自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第12話『都大会準々決勝観戦』
主人公名前変換
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「くそう! 勝たなきゃ……勝たなきゃ意味がないんだ! その為に僕らはワザワザ地方から集められたのに! 結果だけが全てなんだよ!」
ガシャン! と音を立てながらフェンスを掴み嘆く観月。そんな姿を遠巻きで見ている三人は声をかけることは出来なかった。
「ど、どどどどうしようっ。何だか雰囲気がヤバイよっ」
「何か声かけするべきかな……」
「ほっとけ。これは奴らの問題だ。部外者であり他校の私らが首を突っ込むもんじゃないだろ」
遥がオロオロし、秋が元気付ける言葉を考える中、麻美は冷静にルドルフの様子を見ていた。下手に慰めるのは逆効果だろうと思い。
「でも、こんな荒れに荒れた状態のままでいいのだろうか……」
遥がぽつりと呟く。負けたから悔しくなる気持ちは分かるが、観月の思いはそれ以上だと感じた。不穏な空気はあまり好ましくない。何とか宥めることは出来ないのかなと遥も秋と似たようなことを思い始めると、ルドルフの仲間達が観月に声をかける。
「観月。まだ5位決定戦でチャンスが……」
「赤澤!! 一敗だって許されるもんか。聖ルドルフの汚点だ」
勝ちに執着し、敗北は許さない。何だかうちの学校に似てるなと遥がぼんやり思ったその時だった。
「橘さん。あいつら泣き事言ってますよ」
「情けねぇなぁ」
まるで煽るかのように黒いジャージを身に纏う不動峰の橘、神尾、伊武の三人が現れた。
「━━ふん、君達に僕の気持ちが分かってたまるか」
「また一から築いてきゃいいじゃねぇか。新しいお前らのスタイルをよ」
「……キレイ事を」
「俺達はそうやって来たぜ」
そう自信満々に答える橘は神尾と伊武に「行くぞ」と言うと、彼を慕う二人は声を揃えて「はい」と答えてルドルフの前をあとにする。
その様子を眺めていた遥は「おーっ!」と声を上げた。
「あれが不動峰の橘! かっくいーね!」
「そうだね。何だか貫禄もあるし、一瞬にしてルドルフの空気を変えて行っちゃったよ」
「……それよりも次の準々決勝の試合が始まるぞ」
「あ、そっか。次は不動峰と氷帝なんだよね」
「ふんっ。あのホクロの学校なんか負けちゃえばいいんだよっ」
跡部によってコケにされた遥は彼に恨みがある。そのため、格好いい橘部長率いる不動峰を贔屓に応援しようと決めた彼女は鼻を鳴らし、彼女達はもうひとつの準々決勝の試合へと向かった。
その後、氷帝と不動峰の試合を見終えた三人は神奈川へ帰ろうと夕焼け方向の駅までの道のりを歩いていく。三人の足元には後ろへと長い影が伸びていた。
氷帝と不動峰の試合結果は3勝0敗で不動峰の勝利。遥の望んだ通り不動峰が準決勝進出となった。
「わーい! わーい! 氷帝ざまぁみろー!」
両手を挙げて万歳をする遥。その隣では秋と麻美が並んで歩く。
「それにしても、橘くんって凄く強いね」
「どうやらギャラリーの話によると全国区らしいな」
先程の橘と氷帝の正レギュラーである宍戸との対戦を思い返してみる。圧倒的な強さで彼を打ち負かした橘の力はまるで大人と子供ほどの差があった。
「全国区、ってことは有名なんだよね。その橘くんが無名校である不動峰にいるって言うことは……引っ越ししてきたってことかな?」
「そういうことになるだろうな」
「橘が氷帝を潰してくれて本当に良かったなー。あたしはもう満足だよっ」
「まだ完全敗退とは限らないよ? 5位決定戦っていう、謂わば敗者復活戦みたいなのがあるからね」
「? どういうこと?」
「それに勝ち残れば関東大会に出られるってことだ。理解しろこの馬鹿」
麻美から余計な一言と共にそう聞かされると遥はうげっと小さく声を漏らす。
「でも、5位決定戦で赤澤くん達が率いるルドルフが勝ち残れるといいね」
「どうだかな」
口ではそう言うものの、その表情は少しばかり綻ばせていた。そんな麻美を見て、秋もつられて笑みをこぼし、さらにそれを見た遥がまた二人の間に飛び込んで麻美と秋の腕を掴む。
「わっ!」
「おいっ!」
「よーし! 次の決勝戦と敗者復活戦も見に行こうね!」
「ふふっ、そうだね」
「だからっていちいち掴むな馬鹿野郎!」
「ほんとあたしの扱いが両極端っ!」
またもや麻美に腕を振り解かれた遥はにこやかに笑う秋の腕にしがみついた。
そんな中ぼんやりと従兄妹である千石との約束を思い出す。しかし今考える時ではないとふるふると頭を振った遥は友人二人と共に帰るのだった。
ガシャン! と音を立てながらフェンスを掴み嘆く観月。そんな姿を遠巻きで見ている三人は声をかけることは出来なかった。
「ど、どどどどうしようっ。何だか雰囲気がヤバイよっ」
「何か声かけするべきかな……」
「ほっとけ。これは奴らの問題だ。部外者であり他校の私らが首を突っ込むもんじゃないだろ」
遥がオロオロし、秋が元気付ける言葉を考える中、麻美は冷静にルドルフの様子を見ていた。下手に慰めるのは逆効果だろうと思い。
「でも、こんな荒れに荒れた状態のままでいいのだろうか……」
遥がぽつりと呟く。負けたから悔しくなる気持ちは分かるが、観月の思いはそれ以上だと感じた。不穏な空気はあまり好ましくない。何とか宥めることは出来ないのかなと遥も秋と似たようなことを思い始めると、ルドルフの仲間達が観月に声をかける。
「観月。まだ5位決定戦でチャンスが……」
「赤澤!! 一敗だって許されるもんか。聖ルドルフの汚点だ」
勝ちに執着し、敗北は許さない。何だかうちの学校に似てるなと遥がぼんやり思ったその時だった。
「橘さん。あいつら泣き事言ってますよ」
「情けねぇなぁ」
まるで煽るかのように黒いジャージを身に纏う不動峰の橘、神尾、伊武の三人が現れた。
「━━ふん、君達に僕の気持ちが分かってたまるか」
「また一から築いてきゃいいじゃねぇか。新しいお前らのスタイルをよ」
「……キレイ事を」
「俺達はそうやって来たぜ」
そう自信満々に答える橘は神尾と伊武に「行くぞ」と言うと、彼を慕う二人は声を揃えて「はい」と答えてルドルフの前をあとにする。
その様子を眺めていた遥は「おーっ!」と声を上げた。
「あれが不動峰の橘! かっくいーね!」
「そうだね。何だか貫禄もあるし、一瞬にしてルドルフの空気を変えて行っちゃったよ」
「……それよりも次の準々決勝の試合が始まるぞ」
「あ、そっか。次は不動峰と氷帝なんだよね」
「ふんっ。あのホクロの学校なんか負けちゃえばいいんだよっ」
跡部によってコケにされた遥は彼に恨みがある。そのため、格好いい橘部長率いる不動峰を贔屓に応援しようと決めた彼女は鼻を鳴らし、彼女達はもうひとつの準々決勝の試合へと向かった。
その後、氷帝と不動峰の試合を見終えた三人は神奈川へ帰ろうと夕焼け方向の駅までの道のりを歩いていく。三人の足元には後ろへと長い影が伸びていた。
氷帝と不動峰の試合結果は3勝0敗で不動峰の勝利。遥の望んだ通り不動峰が準決勝進出となった。
「わーい! わーい! 氷帝ざまぁみろー!」
両手を挙げて万歳をする遥。その隣では秋と麻美が並んで歩く。
「それにしても、橘くんって凄く強いね」
「どうやらギャラリーの話によると全国区らしいな」
先程の橘と氷帝の正レギュラーである宍戸との対戦を思い返してみる。圧倒的な強さで彼を打ち負かした橘の力はまるで大人と子供ほどの差があった。
「全国区、ってことは有名なんだよね。その橘くんが無名校である不動峰にいるって言うことは……引っ越ししてきたってことかな?」
「そういうことになるだろうな」
「橘が氷帝を潰してくれて本当に良かったなー。あたしはもう満足だよっ」
「まだ完全敗退とは限らないよ? 5位決定戦っていう、謂わば敗者復活戦みたいなのがあるからね」
「? どういうこと?」
「それに勝ち残れば関東大会に出られるってことだ。理解しろこの馬鹿」
麻美から余計な一言と共にそう聞かされると遥はうげっと小さく声を漏らす。
「でも、5位決定戦で赤澤くん達が率いるルドルフが勝ち残れるといいね」
「どうだかな」
口ではそう言うものの、その表情は少しばかり綻ばせていた。そんな麻美を見て、秋もつられて笑みをこぼし、さらにそれを見た遥がまた二人の間に飛び込んで麻美と秋の腕を掴む。
「わっ!」
「おいっ!」
「よーし! 次の決勝戦と敗者復活戦も見に行こうね!」
「ふふっ、そうだね」
「だからっていちいち掴むな馬鹿野郎!」
「ほんとあたしの扱いが両極端っ!」
またもや麻美に腕を振り解かれた遥はにこやかに笑う秋の腕にしがみついた。
そんな中ぼんやりと従兄妹である千石との約束を思い出す。しかし今考える時ではないとふるふると頭を振った遥は友人二人と共に帰るのだった。