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第12話『都大会準々決勝観戦』
主人公名前変換
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私の幼い頃からあいつが、赤澤吉朗が苦手だ。無駄に世話焼きで明るくて、すぐにこちらに関わろうとする。まるで秋と遥を足したような厄介な存在。
頭が、体が、私の五感全てが奴を拒絶しろと言ってる。だからなのか、あの二人に対しても関わりたくない気持ちが強かった。
私が生まれる前、両親は東京で暮らしていたらしく、私が生まれたら氷帝に入学させたいなんて言っていたらしい。
だが、運が悪かったのか父の転勤が決まってしまい神奈川に移住した。母の友達が家の近くに住んでいたこともあり、物心がついた時には真田家でよく遊んでいた。
それと同時に従兄妹の存在も知り、夏休み、正月、という行事がある時にはよく東京の親族達と集まっていた。
しかし私にとって弦一郎の居ないその場所はつまらないもの。親族同士で話が盛り上がっているその隅でボーッと座っているしか出来なかった。その時、奴が私の前に現れたんだ。
「お前、名前なんて言うんだ?」
「?」
吉朗が話しかけてきた。
「名前だよ、名前」
「赤宮麻美……だけど」
「麻美だな。俺は赤澤吉朗だ!」
「吉朗……」
「よしっ。麻美っ。今から遊ぼうぜ!」
何故、吉朗は私を誘ったのか。私だけじゃなく他にも同じ年代の奴もいたのにどうして私に話しかけたのか。それは昔も今も分からないまま。まぁ、予想は出来る。一人だから声をかけた、とかなのだろう。
だが、誘われるがまま一緒に遊んでみるが、弦一郎とは違って慌ただしくて激しい奴で私の苦手なタイプだって分かった。
始終笑顔でいたり、周りを盛り上げたり、その頃は吉朗のような人間と関わったことがないので戸惑いばかりだった。
何年経っても私が吉朗に対する苦手意識はなくなることはないし、吉朗と会う度に奴は私を一人にさせてはくれなかった。
「吉朗はなんで私を一人にしないわけ?」
だから過去に一度聞いてみた。けど、奴の答えはやはり奴らしかった。
「一人ってつまんねーだろ」
少なからずその時の私にとってはむず痒い言葉だった。はっきりと言われるからこそ受け入れたくないとも言える。
だから尚のこと吉朗の苦手さが増したのだ。ずっと笑顔でいる奴の顔も人に好かれやすい性格も私にはないものだから。眩しくてむしろ暑苦しいくらいなんだよ。
その昔、都合のいい時だけ纏わりつく友人だった奴らの方がいい距離感ではあった。
結局、私と弦一郎を奴らの娯楽として利用されたあの日以来、吉朗にも冷たく当たるようになった。それこそ最初は何があったんだと言わんばかりの顔をしていたが、それでも顔を合わせる度に話しかける行為はなくならない。
なんでだよ。少しは態度変えろよと思うもののそれも慣れてしまった。
この前会った時もそうだ。昔とちっとも変わらない接し方、話し方。それだけじゃなく友達が出来たことを凄く喜んでいた。……別に私はダチとは認めてないけど。面倒だからそういうふうに見せてるだけだ。
「ねぇ、麻美。赤澤くんとは仲良くしないの?」
都大会準々決勝を控えたルドルフの所に行こうと変に積極的な秋に言われるがまま、そこへ向かう途中のこと。突然秋にプライベートなことを尋ねられた。
「何その質問?」
「だって赤澤くんってとても気さくで誰に対しても態度が変わらない感じだったからどうして麻美が彼のことを邪険にするのか分からなくて」
「別に。鬱陶しいだけだ」
「でも赤澤くんは麻美のこと大事にしてくれるみたいだから少し歩み寄ってほしいなって思うの」
何故こいつが吉朗と私の仲を取り持とうとするのかは分からないが、口出しされたくないことなのは確かだ。
「それに鬱陶しいだけが理由なら麻美も私と遥に対して最初は同じことを思ってたんでしょ? 今はこうして一緒にいてくれるし、それならもう少し彼とも打ち解けると思うから。せっかく優しくしてくれる相手を突き放すのは勿体ないと思うよ」
おそらく秋は純粋な親切心で言ってるのだろう。だが私からすればそれは余計なお世話でしかない。別にこちらは奴とは歩み寄るつもりはない。
「どうするかは私が決める」
「そっかぁ……」
「ねーねー、さっきから何の話ー?」
吉朗と実際会っていない遥が会話の流れが読めなくて首を傾げる。私から説明する気はないからそのまま無視をしていたら秋が奴に説明をしていた。
すると遥は「ふむふむ」と頷く。
「麻美ってば照れてるのだな!」
「何故そういう考えに至った?」
カチンとしたのでくだらないことを口にするその唇を強く挟んで言葉を発することを止めた。
「んむむむむむ~~!!」
「麻美、落ち着いてっ! 遥も麻美と赤澤くんが仲良くしたらいいなって思っただけなんだよっ」
「いちいちプライベートに突っ込んでくるなっ。そもそもあんたも従兄妹と仲良くしろって言われたらするのかっ?」
「ぶはっ! うぐぐ、痛い所を突かれた……」
二枚貝を解放すると遥は口元を押さえながら冷や汗を流す。こいつの態度から察して、私よりも従兄妹と仲が良くないのだろう。言い返す言葉はなかった。
それ以上、秋も遥も吉朗についてとやかく言うことはなく、そのままルドルフのいるコートを目指す。……そもそもルドルフに行くのもこっちとしては気が進まないんだからついて行ってやってるだけでも有難く思うべきだろ。
頭が、体が、私の五感全てが奴を拒絶しろと言ってる。だからなのか、あの二人に対しても関わりたくない気持ちが強かった。
私が生まれる前、両親は東京で暮らしていたらしく、私が生まれたら氷帝に入学させたいなんて言っていたらしい。
だが、運が悪かったのか父の転勤が決まってしまい神奈川に移住した。母の友達が家の近くに住んでいたこともあり、物心がついた時には真田家でよく遊んでいた。
それと同時に従兄妹の存在も知り、夏休み、正月、という行事がある時にはよく東京の親族達と集まっていた。
しかし私にとって弦一郎の居ないその場所はつまらないもの。親族同士で話が盛り上がっているその隅でボーッと座っているしか出来なかった。その時、奴が私の前に現れたんだ。
「お前、名前なんて言うんだ?」
「?」
吉朗が話しかけてきた。
「名前だよ、名前」
「赤宮麻美……だけど」
「麻美だな。俺は赤澤吉朗だ!」
「吉朗……」
「よしっ。麻美っ。今から遊ぼうぜ!」
何故、吉朗は私を誘ったのか。私だけじゃなく他にも同じ年代の奴もいたのにどうして私に話しかけたのか。それは昔も今も分からないまま。まぁ、予想は出来る。一人だから声をかけた、とかなのだろう。
だが、誘われるがまま一緒に遊んでみるが、弦一郎とは違って慌ただしくて激しい奴で私の苦手なタイプだって分かった。
始終笑顔でいたり、周りを盛り上げたり、その頃は吉朗のような人間と関わったことがないので戸惑いばかりだった。
何年経っても私が吉朗に対する苦手意識はなくなることはないし、吉朗と会う度に奴は私を一人にさせてはくれなかった。
「吉朗はなんで私を一人にしないわけ?」
だから過去に一度聞いてみた。けど、奴の答えはやはり奴らしかった。
「一人ってつまんねーだろ」
少なからずその時の私にとってはむず痒い言葉だった。はっきりと言われるからこそ受け入れたくないとも言える。
だから尚のこと吉朗の苦手さが増したのだ。ずっと笑顔でいる奴の顔も人に好かれやすい性格も私にはないものだから。眩しくてむしろ暑苦しいくらいなんだよ。
その昔、都合のいい時だけ纏わりつく友人だった奴らの方がいい距離感ではあった。
結局、私と弦一郎を奴らの娯楽として利用されたあの日以来、吉朗にも冷たく当たるようになった。それこそ最初は何があったんだと言わんばかりの顔をしていたが、それでも顔を合わせる度に話しかける行為はなくならない。
なんでだよ。少しは態度変えろよと思うもののそれも慣れてしまった。
この前会った時もそうだ。昔とちっとも変わらない接し方、話し方。それだけじゃなく友達が出来たことを凄く喜んでいた。……別に私はダチとは認めてないけど。面倒だからそういうふうに見せてるだけだ。
「ねぇ、麻美。赤澤くんとは仲良くしないの?」
都大会準々決勝を控えたルドルフの所に行こうと変に積極的な秋に言われるがまま、そこへ向かう途中のこと。突然秋にプライベートなことを尋ねられた。
「何その質問?」
「だって赤澤くんってとても気さくで誰に対しても態度が変わらない感じだったからどうして麻美が彼のことを邪険にするのか分からなくて」
「別に。鬱陶しいだけだ」
「でも赤澤くんは麻美のこと大事にしてくれるみたいだから少し歩み寄ってほしいなって思うの」
何故こいつが吉朗と私の仲を取り持とうとするのかは分からないが、口出しされたくないことなのは確かだ。
「それに鬱陶しいだけが理由なら麻美も私と遥に対して最初は同じことを思ってたんでしょ? 今はこうして一緒にいてくれるし、それならもう少し彼とも打ち解けると思うから。せっかく優しくしてくれる相手を突き放すのは勿体ないと思うよ」
おそらく秋は純粋な親切心で言ってるのだろう。だが私からすればそれは余計なお世話でしかない。別にこちらは奴とは歩み寄るつもりはない。
「どうするかは私が決める」
「そっかぁ……」
「ねーねー、さっきから何の話ー?」
吉朗と実際会っていない遥が会話の流れが読めなくて首を傾げる。私から説明する気はないからそのまま無視をしていたら秋が奴に説明をしていた。
すると遥は「ふむふむ」と頷く。
「麻美ってば照れてるのだな!」
「何故そういう考えに至った?」
カチンとしたのでくだらないことを口にするその唇を強く挟んで言葉を発することを止めた。
「んむむむむむ~~!!」
「麻美、落ち着いてっ! 遥も麻美と赤澤くんが仲良くしたらいいなって思っただけなんだよっ」
「いちいちプライベートに突っ込んでくるなっ。そもそもあんたも従兄妹と仲良くしろって言われたらするのかっ?」
「ぶはっ! うぐぐ、痛い所を突かれた……」
二枚貝を解放すると遥は口元を押さえながら冷や汗を流す。こいつの態度から察して、私よりも従兄妹と仲が良くないのだろう。言い返す言葉はなかった。
それ以上、秋も遥も吉朗についてとやかく言うことはなく、そのままルドルフのいるコートを目指す。……そもそもルドルフに行くのもこっちとしては気が進まないんだからついて行ってやってるだけでも有難く思うべきだろ。