自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第9話『偵察から散り散りへ』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
放課後、柳の極秘任務のために神奈川から東京にやって来たマネージャー達。だが、そこにはいるべきはずの遥の姿がなかった。
「遥、一緒に来れなくて残念だね」
「っち、あの馬鹿は何やってんだか……」
なんと遥は課題のやり忘れをしてしまい、教室で居残り勉強の罰を受けることになったそう。
そのため、麻美と秋は先に青学へと向かうことになったその途中、二人の男と擦れ違ったが、そのうちの一人が振り返り麻美と秋の後ろ姿を見て声をかける。
「もしかして麻美か?」
「……」
「?」
どうやら知り合いなのか、親しげに麻美の名を呼ぶ男の声に二人は足を止めた。心当たりがあったのか、麻美は振り返ることなく眉を寄せているが秋は疑問符を浮かべながら振り返る。
そこにいたのは同じ年頃の男子二人だったが、秋にとっては見知らぬ相手。そして麻美に声をかけたと思われる日に焼けたような肌の男が振り返らない麻美の前へと回り込んだ。
「おお! やっぱり麻美じゃないか! 奇遇だなっ、こんな所で会うなんて!」
「……」
パァっと明るく笑う男とは対照的に麻美は心底嫌な表情をしていた。それはもう誰の目から見ても分かるほどに。
「麻美の知り合い?」
「知らん」
「えっ……」
どういうこと? と戸惑いながら首を傾げる秋だったが、麻美を知る男は気を悪くするどころか快活に笑った。
「アッハッハ! 相変わらずだな麻美! 元気そうで良かったぜ」
明るく笑いながら麻美の背中をバンバン叩く男に麻美は「触るなっ」とその手を払い除けた。
おそらく知り合いなのは秋にも理解出来たが、いまいち二人の関係性が見えなくて秋も対応に困る。もしかしたら麻美に付き纏う迷惑な人だったり? と思わなくもなかったから。
「赤澤くん。女性に馴れ馴れしく触れるのはいかがかと思いますが?」
共にいたもう一人の男が訝しげな表情で赤澤という名の色黒の彼に声をかける。
赤澤とは違って色白い肌の男は癖なのか人差し指で髪をくるくると弄っていた。よく見ると二人の服装は何処かの学生服のようで同じ学校者同士だということが分かる。
「ん? これはいつものことだぜ?」
「失礼ですがあなたとはどういう関係で?」
「従兄妹だ」
「!」
えっ? そうなの!? そんな表情で麻美に目を向けると悔しそうに唇を噛み締める麻美の姿があった。否定をしないということは事実なのだろう。ただし麻美本人は認めたくはなさそうである。
「ところでお前は麻美のダチか?」
「あ、はい。九条秋です。麻美とは仲良くさせてもらってます」
「おう、そうか。俺は赤澤吉朗だ」
自己紹介をすると赤澤が右手を出して握手を求めたので秋も右手を差し出して彼の手を握った。
麻美の親戚ならばそれほど警戒する必要はないかなと思った秋だったがその手は大きく上下に振られた。
「えっ」
「いやーマジで嬉しいぜ! 麻美にダチが出来て喜ばしいことだしなっ」
「余計なお世話だ!」
ぶんぶんと手を振る勢いに秋は戸惑うものの、麻美が苛立ちの声を上げると赤澤の手はすぐに秋から離れる。
「照れなくてもいいだろ? 俺は純粋に嬉しいだけなんだしよ」
「うっさい。私の交友事情はあんたに関係ないんだよ」
親戚だろうとも麻美の態度はいつもと変わらない。けれど赤澤の方は特に気にする様子もなく、むしろ慣れているようだ。
「そういや、なんでこんな所にいるんだ? お前、神奈川だろ?」
「遊びに来るくらい普通だろ。いちいち詮索するな」
「そうか? あ、だったら今度の都大会の応援に来てくれよな!」
「はあ?」
なんでそんな話になるんだよ。そう言いかけたが、赤澤の傍にいる男が時計を見て口を開いた。
「赤澤くん、歓談はそのくらいにしましょう。そろそろ時間ですよ」
「あぁ、わかった。っつーわけだ、応援に来るの楽しみにしてるぜ。じゃあな!」
そう告げると赤澤は始終笑顔のままで麻美と秋に向けて手を振り、彼女達とは反対方向に向かって歩いて行った。
言うだけ言って去って行く従兄妹に麻美は不機嫌オーラを漂わせる。そんな彼女に秋はあわあわしながらも落ち着かせようとした。
「い、いい人そうな従兄妹さんだね」
「どこがだ。あれは勝手な奴だ」
「……ところで都大会ってなんの?」
「テニス」
「そうなんだっ。私の従兄妹と同じ部活なんだね。それじゃあいつか青学と当たったりするのかな?」
「知るか」
「赤澤くんもああ言ってたし、応援しに行かなきゃ」
「なんで私があいつの言いなりにならなきゃなんないんだよ」
「……もしかして麻美、赤澤くんのこと苦手なの?」
「面倒なんだよ」
フン、と鼻で息を吐く麻美に秋は苦笑いをする。親戚だからといって必ずしも仲がいいというわけではないのだろうが、こうもあからさまに態度に出すのはどうなのかとも思った。
しかし赤澤を見ている限りあまりにも普通に振る舞っていたので実は仲が良かったり? とも思わずにはいられない。
(従兄妹関係も人それぞれなんだろうなぁ)
ふむふむと秋は一人で納得した。
「遥、一緒に来れなくて残念だね」
「っち、あの馬鹿は何やってんだか……」
なんと遥は課題のやり忘れをしてしまい、教室で居残り勉強の罰を受けることになったそう。
そのため、麻美と秋は先に青学へと向かうことになったその途中、二人の男と擦れ違ったが、そのうちの一人が振り返り麻美と秋の後ろ姿を見て声をかける。
「もしかして麻美か?」
「……」
「?」
どうやら知り合いなのか、親しげに麻美の名を呼ぶ男の声に二人は足を止めた。心当たりがあったのか、麻美は振り返ることなく眉を寄せているが秋は疑問符を浮かべながら振り返る。
そこにいたのは同じ年頃の男子二人だったが、秋にとっては見知らぬ相手。そして麻美に声をかけたと思われる日に焼けたような肌の男が振り返らない麻美の前へと回り込んだ。
「おお! やっぱり麻美じゃないか! 奇遇だなっ、こんな所で会うなんて!」
「……」
パァっと明るく笑う男とは対照的に麻美は心底嫌な表情をしていた。それはもう誰の目から見ても分かるほどに。
「麻美の知り合い?」
「知らん」
「えっ……」
どういうこと? と戸惑いながら首を傾げる秋だったが、麻美を知る男は気を悪くするどころか快活に笑った。
「アッハッハ! 相変わらずだな麻美! 元気そうで良かったぜ」
明るく笑いながら麻美の背中をバンバン叩く男に麻美は「触るなっ」とその手を払い除けた。
おそらく知り合いなのは秋にも理解出来たが、いまいち二人の関係性が見えなくて秋も対応に困る。もしかしたら麻美に付き纏う迷惑な人だったり? と思わなくもなかったから。
「赤澤くん。女性に馴れ馴れしく触れるのはいかがかと思いますが?」
共にいたもう一人の男が訝しげな表情で赤澤という名の色黒の彼に声をかける。
赤澤とは違って色白い肌の男は癖なのか人差し指で髪をくるくると弄っていた。よく見ると二人の服装は何処かの学生服のようで同じ学校者同士だということが分かる。
「ん? これはいつものことだぜ?」
「失礼ですがあなたとはどういう関係で?」
「従兄妹だ」
「!」
えっ? そうなの!? そんな表情で麻美に目を向けると悔しそうに唇を噛み締める麻美の姿があった。否定をしないということは事実なのだろう。ただし麻美本人は認めたくはなさそうである。
「ところでお前は麻美のダチか?」
「あ、はい。九条秋です。麻美とは仲良くさせてもらってます」
「おう、そうか。俺は赤澤吉朗だ」
自己紹介をすると赤澤が右手を出して握手を求めたので秋も右手を差し出して彼の手を握った。
麻美の親戚ならばそれほど警戒する必要はないかなと思った秋だったがその手は大きく上下に振られた。
「えっ」
「いやーマジで嬉しいぜ! 麻美にダチが出来て喜ばしいことだしなっ」
「余計なお世話だ!」
ぶんぶんと手を振る勢いに秋は戸惑うものの、麻美が苛立ちの声を上げると赤澤の手はすぐに秋から離れる。
「照れなくてもいいだろ? 俺は純粋に嬉しいだけなんだしよ」
「うっさい。私の交友事情はあんたに関係ないんだよ」
親戚だろうとも麻美の態度はいつもと変わらない。けれど赤澤の方は特に気にする様子もなく、むしろ慣れているようだ。
「そういや、なんでこんな所にいるんだ? お前、神奈川だろ?」
「遊びに来るくらい普通だろ。いちいち詮索するな」
「そうか? あ、だったら今度の都大会の応援に来てくれよな!」
「はあ?」
なんでそんな話になるんだよ。そう言いかけたが、赤澤の傍にいる男が時計を見て口を開いた。
「赤澤くん、歓談はそのくらいにしましょう。そろそろ時間ですよ」
「あぁ、わかった。っつーわけだ、応援に来るの楽しみにしてるぜ。じゃあな!」
そう告げると赤澤は始終笑顔のままで麻美と秋に向けて手を振り、彼女達とは反対方向に向かって歩いて行った。
言うだけ言って去って行く従兄妹に麻美は不機嫌オーラを漂わせる。そんな彼女に秋はあわあわしながらも落ち着かせようとした。
「い、いい人そうな従兄妹さんだね」
「どこがだ。あれは勝手な奴だ」
「……ところで都大会ってなんの?」
「テニス」
「そうなんだっ。私の従兄妹と同じ部活なんだね。それじゃあいつか青学と当たったりするのかな?」
「知るか」
「赤澤くんもああ言ってたし、応援しに行かなきゃ」
「なんで私があいつの言いなりにならなきゃなんないんだよ」
「……もしかして麻美、赤澤くんのこと苦手なの?」
「面倒なんだよ」
フン、と鼻で息を吐く麻美に秋は苦笑いをする。親戚だからといって必ずしも仲がいいというわけではないのだろうが、こうもあからさまに態度に出すのはどうなのかとも思った。
しかし赤澤を見ている限りあまりにも普通に振る舞っていたので実は仲が良かったり? とも思わずにはいられない。
(従兄妹関係も人それぞれなんだろうなぁ)
ふむふむと秋は一人で納得した。