た時同様に人の気配はないし、特に聞かれている雰囲気はなかった。だが、ひとつだけ疑問に残った私は弦一郎に尋ねる。
「他言無用なのに私に言ってもいいのか?」
まぁ、別に私は不安を感じることはまずないから別にいいんだけど。けど、そこら辺の生徒にとっては不安を煽ることになるのだろうな。
きっと弦一郎も同じように思っているのだろうと考えたが、口を開いた弦一郎の理由は私が思っていたのとは少し違うものであった。
「お前が心配だからだ」
たったそれだけの言葉が私の胸を撃ち抜く。真剣な表情で言うものだからそこに嘘偽りなんてない。
好意を持つ相手に心配をされるのはなんてこんなにむず痒く、嬉しいと思ってしまうのか。弦一郎以外なら余計なお世話だと思ってしまうのに。
「だから仮に怪しい人物が現れても自分で解決しようとしなくていい。すぐに俺に言え」
「分かった……」
弦一郎は私の性格をよく分かっているな。分かっている上で心配をしてくれる。格好いいな、本当。胸の早鐘が治まらない。
「……そういえば生徒会との会議ってことは秋も知ってるわけか」
「あぁ、会議が終わった後に俺が麻美にこのことを話すと伝えたら彼女は西成にも話してみると言っていたな。トラブルメーカーだからしっかり注意したいと」
秋の考えには私も同意する。遥は何かと首に突っ込むような性格らしいので注意でもしておかなければ勝手に何かをやらかしそうで秋の奴も気が気でないだろう。
……問題は、あいつのことだから注意したところで結局何かをやらかしそうだということだ。まぁ、危機感を抱かせるにはいいだろうけど。
「秋の選択は間違いないと思う」
「そうだな、俺もそう思う」
こくりと弦一郎が頷く。すると予鈴の音が校内に響き渡るため名残惜しくはあるが、私と弦一郎は互いのクラスに戻ることにした。こういう時にこそ一緒のクラスでないことを悔しく思う。
「ではな」
「あぁ、また部活で」
そう告げて別れた。メッセージで送れば十分な内容かもしれないのにわざわざ直接話すとは。……弦一郎のことだ。顔を合わせて話す方が早いと思ったのかもしれない。
いつか、私に会いたいために呼び出してくれたらいいんだけど。
教室で声をかけたらいいのに。もしかして他人には聞かせづらい内容とかか? それとも私に何か思う所があるとか? 弦一郎に嫌われるのだけは勘弁願いたい。せっかく最近は大人しくしてるというのに。
我ながら不安に思いながら緊張を悟られないように呼び出された屋上への扉へと手をかける。
そこには逞しい背中を向けて仁王立ちをする弦一郎の姿があった。弦一郎は扉の音に気がつき、後ろを振り返る。
「来てくれて感謝する」
「あぁ。ところで……話ってなんだ?」
すぐに本題に入る。多分向こうも世間話をするために呼びつけたわけではないだろう。ホームルーム前ということもあり、屋上には私達以外の人の気配もないのでこちらとしては気楽に話せるのでとてもいいが。
「実は今朝方、生徒会と風紀委員との合同で会議を行った。つい最近のことだが、東京のある学校で生徒が余所者に暴行されたらしい」
余所の学校で暴れるとはなかなかイカれた奴もいたものだ。まぁ、場合によっては私も出来なくはないけど。だが、する理由がない。
「この所、そういう暴行事件が多発していて、どうやら同一人物での犯行と聞いている」
「とんでもねぇ奴だな」
「あぁ。都内中心で起こっているものだからうちまで被害は及ばないだろうが……合同会議の結果、登下校の見回りの強化と教師による不審人物への注意喚起を行うことになった。同一人物による暴行事件という詳細を話すと皆が不安になるため、他言無用で頼む」
そう言われた私は誰かに聞かれてないか辺りを見渡すが、屋上に来た時同様に人の気配はないし、特に聞かれている雰囲気はなかった。だが、ひとつだけ疑問に残った私は弦一郎に尋ねる。
「他言無用なのに私に言ってもいいのか?」
まぁ、別に私は不安を感じることはまずないから別にいいんだけど。けど、そこら辺の生徒にとっては不安を煽ることになるのだろうな。
きっと弦一郎も同じように思っているのだろうと考えたが、口を開いた弦一郎の理由は私が思っていたのとは少し違うものであった。
「お前が心配だからだ」
たったそれだけの言葉が私の胸を撃ち抜く。真剣な表情で言うものだからそこに嘘偽りなんてない。
好意を持つ相手に心配をされるのはなんてこんなにむず痒く、嬉しいと思ってしまうのか。弦一郎以外なら余計なお世話だと思ってしまうのに。
「だから仮に怪しい人物が現れても自分で解決しようとしなくていい。すぐに俺に言え」
「分かった……」
弦一郎は私の性格をよく分かっているな。分かっている上で心配をしてくれる。格好いいな、本当。胸の早鐘が治まらない。
「……そういえば生徒会との会議ってことは秋も知ってるわけか」
「あぁ、会議が終わった後に俺が麻美にこのことを話すと伝えたら彼女は西成にも話してみると言っていたな。トラブルメーカーだからしっかり注意したいと」
秋の考えには私も同意する。遥は何かと首に突っ込むような性格らしいので注意でもしておかなければ勝手に何かをやらかしそうで秋の奴も気が気でないだろう。
……問題は、あいつのことだから注意したところで結局何かをやらかしそうだということだ。まぁ、危機感を抱かせるにはいいだろうけど。
「秋の選択は間違いないと思う」
「そうだな、俺もそう思う」
こくりと弦一郎が頷く。すると予鈴の音が校内に響き渡るため名残惜しくはあるが、私と弦一郎は互いのクラスに戻ることにした。こういう時にこそ一緒のクラスでないことを悔しく思う。
「ではな」
「あぁ、また部活で」
そう告げて別れた。メッセージで送れば十分な内容かもしれないのにわざわざ直接話すとは。……弦一郎のことだ。顔を合わせて話す方が早いと思ったのかもしれない。
いつか、私に会いたいために呼び出してくれたらいいんだけど。