自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
主人公名前変換
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「……あたしもテニスしよっかなぁ」
清掃時間のことじゃった。教室の窓を雑巾で拭きながら西成が何やら面白いことというかおかしなことを呟いた。まぁ、こやつの突拍子もない発言は今更ではあるがな。
「なんじゃ面白そうなことを言うてるのぅ?」
箒を肩に乗せて西成に詳しい話を聞いてみる。その言葉に奴はハッとした表情をして振り返った。
「あたし、声に出てた!?」
「ぽつりとな」
「盗み聞きとはよろしくなくってよ!」
「聞こえてしもうたんじゃから俺は悪くないぜよ。しかし珍しいのぅ? おまんが突然テニスをしたいとはな。マネージャーを辞めるんか?」
もし、先の発言の本気度によってはマネージャーを辞めて女テニに転身する恐れがある。せっかく幸村の企みによってバランスの良いはずのマネージャー達が揃ったというのにその均衡が崩れてしまう。
それを阻止するのはレギュラーの暗黙のミッションとも言える。幸村の悲願のために。……いや、それは言い過ぎかの。幸村の欲望のために。
「いや、そこまでではないのだよ」
よし。均衡は保たれた。心配することは何もないな。
「なんじゃ遊びたいだけか」
「いや、そうでもなくて。なんと言うかぶちのめしたい奴がいて……」
「いきなり物騒になったの。赤宮の影響か?」
「違う違う! この前ね、あたしを馬鹿にしてきた奴がいたんだよ!」
何でも話によれば迷子になって辿り着いたストリートテニス場でナンパにあって困っとる子がいたから助けるためにそいつを退けようとテニスで勝負をしたのだと。
じゃが相手がテニス初心者の西成に対してすぐに勝負を決めるわけではなく、ミスするまで遊ばれたそうじゃ。
「酷いよねっ! いくらあたしが初めての人間だからって即行で終わらせないなんて性格悪いよね!」
「……まぁ、おまんも無謀なことしちょるなとは思うぜよ」
「なんか腹が立っちゃって。あたしが代わりにデートしてあげるって言ったのに蹴っちゃうしさぁ」
「いや、なんでそこでお前さんがデートに立候補するか分からんが」
「それで助けられたいいかなって」
ニカッと笑うが、こやつは本当にそれでえぇんか? いや、いいなら何も言わんがの。知らん奴とデート出来るとはなかなかだとは思うぜ。
……いや、こいつのことじゃ。深く考えてない可能性がある。どうも後先考えんで行動することが多いからの。
「ま、だからさ、また同じようなことがあったら少しでもまともに打ち合えるようにすべきかなって思って」
「そんな特殊な状況がそうホイホイと起こるわけでもなかろうに。……まぁ、そうじゃなぁ。暇があれば俺が遊んでやっても構わんがのぅ」
「え? ほんと? 仁王がそんなことしてくれるのっ?」
「俺の気が向いたら、じゃが」
「それ、いつ気が向くのか分かんないやつじゃない!?」
「一度くらいは面倒見てやるきに。多分な」
「どっち!?」
雑巾をぶんぶん振り回しながら詰め寄るんで「近いうちに付き合うてやるから振り回しなさんな」と答えてやる。
我ながら面倒なことを引き受けた気もしなくはないが、同じクラスのよしみじゃし、一度くらいなら相手してやってもえぇかと思うことにした。
「とりあえず同じ状況になったとしても身代わりでデートを申し入れるのはやめときんしゃい」
「それはまたなんで?」
「そうやって聞き返すくらいには危機感がないからぜよ」
「あたしほど危機感を察知する人間はそうそういないのだよ!」
自信満々に答えるのはいいが全く説得力がないし、何ひとつ心に響いてこん。絶対に何も分かっちゃいないし、いつか絶対に変な奴に引っかかりそうでしかない。
……ほんとに危なっかしい奴じゃな。
清掃時間のことじゃった。教室の窓を雑巾で拭きながら西成が何やら面白いことというかおかしなことを呟いた。まぁ、こやつの突拍子もない発言は今更ではあるがな。
「なんじゃ面白そうなことを言うてるのぅ?」
箒を肩に乗せて西成に詳しい話を聞いてみる。その言葉に奴はハッとした表情をして振り返った。
「あたし、声に出てた!?」
「ぽつりとな」
「盗み聞きとはよろしくなくってよ!」
「聞こえてしもうたんじゃから俺は悪くないぜよ。しかし珍しいのぅ? おまんが突然テニスをしたいとはな。マネージャーを辞めるんか?」
もし、先の発言の本気度によってはマネージャーを辞めて女テニに転身する恐れがある。せっかく幸村の企みによってバランスの良いはずのマネージャー達が揃ったというのにその均衡が崩れてしまう。
それを阻止するのはレギュラーの暗黙のミッションとも言える。幸村の悲願のために。……いや、それは言い過ぎかの。幸村の欲望のために。
「いや、そこまでではないのだよ」
よし。均衡は保たれた。心配することは何もないな。
「なんじゃ遊びたいだけか」
「いや、そうでもなくて。なんと言うかぶちのめしたい奴がいて……」
「いきなり物騒になったの。赤宮の影響か?」
「違う違う! この前ね、あたしを馬鹿にしてきた奴がいたんだよ!」
何でも話によれば迷子になって辿り着いたストリートテニス場でナンパにあって困っとる子がいたから助けるためにそいつを退けようとテニスで勝負をしたのだと。
じゃが相手がテニス初心者の西成に対してすぐに勝負を決めるわけではなく、ミスするまで遊ばれたそうじゃ。
「酷いよねっ! いくらあたしが初めての人間だからって即行で終わらせないなんて性格悪いよね!」
「……まぁ、おまんも無謀なことしちょるなとは思うぜよ」
「なんか腹が立っちゃって。あたしが代わりにデートしてあげるって言ったのに蹴っちゃうしさぁ」
「いや、なんでそこでお前さんがデートに立候補するか分からんが」
「それで助けられたいいかなって」
ニカッと笑うが、こやつは本当にそれでえぇんか? いや、いいなら何も言わんがの。知らん奴とデート出来るとはなかなかだとは思うぜ。
……いや、こいつのことじゃ。深く考えてない可能性がある。どうも後先考えんで行動することが多いからの。
「ま、だからさ、また同じようなことがあったら少しでもまともに打ち合えるようにすべきかなって思って」
「そんな特殊な状況がそうホイホイと起こるわけでもなかろうに。……まぁ、そうじゃなぁ。暇があれば俺が遊んでやっても構わんがのぅ」
「え? ほんと? 仁王がそんなことしてくれるのっ?」
「俺の気が向いたら、じゃが」
「それ、いつ気が向くのか分かんないやつじゃない!?」
「一度くらいは面倒見てやるきに。多分な」
「どっち!?」
雑巾をぶんぶん振り回しながら詰め寄るんで「近いうちに付き合うてやるから振り回しなさんな」と答えてやる。
我ながら面倒なことを引き受けた気もしなくはないが、同じクラスのよしみじゃし、一度くらいなら相手してやってもえぇかと思うことにした。
「とりあえず同じ状況になったとしても身代わりでデートを申し入れるのはやめときんしゃい」
「それはまたなんで?」
「そうやって聞き返すくらいには危機感がないからぜよ」
「あたしほど危機感を察知する人間はそうそういないのだよ!」
自信満々に答えるのはいいが全く説得力がないし、何ひとつ心に響いてこん。絶対に何も分かっちゃいないし、いつか絶対に変な奴に引っかかりそうでしかない。
……ほんとに危なっかしい奴じゃな。