自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
主人公名前変換
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「やべぇやべぇ! もう部活始まってるし!」
授業中にうっかり居眠りをしたせいで先公に呼び出し食らって説教まで受けた可哀想な俺は、とっくに部活が始まってる時間ということに気づいて急いで着替えて部活に向かい走った。
遅れた理由が理由なだけに真田副部長に叱られる未来は変わらねぇ。ちっくしょー……ちょっと寝ちまっただけじゃねーかよ。それなのに年寄りの長ったらしい説教なんて聞かせやがって━━。
「切原ぁ!!」
「うおっ!?」
テニスコートに乗り込もうとした矢先に腕を組む赤宮先輩に見つかってしまい、足を止める。……やべぇ。真田副部長も怖ぇけど、この人もそれなりに怖ぇ。
「赤宮、先輩……」
「部活に遅れてくるとはいい度胸だな」
「いやいや、遅れたくて遅れたんじゃなくて! これには深い事情が!」
「どんな事情だって言うんだ?」
「え、いや、それは……先生に職員室に呼び出されて……」
「どんな理由で?」
「……授業態度について」
「もっと詳しく」
何これ尋問ッスか!? 真田副部長に叱られるのは想定してるけど、この人にまで叱られたらやる気出なくなるって!
「……居眠り、しちまいまして……」
へへっ。と苦笑いしながら答えるが先輩の眉間に皺をが深くなるばかり。
「あんたはいつも弦一郎の迷惑ばかりかけやがって……!」
ほら! やっぱりキレた! このあと真田副部長にも怒られると思うと気分が滅入るのに二度も叱られるのは勘弁してほしい!
何とか……せめて何とかこの場から逃げ出せるような、話を逸らすようなことを思いつかないか! 頑張れ俺の頭脳!
「そ、そういえば赤宮先輩って真田副部長と幼馴染みだって話ッスけど、もしかして副部長のことが好きだったりしますっ?」
投げやりで強引な話の逸らし方だってのは自分でもよく分かってる。分かってるけど、少しでも気を逸らす逃げ道くらい作らねーと俺が怒られっぱなしになっちまうんだっての!
「……あんたはいきなり何を言い出すんだ?」
あ。この話題駄目なやつだ。赤宮先輩の視線が鋭くなった。何ならこの人の背後から猛烈な吹雪が見える幻覚さえ見える。やっべぇ。
「や、だっ、だって、ほら……あの副部長を名前で呼ぶ人物なんでそうそういないし、赤宮先輩も真田副部長には親しげっつーか、心許してるっつーか……」
しどろもどろしながら少なからず思っていたことを口にする。改めて言葉にすると、なんでこの人は真田副部長にだけ態度があんなに違うのか。
いくら昔馴染みとはいえ、周りとの温度差というか壁の薄さが全然違う。あれ? 適当に言ったにしてはこれってもしかして当たってたり……?
「……」
「……?」
返事がない赤宮先輩にびくつきながらその表情を確かめると、何かを耐えるように下唇を噛み締めながら僅かながらその頬が赤らんでることに気がついた。
「へ……?」
……うっそ。マジでビンゴ? あの悪名高い赤宮先輩が? いや、でも辻褄が合うっつーか、そうであっても不思議じゃないくらい副部長にだけは特別感はあったよな。
ただ意外っつーか、人を好きになるんだこの人でもっていう驚きの方が大きいけど。
「っ!」
そんなきょとんとし、多少の混乱に陥る俺の様子を見て先輩が急に手を伸ばした。荒々しく俺の首根っこを掴んでそのままずるずると引きずり始める。
「うわぁ!? ちょっ! 先輩っ!?」
「弦一郎に突き出してやる」
「ええぇぇ!? 勘弁してくださいって!」
つまりそれって二人揃って叱られるやつじゃないスかね!? せめて副部長だけにしてくださいよ! と叫ぶものの、赤宮先輩は全く聞いてくれなくて結局二人揃ってお叱りを受けるはめになってしまった。
授業中にうっかり居眠りをしたせいで先公に呼び出し食らって説教まで受けた可哀想な俺は、とっくに部活が始まってる時間ということに気づいて急いで着替えて部活に向かい走った。
遅れた理由が理由なだけに真田副部長に叱られる未来は変わらねぇ。ちっくしょー……ちょっと寝ちまっただけじゃねーかよ。それなのに年寄りの長ったらしい説教なんて聞かせやがって━━。
「切原ぁ!!」
「うおっ!?」
テニスコートに乗り込もうとした矢先に腕を組む赤宮先輩に見つかってしまい、足を止める。……やべぇ。真田副部長も怖ぇけど、この人もそれなりに怖ぇ。
「赤宮、先輩……」
「部活に遅れてくるとはいい度胸だな」
「いやいや、遅れたくて遅れたんじゃなくて! これには深い事情が!」
「どんな事情だって言うんだ?」
「え、いや、それは……先生に職員室に呼び出されて……」
「どんな理由で?」
「……授業態度について」
「もっと詳しく」
何これ尋問ッスか!? 真田副部長に叱られるのは想定してるけど、この人にまで叱られたらやる気出なくなるって!
「……居眠り、しちまいまして……」
へへっ。と苦笑いしながら答えるが先輩の眉間に皺をが深くなるばかり。
「あんたはいつも弦一郎の迷惑ばかりかけやがって……!」
ほら! やっぱりキレた! このあと真田副部長にも怒られると思うと気分が滅入るのに二度も叱られるのは勘弁してほしい!
何とか……せめて何とかこの場から逃げ出せるような、話を逸らすようなことを思いつかないか! 頑張れ俺の頭脳!
「そ、そういえば赤宮先輩って真田副部長と幼馴染みだって話ッスけど、もしかして副部長のことが好きだったりしますっ?」
投げやりで強引な話の逸らし方だってのは自分でもよく分かってる。分かってるけど、少しでも気を逸らす逃げ道くらい作らねーと俺が怒られっぱなしになっちまうんだっての!
「……あんたはいきなり何を言い出すんだ?」
あ。この話題駄目なやつだ。赤宮先輩の視線が鋭くなった。何ならこの人の背後から猛烈な吹雪が見える幻覚さえ見える。やっべぇ。
「や、だっ、だって、ほら……あの副部長を名前で呼ぶ人物なんでそうそういないし、赤宮先輩も真田副部長には親しげっつーか、心許してるっつーか……」
しどろもどろしながら少なからず思っていたことを口にする。改めて言葉にすると、なんでこの人は真田副部長にだけ態度があんなに違うのか。
いくら昔馴染みとはいえ、周りとの温度差というか壁の薄さが全然違う。あれ? 適当に言ったにしてはこれってもしかして当たってたり……?
「……」
「……?」
返事がない赤宮先輩にびくつきながらその表情を確かめると、何かを耐えるように下唇を噛み締めながら僅かながらその頬が赤らんでることに気がついた。
「へ……?」
……うっそ。マジでビンゴ? あの悪名高い赤宮先輩が? いや、でも辻褄が合うっつーか、そうであっても不思議じゃないくらい副部長にだけは特別感はあったよな。
ただ意外っつーか、人を好きになるんだこの人でもっていう驚きの方が大きいけど。
「っ!」
そんなきょとんとし、多少の混乱に陥る俺の様子を見て先輩が急に手を伸ばした。荒々しく俺の首根っこを掴んでそのままずるずると引きずり始める。
「うわぁ!? ちょっ! 先輩っ!?」
「弦一郎に突き出してやる」
「ええぇぇ!? 勘弁してくださいって!」
つまりそれって二人揃って叱られるやつじゃないスかね!? せめて副部長だけにしてくださいよ! と叫ぶものの、赤宮先輩は全く聞いてくれなくて結局二人揃ってお叱りを受けるはめになってしまった。