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第12話『都大会準々決勝観戦』
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シングルス3の試合は6-3で青学のスーパールーキー越前リョーマの勝利という結果に終わった。
続くシングルス2の試合。聖ルドルフの出場選手は観月はじめ。対する青学の出場選手は不二周助。秋は「あ、不二くんだ」と胸の中で呟いた。
「やはりあの青学の1年、飛び抜けて強いな」
先の試合の最中、休憩から戻った麻美が越前リョーマをマークするように観察していた。そしてようやくその感想を述べる麻美に秋も試合風景を思い出し、うんと頷く。
「そうだね、1年生にして凄い強いよ来年も再来年も活躍する選手間違いなしだね」
「このまま関東大会に以降も勝ち抜くならうちと当たる可能性もあるな」
「柳くんも注目していたみたいだし、今回の試合を見れたのは良かったかも。上手く報告出来るといいね」
秋の言葉を聞いてそういえば偵察も兼ねていたなと麻美は思い出す。その時だった。ドタバタと走ってくる少女が二人の間に飛び込み、両方の腕に抱きついた。
「うおおぉぉぉ!! やっと帰ってきた! 麻美酷いよっ、あそこからいなくなるなんて!」
遥である。麻美の元に戻ったのにどこにもいなくて辺りを探し回ったあとに秋からメッセージが届いてるのに気づく。
『麻美と一緒に最初に別れた場所にいるから早く戻ってきてね』という文字を見て急いで戻ろうとするものの、迷子になって彷徨いながら何とか二人の元へと帰ってきたという小さな冒険をしたのだった。
しかし遥のことなんて知ったこっちゃない麻美は鬱陶しげにしがみつく遥の手を振り払う。
「帰ってくるなりうるさい奴だな」
「でもちゃんと帰ってきて良かったよ」
「厳しさと優しさの同時摂取ー! ところで今どんな感じなの?」
「今はシングルス2の試合だよ。1勝2敗だからここで勝たないと準々決勝敗退になっちゃうの……」
うーん、少しばかり難しそうな顔をする秋。遥はもしかして押されてるの? と思ってスコアボードを確認する。どうやら今は3-0で聖ルドルフの観月が優勢だった。
「なんだリードしてるじゃん。これだったらルドルフ勝てちゃうんじゃない?」
「そうだな。青学の天才だって言うから期待してたがとんだ拍子抜けだ」
麻美も余裕だなと言わんばかりに鼻で笑う。けれど秋は不思議だった。不二と親しいわけでもないし、試合をちゃんと見ることすら初めてだったので断言出来ないけど、何故か押されているようには感じなかったから。
「弱点だの苦手コースだのずっと突かれてやがる。いくら天才とはいえ、克服出来るわけないってか」
はたして本当にそうなのだろうか。秋は思う。天才と呼ばれるにはそれ相応の理由があるはず。苦手なコースを攻めるのはもちろん何もおかしくないことだけど、本当に一球も返すことは出来ないものなのだろうか。
どこか引っ掛かりを覚えつつも、試合はとうとう5-0と観月の勝利まであと1ゲームといったところまできていた。
ところが試合の流れはそこから変わった。
「今のコースだけど、本当は一番得意なんだ」
ずっと苦手コースを攻められ続けていた不二の動きがさっきとはまるで違っていた。そして得意と宣言する言葉にギャラリー含め観月も驚いたのだろう。
それからは怒涛の反撃だった。いや、反撃と言っていいのかさえ疑う。
データに基づいて攻めていたのに、打ってくるショット全てを返す不二。観月は自身の取っていたデータが間違いだと気づいた様子だった。おそらく彼からしてみればそれは信じたくない事実であり現実である。
精神的に余裕もなくなってしまった彼は次々に不二からゲームを奪われ最終的に5ー7という逆転負けをしてしまった。
「貴様、0-5はワザとだなっ! ふざけやがって……」
コートにはいつもの冷静な様子がなくなった観月が膝をつき、息を整えて勝者の不二を見上げて噛みついた。不二はそんな観月を冷たい目で睨みつけ一言彼に送る。
「弟が世話になったね……」
その言葉に秋は弟に対する不二の気持ちが少しだけ理解した。彼は本当に弟のことを想っているのだとひしひし伝わったから。
詳しいことは分からない。分かるのは不二が観月のプライドをズタズタにするような試合展開をしたということと、弟のことが好きなのだということ。
そんな不二の試合は麻美と遥の言葉を失わせるには十分だったようで先程から二人は驚きに目を丸くしていた。
こうして青学VSルドルフの試合は青学の勝利となり、ベスト4へ進出を果たす。
負けたルドルフは5位決定戦で勝ち残れば関東大会へ進めるが、コートから戻って来た観月は物凄く荒れていた。
続くシングルス2の試合。聖ルドルフの出場選手は観月はじめ。対する青学の出場選手は不二周助。秋は「あ、不二くんだ」と胸の中で呟いた。
「やはりあの青学の1年、飛び抜けて強いな」
先の試合の最中、休憩から戻った麻美が越前リョーマをマークするように観察していた。そしてようやくその感想を述べる麻美に秋も試合風景を思い出し、うんと頷く。
「そうだね、1年生にして凄い強いよ来年も再来年も活躍する選手間違いなしだね」
「このまま関東大会に以降も勝ち抜くならうちと当たる可能性もあるな」
「柳くんも注目していたみたいだし、今回の試合を見れたのは良かったかも。上手く報告出来るといいね」
秋の言葉を聞いてそういえば偵察も兼ねていたなと麻美は思い出す。その時だった。ドタバタと走ってくる少女が二人の間に飛び込み、両方の腕に抱きついた。
「うおおぉぉぉ!! やっと帰ってきた! 麻美酷いよっ、あそこからいなくなるなんて!」
遥である。麻美の元に戻ったのにどこにもいなくて辺りを探し回ったあとに秋からメッセージが届いてるのに気づく。
『麻美と一緒に最初に別れた場所にいるから早く戻ってきてね』という文字を見て急いで戻ろうとするものの、迷子になって彷徨いながら何とか二人の元へと帰ってきたという小さな冒険をしたのだった。
しかし遥のことなんて知ったこっちゃない麻美は鬱陶しげにしがみつく遥の手を振り払う。
「帰ってくるなりうるさい奴だな」
「でもちゃんと帰ってきて良かったよ」
「厳しさと優しさの同時摂取ー! ところで今どんな感じなの?」
「今はシングルス2の試合だよ。1勝2敗だからここで勝たないと準々決勝敗退になっちゃうの……」
うーん、少しばかり難しそうな顔をする秋。遥はもしかして押されてるの? と思ってスコアボードを確認する。どうやら今は3-0で聖ルドルフの観月が優勢だった。
「なんだリードしてるじゃん。これだったらルドルフ勝てちゃうんじゃない?」
「そうだな。青学の天才だって言うから期待してたがとんだ拍子抜けだ」
麻美も余裕だなと言わんばかりに鼻で笑う。けれど秋は不思議だった。不二と親しいわけでもないし、試合をちゃんと見ることすら初めてだったので断言出来ないけど、何故か押されているようには感じなかったから。
「弱点だの苦手コースだのずっと突かれてやがる。いくら天才とはいえ、克服出来るわけないってか」
はたして本当にそうなのだろうか。秋は思う。天才と呼ばれるにはそれ相応の理由があるはず。苦手なコースを攻めるのはもちろん何もおかしくないことだけど、本当に一球も返すことは出来ないものなのだろうか。
どこか引っ掛かりを覚えつつも、試合はとうとう5-0と観月の勝利まであと1ゲームといったところまできていた。
ところが試合の流れはそこから変わった。
「今のコースだけど、本当は一番得意なんだ」
ずっと苦手コースを攻められ続けていた不二の動きがさっきとはまるで違っていた。そして得意と宣言する言葉にギャラリー含め観月も驚いたのだろう。
それからは怒涛の反撃だった。いや、反撃と言っていいのかさえ疑う。
データに基づいて攻めていたのに、打ってくるショット全てを返す不二。観月は自身の取っていたデータが間違いだと気づいた様子だった。おそらく彼からしてみればそれは信じたくない事実であり現実である。
精神的に余裕もなくなってしまった彼は次々に不二からゲームを奪われ最終的に5ー7という逆転負けをしてしまった。
「貴様、0-5はワザとだなっ! ふざけやがって……」
コートにはいつもの冷静な様子がなくなった観月が膝をつき、息を整えて勝者の不二を見上げて噛みついた。不二はそんな観月を冷たい目で睨みつけ一言彼に送る。
「弟が世話になったね……」
その言葉に秋は弟に対する不二の気持ちが少しだけ理解した。彼は本当に弟のことを想っているのだとひしひし伝わったから。
詳しいことは分からない。分かるのは不二が観月のプライドをズタズタにするような試合展開をしたということと、弟のことが好きなのだということ。
そんな不二の試合は麻美と遥の言葉を失わせるには十分だったようで先程から二人は驚きに目を丸くしていた。
こうして青学VSルドルフの試合は青学の勝利となり、ベスト4へ進出を果たす。
負けたルドルフは5位決定戦で勝ち残れば関東大会へ進めるが、コートから戻って来た観月は物凄く荒れていた。