自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第12話『都大会準々決勝観戦』
主人公名前変換
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「だー……ねー……」
瞼をゆっくり開きぼやける視界の中、ベンチから身体を起こした柳沢は起き上がったと同時に自分の膝に濡れたタオルが落ちた。
屋根のあるベンチに自分がいることに気づくと、朦朧としていた意識がはっきりし始め、自身が気を失う前のことを思い出す。
対戦相手である青学の桃城と海堂ペアと試合をして桃城の放つパワーアップしたダンクスマッシュに頬をぶつけ、そこで意識がなくなった。
そこまで思い出すと急にズキッと左頬が痛み「いでっ」と声を上げ手を当てると、腫れているのが直接感じて熱く痛みが走る。
「気がついたか」
ふと声が聞こえて膝に落ちた濡れタオルを頬に当てながら声のする方へと振り向けば、そこには赤澤の従兄妹である麻美が意識を失っていた柳沢の隣に座っていた。
彼は驚きながらもベンチから地面に足を下ろして辺りをきょろきょろと見回す。
「ほ、他の皆はどこにいるだーね?」
「シングルス3の試合を見に行った」
「そうか……お前は確か赤澤の従兄妹だっただーね」
「そうだな、一応」
「……俺の試合はどうなっただーね?」
「もちろん、棄権負けだ」
「くっ……桃城の馬鹿力め! 悔しいだーね!」
自分が気を失わなければ勝っていたかもしれない。そう思うと悔しくなり、柳沢はダンダンッと地団駄を踏む。
「……そういえば、お前はなんでここにいるだーね? 赤澤達と一緒じゃなくていいだーね?」
「暑いから休憩だ。吉朗に頼まれて、そのついでにあんたの様子を見てただけ」
不本意だけど、とぼそりと呟く麻美。今から10分ほど前、秋がトイレから戻って来たそのタイミングで休憩すると言って日陰に休もうとしたところ、赤澤から「それなら柳沢を見といてくれねーか? 日陰だしよ」と頼まれたのが始まりだった。
なんで私がそこまでやらなきゃいけないんだと文句を言う前に秋が「そうだね、日陰だからちょうどいいと思うよ」と賛成されて木更津には「柳沢をお願いするよ」と、さらに金田が「赤宮さんありがとうございますっ」とすでに了承したような礼まで言われる始末で麻美は文句を言う隙を失ったのだ。
柳沢からしてみたらそんなやりとりがあったなんて知るわけはないが、看てくれたことには感謝しなければならないと考える。
「わざわざありがとうだーね。それじゃあ、俺は戻るだーね」
頬を冷やしたまま柳沢はゆっくりベンチから腰を上げる。まだ休むのかと思っていた麻美は柳沢に声をかけた。
「もう行くのか。それほど酷くないわけ?」
「もちろん痛いだーね。だけど裕太の試合が気になるから行くだーね」
そう告げると柳沢はシングルス3の試合が始まっているコートへと向かって行った。時々頬の痛みからかよろりと足元が定まらず、大丈夫かよと思いながら麻美は柳沢を見送った。
「……青学か」
ぽつりと呟く言葉は溜め息混じりのもの。さすが強豪と呼ばれる青学。一筋縄ではいかないなと、麻美は青学の強さを再認識した。
瞼をゆっくり開きぼやける視界の中、ベンチから身体を起こした柳沢は起き上がったと同時に自分の膝に濡れたタオルが落ちた。
屋根のあるベンチに自分がいることに気づくと、朦朧としていた意識がはっきりし始め、自身が気を失う前のことを思い出す。
対戦相手である青学の桃城と海堂ペアと試合をして桃城の放つパワーアップしたダンクスマッシュに頬をぶつけ、そこで意識がなくなった。
そこまで思い出すと急にズキッと左頬が痛み「いでっ」と声を上げ手を当てると、腫れているのが直接感じて熱く痛みが走る。
「気がついたか」
ふと声が聞こえて膝に落ちた濡れタオルを頬に当てながら声のする方へと振り向けば、そこには赤澤の従兄妹である麻美が意識を失っていた柳沢の隣に座っていた。
彼は驚きながらもベンチから地面に足を下ろして辺りをきょろきょろと見回す。
「ほ、他の皆はどこにいるだーね?」
「シングルス3の試合を見に行った」
「そうか……お前は確か赤澤の従兄妹だっただーね」
「そうだな、一応」
「……俺の試合はどうなっただーね?」
「もちろん、棄権負けだ」
「くっ……桃城の馬鹿力め! 悔しいだーね!」
自分が気を失わなければ勝っていたかもしれない。そう思うと悔しくなり、柳沢はダンダンッと地団駄を踏む。
「……そういえば、お前はなんでここにいるだーね? 赤澤達と一緒じゃなくていいだーね?」
「暑いから休憩だ。吉朗に頼まれて、そのついでにあんたの様子を見てただけ」
不本意だけど、とぼそりと呟く麻美。今から10分ほど前、秋がトイレから戻って来たそのタイミングで休憩すると言って日陰に休もうとしたところ、赤澤から「それなら柳沢を見といてくれねーか? 日陰だしよ」と頼まれたのが始まりだった。
なんで私がそこまでやらなきゃいけないんだと文句を言う前に秋が「そうだね、日陰だからちょうどいいと思うよ」と賛成されて木更津には「柳沢をお願いするよ」と、さらに金田が「赤宮さんありがとうございますっ」とすでに了承したような礼まで言われる始末で麻美は文句を言う隙を失ったのだ。
柳沢からしてみたらそんなやりとりがあったなんて知るわけはないが、看てくれたことには感謝しなければならないと考える。
「わざわざありがとうだーね。それじゃあ、俺は戻るだーね」
頬を冷やしたまま柳沢はゆっくりベンチから腰を上げる。まだ休むのかと思っていた麻美は柳沢に声をかけた。
「もう行くのか。それほど酷くないわけ?」
「もちろん痛いだーね。だけど裕太の試合が気になるから行くだーね」
そう告げると柳沢はシングルス3の試合が始まっているコートへと向かって行った。時々頬の痛みからかよろりと足元が定まらず、大丈夫かよと思いながら麻美は柳沢を見送った。
「……青学か」
ぽつりと呟く言葉は溜め息混じりのもの。さすが強豪と呼ばれる青学。一筋縄ではいかないなと、麻美は青学の強さを再認識した。