自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第11話『都大会での再会を果たす』
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「秋遅ーいっ」
待ち合わせであるベンチにはすでに遥と麻美が座って秋を待っていた。
「あいつが遅れるなんて珍しいな」
「何だよ何だよー。せっかく早起きして遅刻もしなかったのにさー」
「あ、二人ともごめんね! 待った?」
遥が唇を尖らせているとバタバタという足音が聞こえ、遥達が待っていた人物が少し息を切らせてやって来た。
「さっき来たところだ」
「あたし、今日は遅れなかったよ!」
「そうだね。今日は私が少し遅れちゃったみたい」
「……どっか行ってたわけ?」
「本当は二人より早くに着いちゃったんだけど、待ち合わせの時間まで青学の試合を観てたの」
すぐそこのコートで、と指を差す秋。青学という言葉に反応した遥が尋ねた。
「青学って勝ってるの?」
「うん。順調みたいだよ」
「一応テニスの名門校っつー話だし、これくらい楽勝だろ」
(赤也が注目してた手塚がいるから強いんだろーなぁ……)
「あ、それじゃあ早速ルドルフの応援に行こっか。今なら日々野第五中との試合が始まるみたいだよ」
ルドルフが試合するコートに向かおうとする秋に遥は「ちょっと待って」と言って、まるで授業中に手を挙げる生徒みたいにビシッと手を伸ばしていた。
「その前に不動峰を見てみたいっ!」
「不動峰だと?」
「だって麻美は実際に試合を見たからいいけど、あたしと秋はどんな選手かも分かんないし、せっかくだから一度は見たいもん。だって無名校だったのに凄かったんっしょ?」
「……確かに、私も不動峰中の人達は気になるかな。青学には負けちゃったけど九鬼くん達には勝ったから実力は凄いと思うよ」
「ねっねっ。いいっしょ?」
秋から許可を貰おうと一気に顔を近づけ、彼女に詰め寄る遥。秋は「近い、近い」と後退りをしながら両手を遥に向けてガードする。
「私は構わないよ。でも、麻美の意見も聞かなきゃ」
麻美がOKを出したら不動峰の試合を観戦することが出来る。そう思った遥が今度は麻美に顔を向けた。
「麻美っ。不動峰の試合行こうよ!」
「まぁ、いいけど。どうせ敵情視察も兼ねてるし」
「思いのほかあっさりで遥さんびっくりだけど、よっしゃ!」
意外にもすんなりと許した麻美の返事に秋がもう一度確認として「本当に大丈夫?」と麻美に聞いた。麻美は躊躇うことなく頷き返す。
元々麻美は従兄妹の赤澤の応援をするのは乗り気ではなかったため、応援するくらいなら敵の情報を得ることが一番という思考であった。
「ねーねー、因みに麻美から見た不動峰ってどんな感じ?」
「……」
遥の問いに麻美は目線を下へ、顎に指を添えて暫く黙り込む。そして不動峰と会った時のことを思い出して印象深かったのは何だったのかを考えた。
「……黒い、それだけだ」
「黒?」
(性格が……?)
何が黒いのか麻美は語ることなく話を終えた。秋はもしかして性格のことなのかと身構えてしまう。
こうして三人は大澤実業と対戦する不動峰の試合を観に行くことになった。
不動峰が試合するコートを見つけるのはそんなに時間はかからず、むしろ他校生から沸き上がる驚きの声ですぐに見つかったのだ。
「おーっ! 黒いジャージだ!」
(あ、黒いってジャージのことなんだ)
まるでダークホースというのをジャージで表したかのような黒いユニフォームを見て、秋は麻美の言葉の意味をようやく理解して胸を撫で下ろした。
「私から見れば暑苦しいけどな」
フェンスを通して試合の様子を見る三人。どうやら不動峰は神尾と伊武のダブルスで試合に出場しているようだが、その表情は余裕といったところだ。
そして試合結果は不動峰の勝利となる。都大会初出場にして四回戦の大澤実業中も突破した不動峰に他校生の騒ぎは大きく広まっていった。
待ち合わせであるベンチにはすでに遥と麻美が座って秋を待っていた。
「あいつが遅れるなんて珍しいな」
「何だよ何だよー。せっかく早起きして遅刻もしなかったのにさー」
「あ、二人ともごめんね! 待った?」
遥が唇を尖らせているとバタバタという足音が聞こえ、遥達が待っていた人物が少し息を切らせてやって来た。
「さっき来たところだ」
「あたし、今日は遅れなかったよ!」
「そうだね。今日は私が少し遅れちゃったみたい」
「……どっか行ってたわけ?」
「本当は二人より早くに着いちゃったんだけど、待ち合わせの時間まで青学の試合を観てたの」
すぐそこのコートで、と指を差す秋。青学という言葉に反応した遥が尋ねた。
「青学って勝ってるの?」
「うん。順調みたいだよ」
「一応テニスの名門校っつー話だし、これくらい楽勝だろ」
(赤也が注目してた手塚がいるから強いんだろーなぁ……)
「あ、それじゃあ早速ルドルフの応援に行こっか。今なら日々野第五中との試合が始まるみたいだよ」
ルドルフが試合するコートに向かおうとする秋に遥は「ちょっと待って」と言って、まるで授業中に手を挙げる生徒みたいにビシッと手を伸ばしていた。
「その前に不動峰を見てみたいっ!」
「不動峰だと?」
「だって麻美は実際に試合を見たからいいけど、あたしと秋はどんな選手かも分かんないし、せっかくだから一度は見たいもん。だって無名校だったのに凄かったんっしょ?」
「……確かに、私も不動峰中の人達は気になるかな。青学には負けちゃったけど九鬼くん達には勝ったから実力は凄いと思うよ」
「ねっねっ。いいっしょ?」
秋から許可を貰おうと一気に顔を近づけ、彼女に詰め寄る遥。秋は「近い、近い」と後退りをしながら両手を遥に向けてガードする。
「私は構わないよ。でも、麻美の意見も聞かなきゃ」
麻美がOKを出したら不動峰の試合を観戦することが出来る。そう思った遥が今度は麻美に顔を向けた。
「麻美っ。不動峰の試合行こうよ!」
「まぁ、いいけど。どうせ敵情視察も兼ねてるし」
「思いのほかあっさりで遥さんびっくりだけど、よっしゃ!」
意外にもすんなりと許した麻美の返事に秋がもう一度確認として「本当に大丈夫?」と麻美に聞いた。麻美は躊躇うことなく頷き返す。
元々麻美は従兄妹の赤澤の応援をするのは乗り気ではなかったため、応援するくらいなら敵の情報を得ることが一番という思考であった。
「ねーねー、因みに麻美から見た不動峰ってどんな感じ?」
「……」
遥の問いに麻美は目線を下へ、顎に指を添えて暫く黙り込む。そして不動峰と会った時のことを思い出して印象深かったのは何だったのかを考えた。
「……黒い、それだけだ」
「黒?」
(性格が……?)
何が黒いのか麻美は語ることなく話を終えた。秋はもしかして性格のことなのかと身構えてしまう。
こうして三人は大澤実業と対戦する不動峰の試合を観に行くことになった。
不動峰が試合するコートを見つけるのはそんなに時間はかからず、むしろ他校生から沸き上がる驚きの声ですぐに見つかったのだ。
「おーっ! 黒いジャージだ!」
(あ、黒いってジャージのことなんだ)
まるでダークホースというのをジャージで表したかのような黒いユニフォームを見て、秋は麻美の言葉の意味をようやく理解して胸を撫で下ろした。
「私から見れば暑苦しいけどな」
フェンスを通して試合の様子を見る三人。どうやら不動峰は神尾と伊武のダブルスで試合に出場しているようだが、その表情は余裕といったところだ。
そして試合結果は不動峰の勝利となる。都大会初出場にして四回戦の大澤実業中も突破した不動峰に他校生の騒ぎは大きく広まっていった。