自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第11話『都大会での再会を果たす』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「早く着きすぎちゃったかな……」
都大会試合会場。今日は現地集合ということで入り口すぐのベンチに腰かけた秋は麻美と遥が来るのを待っていた。
だが、思いのほか早くに到着してしまった。待ち合わせ時間の30分も前である。そのため秋は少し暇をもて余していた。
「……少しだけ試合を観てみようかな」
すでに試合は始まっている。どうせ時間を潰すのなら試合を観た方がいい。そう思った秋は立ち上がって、試合をしてるテニスコートを覗くことにした。
「ん?」
とあるコートの近くを通りかかると、観戦している他校の選手達がざわついてることに気がつき、秋は何だろうと思って近づく。
どうやら試合をしている学校が秋の知っている学校だったため、足を止めた。
(あ。このジャージは青学だ)
フェンス周りは青学指定のジャージを着た者や体操服姿の1年生と思われる面々が秋の目に入った。そして青学のレギュラーしか着れないレギュラージャージを着た者も何人かいる様子。
「あれ? 君は確か……」
「はい?」
後ろから聞こえた声に秋は振り返る。するとそこに立っていたのは以前偵察で青学を訪問した際に秋と少し会話をした男、不二周助であった。
「あっ! あなたはこの間の……」
「不二周助だよ」
「不二くん、だね。この前はタオルを貸してくれたり、質問に答えたりしてくれてありがとうございました」
「いいよ、あれくらい。むしろこっちに非があるんだし。……確か君は手塚の従兄妹……だったよね?」
「あ、はい。九条秋です」
ペコッと頭を下げる秋に不二は微笑んだまま彼女に尋ねた。
「君もコートに立つ彼の応援に来たの?」
「彼……?」
今、コートに立ってるのは誰だろうと秋は試合が行われているコートへ目を向ける。そこでは自分の従兄妹の手塚国光が鎌田中の選手と試合をしていた。
「国、光……? 国光ってレギュラーだったんだね」
「レギュラーだけじゃなく、僕達青学を引っ張る部長だよ」
「えっ?」
不二の言葉に秋は目を丸くさせた。手塚がテニス部に入部しているのは知っていたが、まさか青学のレギュラーで部長だと知らなかったため、目の前の光景が信じられなかった。
「知らなかったのかい? 手塚は全国区プレーヤーなんだよ」
「……あまり話をする機会がなかったから……」
「じゃあ、見ておくといい。まぁ、手塚の強さはこんなものじゃないけどね」
「……」
フェンスを掴んで、手塚のプレイをジッと見つめる。手塚がサーブを打つと、その強烈なスピードに相手選手は触れることすら出来ず、ノータッチエースを決めていた。
国光って……こんなに強かったんだ……。そう思わせるような動きである。
そして気がつけば手塚の試合はあっという間に終わってしまった。
圧倒的な強さは秋を呆然とさせるには充分な試合で言葉さえも失ってしまう。そんな秋の様子にクスッと小さく笑う不二が声をかけた。
「どうだった?」
「……びっくり、しました」
「初めて見るならそうだろうね。……手塚と話していくかい?」
「あ、えっと……そうしたいけど、もうすぐ友達と待ち合わせの時間になるので、また時間がある時に話していきます」
腕時計を見れば、約束の時間までそんなになかった。それだけ従兄妹の試合を見るのに熱中してしまったということだ。
「もう帰るの?」
「いえ、友達の従兄妹がこの大会に出てるみたいだから応援に」
もちろん、敵情視察については口にしない。
「へぇ。どこの学校かな」
「確か……聖ルドルフだって聞きました」
「ルドルフ……?」
一瞬だけだったが不二の表情が少し変わった。秋は知ってる学校かな? と思いつつあまり深くは聞かないことにする。
「不二せんぱ~い! もうみんな次のコートへ移動しちゃいましたよ」
するとレギュラージャージを着た不二の後輩だと思われる青学の部員が不二に声をかけた。
気づけば周りで応援していた者達も次のコートに向かっているので辺りに青学の生徒はあまりいなかった。
「あ、ごめん桃。すぐ行くよ」
「はいっ! ……えーと、先輩の知り合いッスか?」
桃と呼ばれる男は秋の存在に気づき、一瞥したあと不二に尋ねた。
「彼女、手塚の従兄妹なんだって」
「あっ! この間、英二先輩が言ってた部長の従兄妹ってこの人のことなんすか?」
「そうだよ」
どうやら知らない間に自分のことが他の部員にも知れ渡っているらしく、これはあまり深入りしちゃうと偵察だと疑われそうなので気をつけなければいけない。
「そんじゃあ、一応自己紹介。俺は青学2年の桃城武。よろしくッス」
「私は立海大附属中3年の九条秋です」
互いに自己紹介をしたあと、桃城は立海と聞いてぴくりと反応する。
確か前にも立海の女子が二人ほど見たな、と。神尾の知り合いらしい女子が一人と、その前には切原と共にいた女子が一人。
あいつらとは関係があるのか? と思わずにはいられなかった。
「あ。それじゃあ約束があるからここで失礼します」
「またね、九条さん」
桃城が少し訝しそうにしていることに気づかない秋は丁寧に頭を下げて、待ち合わせのベンチの場所へ小走りで向かった。
都大会試合会場。今日は現地集合ということで入り口すぐのベンチに腰かけた秋は麻美と遥が来るのを待っていた。
だが、思いのほか早くに到着してしまった。待ち合わせ時間の30分も前である。そのため秋は少し暇をもて余していた。
「……少しだけ試合を観てみようかな」
すでに試合は始まっている。どうせ時間を潰すのなら試合を観た方がいい。そう思った秋は立ち上がって、試合をしてるテニスコートを覗くことにした。
「ん?」
とあるコートの近くを通りかかると、観戦している他校の選手達がざわついてることに気がつき、秋は何だろうと思って近づく。
どうやら試合をしている学校が秋の知っている学校だったため、足を止めた。
(あ。このジャージは青学だ)
フェンス周りは青学指定のジャージを着た者や体操服姿の1年生と思われる面々が秋の目に入った。そして青学のレギュラーしか着れないレギュラージャージを着た者も何人かいる様子。
「あれ? 君は確か……」
「はい?」
後ろから聞こえた声に秋は振り返る。するとそこに立っていたのは以前偵察で青学を訪問した際に秋と少し会話をした男、不二周助であった。
「あっ! あなたはこの間の……」
「不二周助だよ」
「不二くん、だね。この前はタオルを貸してくれたり、質問に答えたりしてくれてありがとうございました」
「いいよ、あれくらい。むしろこっちに非があるんだし。……確か君は手塚の従兄妹……だったよね?」
「あ、はい。九条秋です」
ペコッと頭を下げる秋に不二は微笑んだまま彼女に尋ねた。
「君もコートに立つ彼の応援に来たの?」
「彼……?」
今、コートに立ってるのは誰だろうと秋は試合が行われているコートへ目を向ける。そこでは自分の従兄妹の手塚国光が鎌田中の選手と試合をしていた。
「国、光……? 国光ってレギュラーだったんだね」
「レギュラーだけじゃなく、僕達青学を引っ張る部長だよ」
「えっ?」
不二の言葉に秋は目を丸くさせた。手塚がテニス部に入部しているのは知っていたが、まさか青学のレギュラーで部長だと知らなかったため、目の前の光景が信じられなかった。
「知らなかったのかい? 手塚は全国区プレーヤーなんだよ」
「……あまり話をする機会がなかったから……」
「じゃあ、見ておくといい。まぁ、手塚の強さはこんなものじゃないけどね」
「……」
フェンスを掴んで、手塚のプレイをジッと見つめる。手塚がサーブを打つと、その強烈なスピードに相手選手は触れることすら出来ず、ノータッチエースを決めていた。
国光って……こんなに強かったんだ……。そう思わせるような動きである。
そして気がつけば手塚の試合はあっという間に終わってしまった。
圧倒的な強さは秋を呆然とさせるには充分な試合で言葉さえも失ってしまう。そんな秋の様子にクスッと小さく笑う不二が声をかけた。
「どうだった?」
「……びっくり、しました」
「初めて見るならそうだろうね。……手塚と話していくかい?」
「あ、えっと……そうしたいけど、もうすぐ友達と待ち合わせの時間になるので、また時間がある時に話していきます」
腕時計を見れば、約束の時間までそんなになかった。それだけ従兄妹の試合を見るのに熱中してしまったということだ。
「もう帰るの?」
「いえ、友達の従兄妹がこの大会に出てるみたいだから応援に」
もちろん、敵情視察については口にしない。
「へぇ。どこの学校かな」
「確か……聖ルドルフだって聞きました」
「ルドルフ……?」
一瞬だけだったが不二の表情が少し変わった。秋は知ってる学校かな? と思いつつあまり深くは聞かないことにする。
「不二せんぱ~い! もうみんな次のコートへ移動しちゃいましたよ」
するとレギュラージャージを着た不二の後輩だと思われる青学の部員が不二に声をかけた。
気づけば周りで応援していた者達も次のコートに向かっているので辺りに青学の生徒はあまりいなかった。
「あ、ごめん桃。すぐ行くよ」
「はいっ! ……えーと、先輩の知り合いッスか?」
桃と呼ばれる男は秋の存在に気づき、一瞥したあと不二に尋ねた。
「彼女、手塚の従兄妹なんだって」
「あっ! この間、英二先輩が言ってた部長の従兄妹ってこの人のことなんすか?」
「そうだよ」
どうやら知らない間に自分のことが他の部員にも知れ渡っているらしく、これはあまり深入りしちゃうと偵察だと疑われそうなので気をつけなければいけない。
「そんじゃあ、一応自己紹介。俺は青学2年の桃城武。よろしくッス」
「私は立海大附属中3年の九条秋です」
互いに自己紹介をしたあと、桃城は立海と聞いてぴくりと反応する。
確か前にも立海の女子が二人ほど見たな、と。神尾の知り合いらしい女子が一人と、その前には切原と共にいた女子が一人。
あいつらとは関係があるのか? と思わずにはいられなかった。
「あ。それじゃあ約束があるからここで失礼します」
「またね、九条さん」
桃城が少し訝しそうにしていることに気づかない秋は丁寧に頭を下げて、待ち合わせのベンチの場所へ小走りで向かった。