自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
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立海のテニス部ってなかなかにスパルタだなぁと思うことが多々ある。何せあたしがマネージャーを勤めて僅かの間に新入生が何名か脱落し、退部していくのだ。
元より厳しいと言われていたから仕方ないのだけど少しの間とはいえ話をして部活の時間を共に過ごした者達が去っていくのはちょっぴり悲しくもあったりする。
そんなスパルタに着いて来れる者の中のさらに一握りの者が強豪メンバーの一員になれるのだろう。狭き門である。
「はぁ……はぁ……疲れたでヤンス~……」
そのため練習後に疲労困憊でぶっ倒れる者も少なくはない。今まさに部活が終わった直後に仰向けで倒れる1年生を見つけたあたしは彼の元へ近づきしゃがみ込んだ。
「やぁやぁ、しい太くん。今日もお疲れだね!」
「ぜぇ、はぁ……」
「なるほど、会話も出来ないほどのようだ」
荒い呼吸を整えようとする浦山しい太に少しだけ待ってあげる。ふと、彼のポケット辺りから飛び出た紙切れに目が行き、それを手に取った。
二つ折りのチラシのようでなんだろうと思いながら開いてみる。どうやら新装開店したソフトクリーム屋さんのようだ。
「あ……それ、オイラので……ヤンス……」
「しい太の? なぜわざわざこれをポケットに……?」
「それ、見て……練習を頑張ろうと……」
ほうほう。好きな子の写真を見て頑張るみたいなものだろうか。
……いや、思春期の少年が好きな子の写真じゃなくソフトクリーム屋さんのチラシで奮起するのもなかなかないものだ。
「先輩は心配だよ……もっと青春しておくれ」
「なんで突然哀れみを向けられたのか分からないでヤンス……」
ようやく呼吸が整ったのか、しい太はゆっくりと身体を起こした。
「おっ、復活が早いね!」
「早く行かないとお店が閉まっちゃうんでヤンス」
「ここのお店? それならあたしも行っていい? 凄く美味しそう」
「ほんとでヤンスか? それなら一緒に行くでヤンス!」
一気に生気を取り戻したと言っても過言ではない彼の眩しい笑顔が振り撒かれる。
よほど嬉しかったのか、その後着替え終えたらすぐに腕を引っ張られ、ダッシュで新店のソフトクリームショップへと向かった。どうやら閉店まで時間がないらしい。
ハードな練習をこなした割にめちゃくちゃ元気じゃん! なんて思いながらも好きな物のためなら仕方ないのかと納得もしてしまった。
そして何とか閉店前にソフトクリーム屋へと到着したあたしとしい太はメニューを見ながら何を食べるか考える。
和歌山産のみかんソフトクリームとか北海道牛乳を使用したミルクソフトクリームとか名産品を使ったソフトクリームが目玉なようだ。
「オイラ、ミルクチョコレートソフトクリームをお願いするでヤンス~」
「じゃあ、あたしはきな粉ソフトクリーム!」
それぞれ好きな物を注文して食べ歩きをしながら帰ることにした。
最近暑くなってきたのでソフトクリームが溶けちゃわないうちに食べないと。
「ん~! 部活後のソフトクリームはやっぱ格別でヤンスね~!」
「ソフトクリームも美味しい季節になったしねぇ」
きな粉のソフトクリームもなかなかに美味しい。追加料金を払えば黒蜜ソースもかけてくれるそうだけど、お財布と相談してやめちゃったのだが、これは追加すべきだったのかもしれない。絶対黒蜜ソースと合うもん。しくった。
隣のしい太を見れば美味しそうに食べているので何だかあっちも美味しそうに見える。
「ね、ね、しい太。ちょっとそっちも食べさせてよ」
「駄目でヤンス! これはオイラのなんで!」
「えー? あたしのも分けるからさぁ」
「こういうのは独り占めがいいんでヤンス~!」
「意外にケチな子だこと!」
いいじゃん一口くらい! なんて言ってもしい太が分けてくれることはなかった。うぅ、今度はあたしがミルクチョコレートソフトクリームを食べるしかないか。
元より厳しいと言われていたから仕方ないのだけど少しの間とはいえ話をして部活の時間を共に過ごした者達が去っていくのはちょっぴり悲しくもあったりする。
そんなスパルタに着いて来れる者の中のさらに一握りの者が強豪メンバーの一員になれるのだろう。狭き門である。
「はぁ……はぁ……疲れたでヤンス~……」
そのため練習後に疲労困憊でぶっ倒れる者も少なくはない。今まさに部活が終わった直後に仰向けで倒れる1年生を見つけたあたしは彼の元へ近づきしゃがみ込んだ。
「やぁやぁ、しい太くん。今日もお疲れだね!」
「ぜぇ、はぁ……」
「なるほど、会話も出来ないほどのようだ」
荒い呼吸を整えようとする浦山しい太に少しだけ待ってあげる。ふと、彼のポケット辺りから飛び出た紙切れに目が行き、それを手に取った。
二つ折りのチラシのようでなんだろうと思いながら開いてみる。どうやら新装開店したソフトクリーム屋さんのようだ。
「あ……それ、オイラので……ヤンス……」
「しい太の? なぜわざわざこれをポケットに……?」
「それ、見て……練習を頑張ろうと……」
ほうほう。好きな子の写真を見て頑張るみたいなものだろうか。
……いや、思春期の少年が好きな子の写真じゃなくソフトクリーム屋さんのチラシで奮起するのもなかなかないものだ。
「先輩は心配だよ……もっと青春しておくれ」
「なんで突然哀れみを向けられたのか分からないでヤンス……」
ようやく呼吸が整ったのか、しい太はゆっくりと身体を起こした。
「おっ、復活が早いね!」
「早く行かないとお店が閉まっちゃうんでヤンス」
「ここのお店? それならあたしも行っていい? 凄く美味しそう」
「ほんとでヤンスか? それなら一緒に行くでヤンス!」
一気に生気を取り戻したと言っても過言ではない彼の眩しい笑顔が振り撒かれる。
よほど嬉しかったのか、その後着替え終えたらすぐに腕を引っ張られ、ダッシュで新店のソフトクリームショップへと向かった。どうやら閉店まで時間がないらしい。
ハードな練習をこなした割にめちゃくちゃ元気じゃん! なんて思いながらも好きな物のためなら仕方ないのかと納得もしてしまった。
そして何とか閉店前にソフトクリーム屋へと到着したあたしとしい太はメニューを見ながら何を食べるか考える。
和歌山産のみかんソフトクリームとか北海道牛乳を使用したミルクソフトクリームとか名産品を使ったソフトクリームが目玉なようだ。
「オイラ、ミルクチョコレートソフトクリームをお願いするでヤンス~」
「じゃあ、あたしはきな粉ソフトクリーム!」
それぞれ好きな物を注文して食べ歩きをしながら帰ることにした。
最近暑くなってきたのでソフトクリームが溶けちゃわないうちに食べないと。
「ん~! 部活後のソフトクリームはやっぱ格別でヤンスね~!」
「ソフトクリームも美味しい季節になったしねぇ」
きな粉のソフトクリームもなかなかに美味しい。追加料金を払えば黒蜜ソースもかけてくれるそうだけど、お財布と相談してやめちゃったのだが、これは追加すべきだったのかもしれない。絶対黒蜜ソースと合うもん。しくった。
隣のしい太を見れば美味しそうに食べているので何だかあっちも美味しそうに見える。
「ね、ね、しい太。ちょっとそっちも食べさせてよ」
「駄目でヤンス! これはオイラのなんで!」
「えー? あたしのも分けるからさぁ」
「こういうのは独り占めがいいんでヤンス~!」
「意外にケチな子だこと!」
いいじゃん一口くらい! なんて言ってもしい太が分けてくれることはなかった。うぅ、今度はあたしがミルクチョコレートソフトクリームを食べるしかないか。