自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第7話『合同練習とスパイ組』
主人公名前変換
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「遅い」
柿ノ木中学校前のバス停にてイライラしながら腕時計へと目を落とす麻美は遥と切原が来るのをずっと待っていた。
バスが来るごとに降りた人と車内の様子を見るが、まだ二人の姿はない。
「とっくに到着してもいいはずなのに、あいつらどこをほっつき歩いてる?」
あとで弦一郎に怒ってもらわないとと思いながら、麻美は腕を組んで遅刻組を乗せたバスが来るのを待った。
「オイ」
そんな麻美に一人の男が声をかけた。その男とは先程切原に扮した浦山と試合をした柿ノ木中の男子テニス部部長、九鬼貴一である。
「あんたはここの部長の……」
「あぁ、柿ノ木中の九鬼きっ……九鬼貴一だ」
「なぜ自分の名前で噛む?」
緊張してるわけでもないのにどうやったら自分の名前で噛むのか。どこか呆れるような目を相手に向けた。
「そ、そんな細かいことはどうでもいいんだよっ! それよりまだ遅刻組は来ないのか?」
「……なんだ、知ってたのか」
「まだ来ないだの、遅刻とはたるんどる! だの聞こえてきたからな」
どうやら立海の騒ぎが柿ノ木の耳にも届いていたようだ。
そういえば試合をどうにかすると柳が言っていたことを思い出した麻美は試合の順番が後になったのだろうと考える。
「まったく部活に慣れないから遅刻だなんて新入生の世話も大変なもんだな」
「……」
九鬼の話から察するに遅刻してるのが2年生エースとマネージャーだということまでは分かっていないようだった。
「そもそも部長がここで何してる? ていうか何の用?」
「……お前、随分と偉そうな態度だな。まぁいい! オレサマは今すこぶる機嫌がいい。何せ、そちらさんのエースを叩きのめしちまったからな!」
アーッハッハッハッ! と何がおかしいのか笑い始める九鬼を見て一瞬だけ麻美はイラッとした。
エースを叩きのめしたとは言うが、そのエースは今まさに遅刻してる奴だし、おそらくあんたが対戦したのはただの代役だろと言えばその態度も変わるだろうかと考えるものの、面倒なので何も言わないことに決める。
すると九鬼はペットボトルを麻美の前に差し出した。スポーツドリンクである。
「何?」
「いつまで待たされるのか分からないんだろ? 優しいオレが差し入れに持ってきたってわけよ」
「……なんであんたがそこまでするんだよ?」
「ふっ。そもそもテニスとは紳士的なスポーツ。このオレが女子相手に気を遣えない男とも思われたくないのでな!」
紳士なら男女関係なく気を遣えよ。そう思って顔に出すが九鬼は気付かない。
「まぁ、くれるなら貰っておくけど」
喉も乾いたし、と差し出されたスポーツドリンクを受け取ると九鬼は満足げにふんぞり返るような笑みを浮かべる。
「ふふふ、今回はオレサマの活躍が見れずに残念だっただろうが、大会が始まれば嫌でもそのオレの活躍を目にすることになるだろう。応援に来てくれてもいいぜ」
「……」
何を言ってるんだこいつは。そう口にしてやろうかと思ったが九鬼は「じゃあなっ」と告げて勝手に戻っていく。
面倒くさそうな奴だなと溜め息をこぼしながら、麻美は貰ったスポーツドリンクの蓋を開けた。
一口ぐびっと飲んだその時、麻美の待っているバス停に1台のバスが停まった。
麻美は慌ててバスから降りる乗客を確かめるが、遥と切原の姿がないので、苛立ちが増していく。
そしてバスは発車し、車内で寝過ごしていないか外から眺める。
(というか、いくら何でも二人揃ってまた寝過ごすなんてこと有り得な━━)
有り得ない。そう思った瞬間に後部座席の窓から見たことのあるモジャモジャの後ろ頭の少年と傍らにあるテニスバックが見えた。
しかも彼の隣には何となく見たことのある後ろ姿の少女が見える。その二人の頭はどことなく眠っているかのように傾いていた。
「……そのバス待てぇぇぇぇ!!!」
遥と切原の二人だと判断した麻美は小さくなっていく二人の姿を追いかける。
次のバス停にまで追いつくように全力で走る麻美はのちに眠り続ける二人を無理やり引きずり降ろしたのだった。
柿ノ木中学校前のバス停にてイライラしながら腕時計へと目を落とす麻美は遥と切原が来るのをずっと待っていた。
バスが来るごとに降りた人と車内の様子を見るが、まだ二人の姿はない。
「とっくに到着してもいいはずなのに、あいつらどこをほっつき歩いてる?」
あとで弦一郎に怒ってもらわないとと思いながら、麻美は腕を組んで遅刻組を乗せたバスが来るのを待った。
「オイ」
そんな麻美に一人の男が声をかけた。その男とは先程切原に扮した浦山と試合をした柿ノ木中の男子テニス部部長、九鬼貴一である。
「あんたはここの部長の……」
「あぁ、柿ノ木中の九鬼きっ……九鬼貴一だ」
「なぜ自分の名前で噛む?」
緊張してるわけでもないのにどうやったら自分の名前で噛むのか。どこか呆れるような目を相手に向けた。
「そ、そんな細かいことはどうでもいいんだよっ! それよりまだ遅刻組は来ないのか?」
「……なんだ、知ってたのか」
「まだ来ないだの、遅刻とはたるんどる! だの聞こえてきたからな」
どうやら立海の騒ぎが柿ノ木の耳にも届いていたようだ。
そういえば試合をどうにかすると柳が言っていたことを思い出した麻美は試合の順番が後になったのだろうと考える。
「まったく部活に慣れないから遅刻だなんて新入生の世話も大変なもんだな」
「……」
九鬼の話から察するに遅刻してるのが2年生エースとマネージャーだということまでは分かっていないようだった。
「そもそも部長がここで何してる? ていうか何の用?」
「……お前、随分と偉そうな態度だな。まぁいい! オレサマは今すこぶる機嫌がいい。何せ、そちらさんのエースを叩きのめしちまったからな!」
アーッハッハッハッ! と何がおかしいのか笑い始める九鬼を見て一瞬だけ麻美はイラッとした。
エースを叩きのめしたとは言うが、そのエースは今まさに遅刻してる奴だし、おそらくあんたが対戦したのはただの代役だろと言えばその態度も変わるだろうかと考えるものの、面倒なので何も言わないことに決める。
すると九鬼はペットボトルを麻美の前に差し出した。スポーツドリンクである。
「何?」
「いつまで待たされるのか分からないんだろ? 優しいオレが差し入れに持ってきたってわけよ」
「……なんであんたがそこまでするんだよ?」
「ふっ。そもそもテニスとは紳士的なスポーツ。このオレが女子相手に気を遣えない男とも思われたくないのでな!」
紳士なら男女関係なく気を遣えよ。そう思って顔に出すが九鬼は気付かない。
「まぁ、くれるなら貰っておくけど」
喉も乾いたし、と差し出されたスポーツドリンクを受け取ると九鬼は満足げにふんぞり返るような笑みを浮かべる。
「ふふふ、今回はオレサマの活躍が見れずに残念だっただろうが、大会が始まれば嫌でもそのオレの活躍を目にすることになるだろう。応援に来てくれてもいいぜ」
「……」
何を言ってるんだこいつは。そう口にしてやろうかと思ったが九鬼は「じゃあなっ」と告げて勝手に戻っていく。
面倒くさそうな奴だなと溜め息をこぼしながら、麻美は貰ったスポーツドリンクの蓋を開けた。
一口ぐびっと飲んだその時、麻美の待っているバス停に1台のバスが停まった。
麻美は慌ててバスから降りる乗客を確かめるが、遥と切原の姿がないので、苛立ちが増していく。
そしてバスは発車し、車内で寝過ごしていないか外から眺める。
(というか、いくら何でも二人揃ってまた寝過ごすなんてこと有り得な━━)
有り得ない。そう思った瞬間に後部座席の窓から見たことのあるモジャモジャの後ろ頭の少年と傍らにあるテニスバックが見えた。
しかも彼の隣には何となく見たことのある後ろ姿の少女が見える。その二人の頭はどことなく眠っているかのように傾いていた。
「……そのバス待てぇぇぇぇ!!!」
遥と切原の二人だと判断した麻美は小さくなっていく二人の姿を追いかける。
次のバス停にまで追いつくように全力で走る麻美はのちに眠り続ける二人を無理やり引きずり降ろしたのだった。