自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第8話『神奈川と東京の地区予選』
主人公名前変換
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「おー。雨が止んだー」
その頃の遥は屋根のあるベンチに座ってテニス雑誌から目を離し空を眺めていた。
そんな彼女の隣には柳生が座って監視役を担っている。
「これならば決勝戦も行われますね」
「決勝戦すらも観に行けない悲しみ……」
そもそも雑誌一冊読むのにこんなに時間かかるっけ? という疑問が浮かぶが、隣のジェントルマンが丁寧な解説をするためページを捲るのが遅くなってしまうのだった。
学生特集のため、柳生も知っている顔がいたのか「この方の得意技は」とか「彼はフォームがとても綺麗で」とか語るのでさらに時間がかかるが、それでも教科書や教本よりはマシだとも思ってしまう。
ふーん、へー、ほー。と適当に相槌を打ちながらぺらりと次のページを捲ればそこには遥の知っている顔が載っていた。
「あ! 青学だ青学!」
今年注目の中学生テニス部のコーナーを見た遥は青春学園のページを見つける。
そのページには彼女が以前切原と共に出会った手塚の写真が少し大きめに掲載されていた。
「手塚だー。なんか大きく写ってるからやっぱ強いんだね~」
「おや。西成さんは手塚くんをご存知でしたか?」
「この前赤也と乗り込んだ際に会ったんだ~」
「……あぁ、それで遅刻に遅刻を重ねたのでしたね」
ふぅ、とわざとらしく大きな溜め息を吐く柳生に遥は「うっ」と言葉に詰まった。言うんじゃなかったと後悔するくらい。
がくっと項垂れる遥の前に小さな子供が走りながら横切った。戦隊物のお面を被ったヒーローごっこをしているようでそれを見た彼女はぽつりと口にする。
「レジャーレッドだ……」
「そのようですね」
まさか返事があるとは思わず遥はバッと柳生に顔を向けた。
「や、やぎゅー! レジャーレンジャーを知ってるの!?」
レジャーレンジャー。それは日曜日の朝に放映されている子供向けの戦隊ヒーロー番組である。
人気若手俳優を起用した演者に、武器が縄跳びやメンコといった遊び道具を使ったもので子供にも大人にも人気な番組だ。
「えぇ、私も毎週視聴させていただいてます。西成さんもですか?」
「そう! そうなの! めーっちゃくちゃ面白いんだよ!」
「それはそうでしたか。女性が好むということは好きな俳優の方がいらっしゃるのですね」
「うーん、確かにかっこいい人ばっかだけど、あたしは普通に変身したあとに戦うとこが好きかなっ!」
「なるほど、確かに戦闘シーンも見所でしょう。スーツアクターの動きもなかなかに良くて見入ってしまいますからね」
「ねー! あたしね、レジャーレッドが好き!」
「私はレジャーブルーですね」
まさか紳士が戦隊ヒーロー番組を嗜んでいるとは思わなかったが、周りに語れる者がいなかった遥としては嬉しい接点でついつい話に花を咲かせてしまう。
あの話が良かった、あの二人はくっつくのか、ラストはどうなるのか、と語り合っていたらいつの間にか立海が神奈川県大会地区予選の最短試合時間を叩き出した上での優勝をしていた。
それを知った遥は赤也の応援してない! と後にショックを受けることになる。
その頃の遥は屋根のあるベンチに座ってテニス雑誌から目を離し空を眺めていた。
そんな彼女の隣には柳生が座って監視役を担っている。
「これならば決勝戦も行われますね」
「決勝戦すらも観に行けない悲しみ……」
そもそも雑誌一冊読むのにこんなに時間かかるっけ? という疑問が浮かぶが、隣のジェントルマンが丁寧な解説をするためページを捲るのが遅くなってしまうのだった。
学生特集のため、柳生も知っている顔がいたのか「この方の得意技は」とか「彼はフォームがとても綺麗で」とか語るのでさらに時間がかかるが、それでも教科書や教本よりはマシだとも思ってしまう。
ふーん、へー、ほー。と適当に相槌を打ちながらぺらりと次のページを捲ればそこには遥の知っている顔が載っていた。
「あ! 青学だ青学!」
今年注目の中学生テニス部のコーナーを見た遥は青春学園のページを見つける。
そのページには彼女が以前切原と共に出会った手塚の写真が少し大きめに掲載されていた。
「手塚だー。なんか大きく写ってるからやっぱ強いんだね~」
「おや。西成さんは手塚くんをご存知でしたか?」
「この前赤也と乗り込んだ際に会ったんだ~」
「……あぁ、それで遅刻に遅刻を重ねたのでしたね」
ふぅ、とわざとらしく大きな溜め息を吐く柳生に遥は「うっ」と言葉に詰まった。言うんじゃなかったと後悔するくらい。
がくっと項垂れる遥の前に小さな子供が走りながら横切った。戦隊物のお面を被ったヒーローごっこをしているようでそれを見た彼女はぽつりと口にする。
「レジャーレッドだ……」
「そのようですね」
まさか返事があるとは思わず遥はバッと柳生に顔を向けた。
「や、やぎゅー! レジャーレンジャーを知ってるの!?」
レジャーレンジャー。それは日曜日の朝に放映されている子供向けの戦隊ヒーロー番組である。
人気若手俳優を起用した演者に、武器が縄跳びやメンコといった遊び道具を使ったもので子供にも大人にも人気な番組だ。
「えぇ、私も毎週視聴させていただいてます。西成さんもですか?」
「そう! そうなの! めーっちゃくちゃ面白いんだよ!」
「それはそうでしたか。女性が好むということは好きな俳優の方がいらっしゃるのですね」
「うーん、確かにかっこいい人ばっかだけど、あたしは普通に変身したあとに戦うとこが好きかなっ!」
「なるほど、確かに戦闘シーンも見所でしょう。スーツアクターの動きもなかなかに良くて見入ってしまいますからね」
「ねー! あたしね、レジャーレッドが好き!」
「私はレジャーブルーですね」
まさか紳士が戦隊ヒーロー番組を嗜んでいるとは思わなかったが、周りに語れる者がいなかった遥としては嬉しい接点でついつい話に花を咲かせてしまう。
あの話が良かった、あの二人はくっつくのか、ラストはどうなるのか、と語り合っていたらいつの間にか立海が神奈川県大会地区予選の最短試合時間を叩き出した上での優勝をしていた。
それを知った遥は赤也の応援してない! と後にショックを受けることになる。