自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
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コンコン。病室をノックする音が聞こえたので「はい」と返事をすると扉が開かれた。
「こんにちは、幸村くん」
クラスメイトの九条さんだ。彼女が来るということは学校の配布物だろう。
「やぁ、九条さん。プリントを届けに来てくれたんだね? いつもありがとう。苦労かける」
「気にしなくていいんだよ。幸村くんとお話も出来るし、私は苦労だなんて思ってないから」
「あはは、やっぱり君は優しいなぁ。ありがとう」
九条さんの人の良さは今に始まったことではない。1年の頃からその真面目さと優しさは普通の人以上の印象であった。うちの部員に負けず賞を取ったりしていたっけ。
2年の頃はさらに目立つような存在になっていた。ボランティアといった奉仕活動には特に積極的だっただろう。
一生懸命で結果を残す彼女は評価され、副生徒会長に任命された時は何だか俺も嬉しくなったのを覚えている。
そんな彼女と実際に会話をしたのは2年の頃だろうか。学校の花壇で話をして九条さんと顔馴染みになった。とてもいい子で穏やかだったと感じていたものだ。
まぁ、まさか3年に進級する前に倒れるとは思わなかったけど。幸か不幸か、九条さんと同じクラスになったのに入院生活では意味がない。
でも、こうしてプリント類を届けてくれるのを楽しみにしている自分がいる。おかげで会話する機会が増えたのだから。
「最近はどうかな? 不便なことはないかい?」
「うん。大丈夫だよ。あ、そういえば今日真田くんがね、私を騙してマネージャーにしたことを謝罪されたの」
おのれ真田め。いや、こうなることはすでに蓮二と話して予想はしていた。あの堅物で曲がったことが大嫌いな真田のことだ。ずっと隠し通すことなんて出来るわけがないと。
もちろん、九条さんがそれを許すことも想定している。
「そうか、バレちゃったか。それなら白状するよ。ごめんね、九条さん。悪気はないんだけど、どうしても君の力を借りたくてさ。気を悪くさせちゃったね……」
「真田くんにも言ったけど私の力を必要としてくれたのは嬉しいから気にしないで。確かに普通に勧誘されても気が引けてたかもしれないし」
予想していたとはいえ本当に騙したことさえ受け入れるなんて人が良すぎてちょっと心配になるレベルだ。彼女の良心につけ込んだ俺が言うのもあれだけどね。
「でも、幸村くんの頼みなら引き受けたかもしれないかな。逆に手の込んだことをさせてごめんね」
九条さんを引き込むためならむしろ惜しまないかな、とはさすがに言えないか。
「謝罪をするのはこっちの方なのにおかしな話だな。でも、俺としては安心したよ。嫌な気持ちにさせるようなことをしたんだから」
「何だかんだ楽しませてもらってるからかな。友達も出来て嬉しいし、全国制覇を目指すみんなのために何か出来ることがあるだけでも頑張りがいがあるからね」
その言葉に偽りがないような笑みを溢れさせる彼女を見て俺のいない部活を楽しんでいるのがちょっと複雑に思えた。
「友達だけ? 好きな人はいないの?」
だから少しからかってみようかな、そう思ったのがいけなかったのか、にっこり笑って問いかけた。焦って否定するかなと思って。
「そ、それは……どうだろう……」
カーッと紅潮する頬までは予想通りだったのに、その様子と意味深なその言葉は言うまでもなく全てを語ってるように思える。
そんな知りたくなかったような知りたかったような彼女の心情を垣間見えた俺は「え……?」と戸惑いの声を上げることしか出来なかった。
「こんにちは、幸村くん」
クラスメイトの九条さんだ。彼女が来るということは学校の配布物だろう。
「やぁ、九条さん。プリントを届けに来てくれたんだね? いつもありがとう。苦労かける」
「気にしなくていいんだよ。幸村くんとお話も出来るし、私は苦労だなんて思ってないから」
「あはは、やっぱり君は優しいなぁ。ありがとう」
九条さんの人の良さは今に始まったことではない。1年の頃からその真面目さと優しさは普通の人以上の印象であった。うちの部員に負けず賞を取ったりしていたっけ。
2年の頃はさらに目立つような存在になっていた。ボランティアといった奉仕活動には特に積極的だっただろう。
一生懸命で結果を残す彼女は評価され、副生徒会長に任命された時は何だか俺も嬉しくなったのを覚えている。
そんな彼女と実際に会話をしたのは2年の頃だろうか。学校の花壇で話をして九条さんと顔馴染みになった。とてもいい子で穏やかだったと感じていたものだ。
まぁ、まさか3年に進級する前に倒れるとは思わなかったけど。幸か不幸か、九条さんと同じクラスになったのに入院生活では意味がない。
でも、こうしてプリント類を届けてくれるのを楽しみにしている自分がいる。おかげで会話する機会が増えたのだから。
「最近はどうかな? 不便なことはないかい?」
「うん。大丈夫だよ。あ、そういえば今日真田くんがね、私を騙してマネージャーにしたことを謝罪されたの」
おのれ真田め。いや、こうなることはすでに蓮二と話して予想はしていた。あの堅物で曲がったことが大嫌いな真田のことだ。ずっと隠し通すことなんて出来るわけがないと。
もちろん、九条さんがそれを許すことも想定している。
「そうか、バレちゃったか。それなら白状するよ。ごめんね、九条さん。悪気はないんだけど、どうしても君の力を借りたくてさ。気を悪くさせちゃったね……」
「真田くんにも言ったけど私の力を必要としてくれたのは嬉しいから気にしないで。確かに普通に勧誘されても気が引けてたかもしれないし」
予想していたとはいえ本当に騙したことさえ受け入れるなんて人が良すぎてちょっと心配になるレベルだ。彼女の良心につけ込んだ俺が言うのもあれだけどね。
「でも、幸村くんの頼みなら引き受けたかもしれないかな。逆に手の込んだことをさせてごめんね」
九条さんを引き込むためならむしろ惜しまないかな、とはさすがに言えないか。
「謝罪をするのはこっちの方なのにおかしな話だな。でも、俺としては安心したよ。嫌な気持ちにさせるようなことをしたんだから」
「何だかんだ楽しませてもらってるからかな。友達も出来て嬉しいし、全国制覇を目指すみんなのために何か出来ることがあるだけでも頑張りがいがあるからね」
その言葉に偽りがないような笑みを溢れさせる彼女を見て俺のいない部活を楽しんでいるのがちょっと複雑に思えた。
「友達だけ? 好きな人はいないの?」
だから少しからかってみようかな、そう思ったのがいけなかったのか、にっこり笑って問いかけた。焦って否定するかなと思って。
「そ、それは……どうだろう……」
カーッと紅潮する頬までは予想通りだったのに、その様子と意味深なその言葉は言うまでもなく全てを語ってるように思える。
そんな知りたくなかったような知りたかったような彼女の心情を垣間見えた俺は「え……?」と戸惑いの声を上げることしか出来なかった。