自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第8話『神奈川と東京の地区予選』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お前は決して弱くない。俺が強かっただけの話だ!」
何とか柿ノ木中が試合しているコートに辿り着くことが出来た麻美はフェンス越しから九鬼が勝利を収めた瞬間に立ち会っていた。
九鬼の試合を全て見ることは出来なかったが、それでも弦一郎の方が実力は上だと確信している。
そんなことを考える間に九鬼はコートから出て来たので麻美はさっさとペットボトルを押し付けようと彼の元へ向かおうとしたのだが、九鬼は他校生に話しかけたため麻美は小さく舌打ちをした。
タイミングの悪い奴だなと思いながら用件が終わるまで待つことにする。
(あれはどこの学校だ?)
九鬼は青いジャージを纏う二人の他校生と話している様子。そのうち一人が立ち去る素振りを見せると、九鬼がその男の腕を「待てよ!」と言って掴んだ。
「腕を見せてみろよ。何か理由が……!?」
「放せよ」
腕を掴まれた眼鏡の男はただ一言告げた。たった四文字に宿る言葉の重み、そして迫力があったため九鬼は凄んでしまい、気が付けば手を放していた。
「あ」
阻むものはもう何もなかったため、男二人は何食わぬ顔で九鬼の前から立ち去った。
「チッ。手塚! 首洗って待ってろよ! 今年は青学を倒してやるぜ」
「おい」
「ぬわっ!?」
もういいだろうと思った麻美は後ろから九鬼に声をかける。これ以上待つ気はなかったので。
だが、突然話しかけたことにより九鬼は跳び跳ねる勢いで驚き、大きな声を上げた。
「な、なんだ……。立海のマネージャーか。ビビらせるな!」
「あれだけで驚くなんてノミの心臓かよ」
「そ、それより、なんで立海のマネージャーであるお前がここにいるんだ。立海も地区予選が始まってんだろっ」
「はぁ……あんたに借りを返しに来た」
溜め息をこぼした麻美が理由を述べてから「ほら」と九鬼にペットボトル飲料水を投げ渡した。
「お、っと、と! ……スポーツ飲料水? ……ははーん。さてはオレ様の応援に来たってわけだな」
「は?」
「あぁ、あぁ、みなまで言うな。オレ様にはちゃーんと分かってっから! お前の気持ち!」
うんうんと頷き、にやけては「いやーオレってモテちゃうもんな!」と口にする柿ノ木の主将に麻美はイラッとしてしまう。
「勘違いも甚だしいな。弦一郎に言われて礼をしただけだ。それ以上でも以下でもない」
「はいはいはい。ツンデレっちゃって」
「ち・が・う!!」
言っても分からないなら分からせるまでだと言わんばかりに麻美は九鬼の胸ぐらを掴み、もう片手は拳を作る。
そんな鬼の形相を見せた麻美にさすがの九鬼も冷や汗を流しながら「はひ……」と答えるしかなかった。
舌打ちをして荒々しく九鬼から手放すと麻美は思い出したように口を開く。
「そういえばさっきあんたが話して奴らが青学か?」
九鬼が捨て台詞の如く吐き出した言葉に青学という単語が聞こえた麻美が確認する。
「あぁ、そーだけど?」
すでに何度か耳に入っている青学という学校。確か玉林と試合をしていると言っていたなとぼんやりと思い出す。
「オレのファンじゃないならそろそろ行くぜ。昼飯食ってから準決勝なもんでな。ま、次は不動峰だか不動産だか知らないが無名校だから楽勝だし、決勝で青学をぶっ潰してやるぜ。アッハッハッ!!」
背を向けた九鬼は、貰った飲料水を持ちながら手をひらひらと振り、さらに高笑いをしながら麻美の前から姿を消した。
お調子者とは言わざるを得ない九鬼の態度にハッと鼻で笑う麻美はようやく目的を終わらせたので早く神奈川に帰って真田の応援に向かおうとした。
だが、今帰っても弦一郎のことだからすでに試合を終わらせているのかもしれないと予想する。
それならば東京校の偵察がてら決勝まで観戦してやるか。そうした方が弦一郎との話のネタにもなるだろうし、マネージャーとしての務めも果たせると麻美は考えを改めた。
(私も飯食って、柿ノ木の準決勝を観るか……)
麻美もどこかで昼ご飯を食べようと志季の森運動公園から一旦出ることに決める。
この時の彼女はまだ黒い軍団の存在に気付かなかった。
何とか柿ノ木中が試合しているコートに辿り着くことが出来た麻美はフェンス越しから九鬼が勝利を収めた瞬間に立ち会っていた。
九鬼の試合を全て見ることは出来なかったが、それでも弦一郎の方が実力は上だと確信している。
そんなことを考える間に九鬼はコートから出て来たので麻美はさっさとペットボトルを押し付けようと彼の元へ向かおうとしたのだが、九鬼は他校生に話しかけたため麻美は小さく舌打ちをした。
タイミングの悪い奴だなと思いながら用件が終わるまで待つことにする。
(あれはどこの学校だ?)
九鬼は青いジャージを纏う二人の他校生と話している様子。そのうち一人が立ち去る素振りを見せると、九鬼がその男の腕を「待てよ!」と言って掴んだ。
「腕を見せてみろよ。何か理由が……!?」
「放せよ」
腕を掴まれた眼鏡の男はただ一言告げた。たった四文字に宿る言葉の重み、そして迫力があったため九鬼は凄んでしまい、気が付けば手を放していた。
「あ」
阻むものはもう何もなかったため、男二人は何食わぬ顔で九鬼の前から立ち去った。
「チッ。手塚! 首洗って待ってろよ! 今年は青学を倒してやるぜ」
「おい」
「ぬわっ!?」
もういいだろうと思った麻美は後ろから九鬼に声をかける。これ以上待つ気はなかったので。
だが、突然話しかけたことにより九鬼は跳び跳ねる勢いで驚き、大きな声を上げた。
「な、なんだ……。立海のマネージャーか。ビビらせるな!」
「あれだけで驚くなんてノミの心臓かよ」
「そ、それより、なんで立海のマネージャーであるお前がここにいるんだ。立海も地区予選が始まってんだろっ」
「はぁ……あんたに借りを返しに来た」
溜め息をこぼした麻美が理由を述べてから「ほら」と九鬼にペットボトル飲料水を投げ渡した。
「お、っと、と! ……スポーツ飲料水? ……ははーん。さてはオレ様の応援に来たってわけだな」
「は?」
「あぁ、あぁ、みなまで言うな。オレ様にはちゃーんと分かってっから! お前の気持ち!」
うんうんと頷き、にやけては「いやーオレってモテちゃうもんな!」と口にする柿ノ木の主将に麻美はイラッとしてしまう。
「勘違いも甚だしいな。弦一郎に言われて礼をしただけだ。それ以上でも以下でもない」
「はいはいはい。ツンデレっちゃって」
「ち・が・う!!」
言っても分からないなら分からせるまでだと言わんばかりに麻美は九鬼の胸ぐらを掴み、もう片手は拳を作る。
そんな鬼の形相を見せた麻美にさすがの九鬼も冷や汗を流しながら「はひ……」と答えるしかなかった。
舌打ちをして荒々しく九鬼から手放すと麻美は思い出したように口を開く。
「そういえばさっきあんたが話して奴らが青学か?」
九鬼が捨て台詞の如く吐き出した言葉に青学という単語が聞こえた麻美が確認する。
「あぁ、そーだけど?」
すでに何度か耳に入っている青学という学校。確か玉林と試合をしていると言っていたなとぼんやりと思い出す。
「オレのファンじゃないならそろそろ行くぜ。昼飯食ってから準決勝なもんでな。ま、次は不動峰だか不動産だか知らないが無名校だから楽勝だし、決勝で青学をぶっ潰してやるぜ。アッハッハッ!!」
背を向けた九鬼は、貰った飲料水を持ちながら手をひらひらと振り、さらに高笑いをしながら麻美の前から姿を消した。
お調子者とは言わざるを得ない九鬼の態度にハッと鼻で笑う麻美はようやく目的を終わらせたので早く神奈川に帰って真田の応援に向かおうとした。
だが、今帰っても弦一郎のことだからすでに試合を終わらせているのかもしれないと予想する。
それならば東京校の偵察がてら決勝まで観戦してやるか。そうした方が弦一郎との話のネタにもなるだろうし、マネージャーとしての務めも果たせると麻美は考えを改めた。
(私も飯食って、柿ノ木の準決勝を観るか……)
麻美もどこかで昼ご飯を食べようと志季の森運動公園から一旦出ることに決める。
この時の彼女はまだ黒い軍団の存在に気付かなかった。