自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第8話『神奈川と東京の地区予選』
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「……何なんだよ。この試合」
東京の地区予選では青学と不動峰の決勝戦を観戦していた麻美だったが、その試合内容に驚いていた。
彼女が驚くのも無理はない。第一試合のダブルスでは不動峰が波動球という技でラケットが突き抜けるほどの強烈なフラットショットを打つ選手が出たり、第二試合では雨の中でも平気に猫のように飛び回る青学選手がいたり、第三試合のシングルスでは凄いスピードでボールを追いかける不動峰選手がいたり、と色々驚かされていた。
「なんでそうなるんだよ……」
そして今行われている第四試合では瞼を切ってしまったというのに応急措置をして尚も試合を続けている青学1年の選手がいた。
しかも相手の不動峰選手は九鬼を負かした伊武と呼ばれる選手。だが、ハンデがあるというのに青学がリードしている。
たかが地区予選でなんでこんな激しいのか。さすがにこの決勝戦は有り得ないだろと麻美は思っていた。
「二刀流に有り得ない反射神経……1年のくせになんだよ、あいつ」
そしてマッチポイント。最後に越前と呼ばれる青学の1年がスマッシュで青学を勝利へ導いた。それもただのスマッシュではない。伊武の顔面に跳ね返った逆回転のもの。
『ゲームセーット! ウォンバイ青学越前っ!!』
「……青学……か」
地区大会を制したのは青学こと青春学園。こうして都大会に進むのは青学と不動峰の二校に決まった。それを確認した麻美はもう帰ろうと誰よりも先にコートから離れる。
青学と不動峰、この二校は確実に勝ち進むだろうな。そう思いながら麻美は神奈川へ帰ることにした。
帰る道中、スマートフォンで不動峰について調べてみた。これまでは特に結果を残したことのない無名校である学校が今年になってのこの快進撃。不思議だと思わない方がおかしい。
スポーツの特待生でも学校に入れたのかと思ったが、調べると真っ先に出てくるのがテニス部の暴行事件である。
テニス部員が同じ部員、そして顧問に暴力を振るって昨年の新人戦出場を辞退したという。
詳しいことはよく分からないし、胡散臭い掲示板では『転校生がテニス部を占領した』とか『元々あそこのテニス部の治安が悪いので起こるべくして起こった事件』とか色々と書き込まれていた。
ただただ暴力沙汰の話題しかなくて、麻美は早々に調べるのをやめた。
でも伊武が九鬼に手を出そうとした所を思い出すと、暴行事件があったと知っても納得は出来る。
だが、部長である橘がすぐに止めたのであいつがいながら暴力沙汰があったのか? という疑問も浮かぶ━━が、麻美がそこまで知る必要もないのでひとまず不動峰のことは置いておくことにし、電車に揺られながら窓から射し込む夕日の赤を眩しそうに見つめた。
東京の地区予選では青学と不動峰の決勝戦を観戦していた麻美だったが、その試合内容に驚いていた。
彼女が驚くのも無理はない。第一試合のダブルスでは不動峰が波動球という技でラケットが突き抜けるほどの強烈なフラットショットを打つ選手が出たり、第二試合では雨の中でも平気に猫のように飛び回る青学選手がいたり、第三試合のシングルスでは凄いスピードでボールを追いかける不動峰選手がいたり、と色々驚かされていた。
「なんでそうなるんだよ……」
そして今行われている第四試合では瞼を切ってしまったというのに応急措置をして尚も試合を続けている青学1年の選手がいた。
しかも相手の不動峰選手は九鬼を負かした伊武と呼ばれる選手。だが、ハンデがあるというのに青学がリードしている。
たかが地区予選でなんでこんな激しいのか。さすがにこの決勝戦は有り得ないだろと麻美は思っていた。
「二刀流に有り得ない反射神経……1年のくせになんだよ、あいつ」
そしてマッチポイント。最後に越前と呼ばれる青学の1年がスマッシュで青学を勝利へ導いた。それもただのスマッシュではない。伊武の顔面に跳ね返った逆回転のもの。
『ゲームセーット! ウォンバイ青学越前っ!!』
「……青学……か」
地区大会を制したのは青学こと青春学園。こうして都大会に進むのは青学と不動峰の二校に決まった。それを確認した麻美はもう帰ろうと誰よりも先にコートから離れる。
青学と不動峰、この二校は確実に勝ち進むだろうな。そう思いながら麻美は神奈川へ帰ることにした。
帰る道中、スマートフォンで不動峰について調べてみた。これまでは特に結果を残したことのない無名校である学校が今年になってのこの快進撃。不思議だと思わない方がおかしい。
スポーツの特待生でも学校に入れたのかと思ったが、調べると真っ先に出てくるのがテニス部の暴行事件である。
テニス部員が同じ部員、そして顧問に暴力を振るって昨年の新人戦出場を辞退したという。
詳しいことはよく分からないし、胡散臭い掲示板では『転校生がテニス部を占領した』とか『元々あそこのテニス部の治安が悪いので起こるべくして起こった事件』とか色々と書き込まれていた。
ただただ暴力沙汰の話題しかなくて、麻美は早々に調べるのをやめた。
でも伊武が九鬼に手を出そうとした所を思い出すと、暴行事件があったと知っても納得は出来る。
だが、部長である橘がすぐに止めたのであいつがいながら暴力沙汰があったのか? という疑問も浮かぶ━━が、麻美がそこまで知る必要もないのでひとまず不動峰のことは置いておくことにし、電車に揺られながら窓から射し込む夕日の赤を眩しそうに見つめた。