自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
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赤宮が真田のこと好きみたいだぜ! と、ブン太が報告してから少し日が経った。ちゃんと生徒手帳も返したようだし、他の奴に言い触らしてる様子もないからちょっとは安心だ。
……まぁ、赤宮にバレたらただじゃおかないだろうし見て見ぬふりが一番だ。余計なことはしない方が絶対いい。
けど、赤宮が真田に好意があると知ってから何となくあいつの様子を窺ってみると思っていたよりも真田に向ける視線が多い。
真田が話す時なんかはもちろん、テニスをしてる時だろうと、静かに話を聞いてる時だろうと。顔を動かすというより視線が動いてると言えばいいのだろうか。
こんなに視線を向けてりゃ好きだと知っても理解出来る。むしろなんで気づかないんだとも思ったが、元々赤宮の眼光は鋭いから視線を逸らす奴の方が多いだろう。俺もその一人だった。
まぁ、今は接する機会が増えたから慣れてきたし、目を逸らすことは減ったな。やっぱ関わってくると恐れは少し薄れた気がする。
それに赤宮が真田のことが好きなのだと思うとそれはそれで微笑ましいというか頑張れよという気持ちにもなるな。
「赤宮、ちょっと頼みがあるんだけどよ」
「私に頼みだと?」
教室に一人で席に着く赤宮に声をかけるが今日も威圧感半端ねぇな……。
一瞬たじろいじまったが「真田と似たようなもんか」と思ってしまった。別に真田の威圧に慣れてるわけではない。慣れるわけがねぇ。
「今日、俺委員会があって部活に少し遅れると思うから真田に伝えてほしいって思ったんだけど……やっぱ無理か?」
真田と会話をする切っ掛けになるだろうと思ってわざわざ赤宮に頼んだ。まぁ、俺から真田にメッセージ飛ばすなり出来るんだけどな。もし、赤宮が断った時はそうする。断らないと思うけど。
「そういうことなら構わない」
ほらな。フン、とするが僅かながら口元が緩んでいる。よく見りゃ分かりやすいタイプなんだな赤宮って。見ようとしなかったからではあるけど、気づいてしまえば案外可愛い所あるよなと思うのも事実。
「サンキュ。恩に着るぜ」
「そのくらいならいつでも言っていい」
真田に関することなら任せろ。そう言いたいんだな。分かった分かった。また何かあったら赤宮に話を通してもらうとするか。真田のことなら赤宮も機嫌良さげだしな。
……それにしても若干、いや、かなり分かりやすい態度だと思うのは俺の気のせいか? こんな状態ならすぐに他の奴らにも気づかれそうな気がするけど……それで大丈夫なのか? 今もどこかご満悦気味なようだし。
「桑原、まだ何かあるわけ?」
その言葉にハッとした。会話としては終わったと言ってもいいのに俺が何も喋らず、動かないため赤宮が怪訝そうな表情をする。
「あぁ、いや……特に他はない、な。悪かったな、それじゃあ━━」
「桑原」
会話を切り上げようとしたら何故か呼び止められた。しかしその言葉には何か凄みのようなものを感じる。
「……丸井の奴から何か聞いたりしたか?」
ドキリとした。怒りを滲ませるようなその言葉に、もしかして赤宮の生徒手帳に忍ばせていた真田の写真を見たことがバレてんじゃねぇのかと背筋に汗を流す。
「何か、って?」
「私についてだ」
ジロリと睨まれる。先程までの愉悦していた表情はどこへ行ったのやら。
「特に何も聞いてねぇけど……」
「……。なら、いい。行け」
上手く誤魔化せたのかは分からないが、特に深く突っ込まれることはなかったし、事なきを得たと思っていいだろう。
ひとまず赤宮の前からそそくさと離れ、人知れず溜め息を吐き捨てた。
そこまで警戒しなくても言い触らしはしねぇのに。むしろ協力くらいはしてやるんだがな。
「……」
真田のことになると少し顔の表情が柔らかくなる赤宮を思い出して、あんな綺麗な顔してるんだからもっと表に出せばいいのになとぼんやり思うのだった。
……まぁ、赤宮にバレたらただじゃおかないだろうし見て見ぬふりが一番だ。余計なことはしない方が絶対いい。
けど、赤宮が真田に好意があると知ってから何となくあいつの様子を窺ってみると思っていたよりも真田に向ける視線が多い。
真田が話す時なんかはもちろん、テニスをしてる時だろうと、静かに話を聞いてる時だろうと。顔を動かすというより視線が動いてると言えばいいのだろうか。
こんなに視線を向けてりゃ好きだと知っても理解出来る。むしろなんで気づかないんだとも思ったが、元々赤宮の眼光は鋭いから視線を逸らす奴の方が多いだろう。俺もその一人だった。
まぁ、今は接する機会が増えたから慣れてきたし、目を逸らすことは減ったな。やっぱ関わってくると恐れは少し薄れた気がする。
それに赤宮が真田のことが好きなのだと思うとそれはそれで微笑ましいというか頑張れよという気持ちにもなるな。
「赤宮、ちょっと頼みがあるんだけどよ」
「私に頼みだと?」
教室に一人で席に着く赤宮に声をかけるが今日も威圧感半端ねぇな……。
一瞬たじろいじまったが「真田と似たようなもんか」と思ってしまった。別に真田の威圧に慣れてるわけではない。慣れるわけがねぇ。
「今日、俺委員会があって部活に少し遅れると思うから真田に伝えてほしいって思ったんだけど……やっぱ無理か?」
真田と会話をする切っ掛けになるだろうと思ってわざわざ赤宮に頼んだ。まぁ、俺から真田にメッセージ飛ばすなり出来るんだけどな。もし、赤宮が断った時はそうする。断らないと思うけど。
「そういうことなら構わない」
ほらな。フン、とするが僅かながら口元が緩んでいる。よく見りゃ分かりやすいタイプなんだな赤宮って。見ようとしなかったからではあるけど、気づいてしまえば案外可愛い所あるよなと思うのも事実。
「サンキュ。恩に着るぜ」
「そのくらいならいつでも言っていい」
真田に関することなら任せろ。そう言いたいんだな。分かった分かった。また何かあったら赤宮に話を通してもらうとするか。真田のことなら赤宮も機嫌良さげだしな。
……それにしても若干、いや、かなり分かりやすい態度だと思うのは俺の気のせいか? こんな状態ならすぐに他の奴らにも気づかれそうな気がするけど……それで大丈夫なのか? 今もどこかご満悦気味なようだし。
「桑原、まだ何かあるわけ?」
その言葉にハッとした。会話としては終わったと言ってもいいのに俺が何も喋らず、動かないため赤宮が怪訝そうな表情をする。
「あぁ、いや……特に他はない、な。悪かったな、それじゃあ━━」
「桑原」
会話を切り上げようとしたら何故か呼び止められた。しかしその言葉には何か凄みのようなものを感じる。
「……丸井の奴から何か聞いたりしたか?」
ドキリとした。怒りを滲ませるようなその言葉に、もしかして赤宮の生徒手帳に忍ばせていた真田の写真を見たことがバレてんじゃねぇのかと背筋に汗を流す。
「何か、って?」
「私についてだ」
ジロリと睨まれる。先程までの愉悦していた表情はどこへ行ったのやら。
「特に何も聞いてねぇけど……」
「……。なら、いい。行け」
上手く誤魔化せたのかは分からないが、特に深く突っ込まれることはなかったし、事なきを得たと思っていいだろう。
ひとまず赤宮の前からそそくさと離れ、人知れず溜め息を吐き捨てた。
そこまで警戒しなくても言い触らしはしねぇのに。むしろ協力くらいはしてやるんだがな。
「……」
真田のことになると少し顔の表情が柔らかくなる赤宮を思い出して、あんな綺麗な顔してるんだからもっと表に出せばいいのになとぼんやり思うのだった。