自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第10話『気づかれ、打ち明けられ、打ち明ける』
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『明日、早朝より話をしておきたいことがある。いつもより15分早めの登校は可能だろうか?』
昨夜、九条にそのようなメッセージを送った。静かに相手からの返事を待つが、数分ほどで彼女からの返信がきた。
『分かった。いつもより早めに家を出るね』
文章だけでは相手の心情が分からないから電話にすべきかとも思ったが、出てくれなければ結局メッセージを送信することになるので電話はやめておいた。
……いや、ただ上手く話が出来るか心配だったというのも理由だろう。
手紙にしたためるように文字ならば余計な言葉を伝えずに用件だけしっかりと伝えられるからな。
俺は明日、九条に全てを打ち明けるつもりだ。彼女を騙してマネージャーとして引き入れたことについて正直に話す。
やはりこのまま騙し続けるなど俺自身が許せない。今更ではあるかもしれんが九条にはちゃんと話しておかねば。
翌日、約束通り九条は早めに姿を見せた。もし他の者に聞かれてしまったら色々とややこしいことになるだろうから、部室の裏へと彼女を連れてすぐに本題へと入ることにした。
「……」
「真田くん……一体どうしたの? 何か言いにくいことかな?」
少々硬い表情をしてしまったせいか九条が心配そうに眉を下げていた。これでは彼女に気を遣わせてしまう。んんっ、と喉の調子を整えてから「すまない」と一言口にする。
俺としたことが正直に伝えようとしているだけなのに緊張しているようだ。
いや、それも仕方あるまい。こんなにも優しく、一生懸命部活に励む彼女を傷つけてしまうだろうと思うと胸が痛む。
「実は、お前に話しておかねばならんことがある」
「私に?」
「あぁ……お前には他のマネージャーの代わりとして入ってもらったが、それは全て芝居だったんだ」
「え……?」
大きな目をぱちくりとさせた九条はまだどういうことか理解出来ないでいた。そのためさらに詳しい話をする。
元より彼女をマネージャーに勧誘するつもりだった。しかし、断られる確率を低くするために自ら協力を願い出てもらうように一芝居を打ったということを。
言葉を続けていると九条は驚きながらも最後まで話に耳を傾けていた。なんで、と口を挟むこともなければ、酷いと非難することもなく。
「このような方法は良くないと思っていながらも止められなかったのは俺の責任だ。しかしこのまま黙っていることは出来ない。お前を騙すようなことをしてしまったのは本当に申し訳ないと思っている。不快に思っても仕方がないと理解しているし、もし退部を考えたなら俺はすぐにでもお前の意思を尊重しよう」
あとは彼女の返事を待つのみ。ゆっくりと深呼吸をし、彼女の気持ちと判断がどのようなものでも受け止めるつもりだ。
何でも言ってくれ。そう身構えていたら九条はくすりと小さく笑い始めた。思いもよらぬ反応に俺は思わず瞬きをする。
「ふふっ、そういうことだったんだね」
「……怒らんのか?」
「怒らないよ。私の力を必要としてくれたのは嬉しいから」
「しかしお前を騙すような真似をしたんだ。ケジメはつけておくべきじゃないのか?」
「真田くんは謝ってくれたし、騙されたとは思ってないよ。ただそこまでのことをしてたんだと思うとちょっと面白くて……ごめんね、真剣なことなのに笑っちゃって」
苦笑いでもない彼女の破顔した表情を見て狐につままれたような気分だった。
「私、楽しくマネージャー業をさせてもらってるよ。だからお願いされるまでは退部は考えてないから」
「そう、なのか」
「でも真田くんはずっと私のことを思って考えて悩んだりしてくれたんだね。ありがとう。もう気にしなくていいからこれからもよろしくね」
こんなあっさりと受け入れてくれるものなのか。九条はもっと怒りを向けても構わんのに。
なぜか俺の方が納得いかない気持ちではあるが当の本人がそう言うのなら、と俺は「う、うむ。寛大な心感謝する。そしてこれからもよろしく頼む」と返した。
昨夜、九条にそのようなメッセージを送った。静かに相手からの返事を待つが、数分ほどで彼女からの返信がきた。
『分かった。いつもより早めに家を出るね』
文章だけでは相手の心情が分からないから電話にすべきかとも思ったが、出てくれなければ結局メッセージを送信することになるので電話はやめておいた。
……いや、ただ上手く話が出来るか心配だったというのも理由だろう。
手紙にしたためるように文字ならば余計な言葉を伝えずに用件だけしっかりと伝えられるからな。
俺は明日、九条に全てを打ち明けるつもりだ。彼女を騙してマネージャーとして引き入れたことについて正直に話す。
やはりこのまま騙し続けるなど俺自身が許せない。今更ではあるかもしれんが九条にはちゃんと話しておかねば。
翌日、約束通り九条は早めに姿を見せた。もし他の者に聞かれてしまったら色々とややこしいことになるだろうから、部室の裏へと彼女を連れてすぐに本題へと入ることにした。
「……」
「真田くん……一体どうしたの? 何か言いにくいことかな?」
少々硬い表情をしてしまったせいか九条が心配そうに眉を下げていた。これでは彼女に気を遣わせてしまう。んんっ、と喉の調子を整えてから「すまない」と一言口にする。
俺としたことが正直に伝えようとしているだけなのに緊張しているようだ。
いや、それも仕方あるまい。こんなにも優しく、一生懸命部活に励む彼女を傷つけてしまうだろうと思うと胸が痛む。
「実は、お前に話しておかねばならんことがある」
「私に?」
「あぁ……お前には他のマネージャーの代わりとして入ってもらったが、それは全て芝居だったんだ」
「え……?」
大きな目をぱちくりとさせた九条はまだどういうことか理解出来ないでいた。そのためさらに詳しい話をする。
元より彼女をマネージャーに勧誘するつもりだった。しかし、断られる確率を低くするために自ら協力を願い出てもらうように一芝居を打ったということを。
言葉を続けていると九条は驚きながらも最後まで話に耳を傾けていた。なんで、と口を挟むこともなければ、酷いと非難することもなく。
「このような方法は良くないと思っていながらも止められなかったのは俺の責任だ。しかしこのまま黙っていることは出来ない。お前を騙すようなことをしてしまったのは本当に申し訳ないと思っている。不快に思っても仕方がないと理解しているし、もし退部を考えたなら俺はすぐにでもお前の意思を尊重しよう」
あとは彼女の返事を待つのみ。ゆっくりと深呼吸をし、彼女の気持ちと判断がどのようなものでも受け止めるつもりだ。
何でも言ってくれ。そう身構えていたら九条はくすりと小さく笑い始めた。思いもよらぬ反応に俺は思わず瞬きをする。
「ふふっ、そういうことだったんだね」
「……怒らんのか?」
「怒らないよ。私の力を必要としてくれたのは嬉しいから」
「しかしお前を騙すような真似をしたんだ。ケジメはつけておくべきじゃないのか?」
「真田くんは謝ってくれたし、騙されたとは思ってないよ。ただそこまでのことをしてたんだと思うとちょっと面白くて……ごめんね、真剣なことなのに笑っちゃって」
苦笑いでもない彼女の破顔した表情を見て狐につままれたような気分だった。
「私、楽しくマネージャー業をさせてもらってるよ。だからお願いされるまでは退部は考えてないから」
「そう、なのか」
「でも真田くんはずっと私のことを思って考えて悩んだりしてくれたんだね。ありがとう。もう気にしなくていいからこれからもよろしくね」
こんなあっさりと受け入れてくれるものなのか。九条はもっと怒りを向けても構わんのに。
なぜか俺の方が納得いかない気持ちではあるが当の本人がそう言うのなら、と俺は「う、うむ。寛大な心感謝する。そしてこれからもよろしく頼む」と返した。