自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第12話『都大会準々決勝観戦』
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試合の途中、トイレに行きたいことを思い出したあたしは近くのお手洗いを借りて麻美の所へ戻ろうとした。そういえば麻美に声かけたけど、返事もなかったしちゃんと聞こえてたのかなぁ?
「うー……それにしても蒸し暑いなぁ。なんか飲み物買って来よう……」
パタパタと手で顔を扇ぐも全く効果はない。喉の渇きも覚えたので自販機でドリンクでも買いに行こうと寄り道をする。
『ダブルス1ゲームセット! ウォンバイ7-6聖ルドルフ!』
すると試合コートから審判の声が聞こえた。ダブルス1と言えば麻美の従兄妹の赤澤が出場してるとこだ。
「おーっ! 赤澤勝ったじゃん」
麻美も鼻高々だろうなーって考えながらふらふらと自販機を探し求めたところだった。ザッとあたしの行く道を阻む者が現れる。
「遥みーっけ」
「っ!? キッ、キヨっ!」
その男はあたしの従兄妹である千石清純。まさかの登場に後ずさりしてしまう。
「そうそう君のキヨくんだよ~。良かった、さっきは全然話出来なかったからね」
「……何の用? あ、あたしキヨとは縁を切ったんだから……」
キヨとは目を合わせたくない。目を逸らしながら過去のあれこれを思い出し、ちょっとした恐怖心で胸がバクバクする。あたしのそんな気持ちを知ってか知らずか、キヨはただただにへらっと笑うだけ。
「つれないなぁ。そんな昔のことまだ気にしてるの?」
「誰のせいでっ……もう、いい。あたし急いでるから……」
一刻も早く離れたい。キヨに背を向け、先程来た道を引き返そうした……けど、右手をキヨに掴まれ、逃げるのも阻止される。
「ちょっ……!」
「まぁ、待ってよ。まだ話は終わってないんだから」
「あたしはないんだけどっ?」
「俺にはあるの。ね、来週の都大会さ、俺の応援に来てよ」
「……はぁ? なんでっ?」
「君に来てほしいから。じゃないとこの手は放さないよ」
声色は優しい感じ。だけどあたしは騙されない。そんな話を飲めるものかと手をぶんぶん振って振り解こうとするも全然解放されなかった。それどころか徐々に手を掴む力が強くなる。
奴から放してもらうには嘘でも「行く」と言わなければならない。そんなのは嫌だと思いながらジッと痛いくらいに見つめる真剣な瞳から逃れたくてあたしは渋々と「行くから……」と呟く。
言葉にすると掴まれていた手はすぐに放してもらえた。
「約束だよ。絶対に……絶っ対に来てね。もちろん、俺に顔を見せてよ」
切なげな笑顔を見せたキヨに戸惑った。なんで君がそんな顔をするのか。これではあたしが悪者みたいじゃないか。
そう言いたかった言葉を飲み込み、本当に奴の言う通りにするかは別として、今はキヨを安心させる言葉を言うしかない気がした。
「……行くから。それじゃあ」
「ん」
少しだけ、ほんの少しだけ笑みを見せた。ひとまずその場から逃げたくてキヨの元を走り去る。後ろ姿を見られてるのかは分からないけど、振り返りたくはなかったのであたしはただただそこから逃げるのに必死だった。
「うー……それにしても蒸し暑いなぁ。なんか飲み物買って来よう……」
パタパタと手で顔を扇ぐも全く効果はない。喉の渇きも覚えたので自販機でドリンクでも買いに行こうと寄り道をする。
『ダブルス1ゲームセット! ウォンバイ7-6聖ルドルフ!』
すると試合コートから審判の声が聞こえた。ダブルス1と言えば麻美の従兄妹の赤澤が出場してるとこだ。
「おーっ! 赤澤勝ったじゃん」
麻美も鼻高々だろうなーって考えながらふらふらと自販機を探し求めたところだった。ザッとあたしの行く道を阻む者が現れる。
「遥みーっけ」
「っ!? キッ、キヨっ!」
その男はあたしの従兄妹である千石清純。まさかの登場に後ずさりしてしまう。
「そうそう君のキヨくんだよ~。良かった、さっきは全然話出来なかったからね」
「……何の用? あ、あたしキヨとは縁を切ったんだから……」
キヨとは目を合わせたくない。目を逸らしながら過去のあれこれを思い出し、ちょっとした恐怖心で胸がバクバクする。あたしのそんな気持ちを知ってか知らずか、キヨはただただにへらっと笑うだけ。
「つれないなぁ。そんな昔のことまだ気にしてるの?」
「誰のせいでっ……もう、いい。あたし急いでるから……」
一刻も早く離れたい。キヨに背を向け、先程来た道を引き返そうした……けど、右手をキヨに掴まれ、逃げるのも阻止される。
「ちょっ……!」
「まぁ、待ってよ。まだ話は終わってないんだから」
「あたしはないんだけどっ?」
「俺にはあるの。ね、来週の都大会さ、俺の応援に来てよ」
「……はぁ? なんでっ?」
「君に来てほしいから。じゃないとこの手は放さないよ」
声色は優しい感じ。だけどあたしは騙されない。そんな話を飲めるものかと手をぶんぶん振って振り解こうとするも全然解放されなかった。それどころか徐々に手を掴む力が強くなる。
奴から放してもらうには嘘でも「行く」と言わなければならない。そんなのは嫌だと思いながらジッと痛いくらいに見つめる真剣な瞳から逃れたくてあたしは渋々と「行くから……」と呟く。
言葉にすると掴まれていた手はすぐに放してもらえた。
「約束だよ。絶対に……絶っ対に来てね。もちろん、俺に顔を見せてよ」
切なげな笑顔を見せたキヨに戸惑った。なんで君がそんな顔をするのか。これではあたしが悪者みたいじゃないか。
そう言いたかった言葉を飲み込み、本当に奴の言う通りにするかは別として、今はキヨを安心させる言葉を言うしかない気がした。
「……行くから。それじゃあ」
「ん」
少しだけ、ほんの少しだけ笑みを見せた。ひとまずその場から逃げたくてキヨの元を走り去る。後ろ姿を見られてるのかは分からないけど、振り返りたくはなかったのであたしはただただそこから逃げるのに必死だった。