自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第7話『合同練習とスパイ組』
主人公名前変換
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その頃、柿ノ木中ではすでに練習試合が始まっていた。しかし次は切原と柿ノ木中テニス部主将である九鬼との試合だというのに遥どころか切原すらまだ来ない状況。
「赤也先輩がまだ来てないでヤンス~!! あと西成先輩も!」
浦山がまだ来ていない二人のことをレギュラー陣に伝えると真田の眉間が深く刻まれた。
「何をやっとるんだ、赤也も西成もたるんどる!!」
「監督! 赤也に連絡しておいてください! 試合はこっちで何とかします!」
柳が再度切原に連絡を取ってもらうように頼む。練習試合のため遠征したというのに相手に待ってもらうわけにはいかないのも事実。
一体どうするつもりなのかとざわつく立海部員に混じる秋は不安げな表情をするが、麻美は対照的に呆れの息を吐く。
そして腹を決めたのか、麻美は真田に近づき提案を出す。
「弦一郎。私が校門前に立ってあいつらを待つ。姿が見えたらすぐに走らせて向かわせる」
「そうか……すまないが頼まれてくれるか?」
「あぁ、任せてくれ」
一度切原達と連絡が取れた麻美はその報告をしに部員達と合流したというのに待てど暮らせど二人がやって来ないので苛立ちながらも彼らを待つために再び校門前に立つことに決めた。
よくも弦一郎に迷惑をかけたな、あいつら。と思いながら麻美は不機嫌そうに一人でまた校門へと向かう。
「麻美、今度は私が変わろうか?」
そんなあちこち移動ばかりする麻美に気遣ったのか秋が声をかける。
「結構。あいつらを殴らないと気がすまないし、私が行く」
「そう? こっちの仕事は私が何とかするからね」
「あぁ、頼んだ」
遠征であろうとマネージャーの仕事は変わらない。むしろ対戦相手がいることによりさらに彼らへにも目を配らなければいけないため仕事が増えるくらいだ。
麻美を見送った秋は「よしっ」と自身に気合いを入れる。
その前に切原の試合をどうするかだ。本人もいないことだし後回しにされるんじゃないかなと思ったその時。
「ワシが出てやろうかの?」
「!」
仁王の声を聞いてドキリとした。どうやら切原の代わりに出場する様子だが、すぐさま柳生が口を開く。
「あなたが出るまでもないですよ、仁王くん」
「?」
言葉の意味が分からなかった。桑原も秋と同じ気持ちだったのだろう。彼の頭上にも疑問符が浮かんでいる。
切原くんは絶対に間に合わないだろうし、他に適任でもいるのかな? そんな秋の疑問はすぐに解消される。
なぜなら柳生の視線は浦山へと向けられたのだから。気付いた周りの部員達も彼へといっせいに目を向ける。
「え?」
「……あ、まさか」
秋もようやく理解した。
「ええ~っ」
浦山が切原の代役となることに。
その後の試合は6-1で柿ノ木中テニス部主将、九鬼貴一の勝利となった。
「お前は決して弱くない。オレが強かっただけの話だ!!」
がっくりと肩を落とす浦山に指を差しながら声をかけた九鬼だったが、内心は立海のスーパールーキーに勝てたと喜んでいた。
知らない方が幸せというべきか。その結果を見ながら秋は少しだけ九鬼に同情する。
それにしてもわざわざ代役を立てなくても普通に違う選手と交代すれば良かったんじゃないかと、ぼんやりと考えたがそれを言うのは野暮かもしれないと思い口を閉じた。
「ぷはぁーっ。ばっちぃーでヤンスー!」
コートから離れた浦山が頭の被り物を剥ぎ取って地面に落とした。それは大量のワカメである。
「コレ、普通は気付くだろぃ……」
「ワカメを被れば誰もが切原君です」
丸井が若干引きながらも風船ガムを膨らませ、柳生は眼鏡のブリッジを上げていた。
どこからワカメを入手したのかは分からないけど、さすがにあれを頭に被せて試合するのはなかなかに大変だと思われる。
浦山くん、もしかして先輩達に遊ばれてる? なんて思ったが、ぜぇぜぇする彼を見て秋はふと思った。
もしかして、新入生に他校と練習試合をさせる経験をさせたかったのかな?
新入生部員ならば相手も手を抜いたり手加減をしたりして本気で相手をしてくれない可能性がある。だから実力のある立海のエースである切原として出たら対戦相手も手を抜けないのではないか。
そんな考えに辿り着いた秋は全てを納得した。最初は言い出しっぺである真面目そうな柳生が後輩をからかうなんて意外だと思っていたが、そういう思いがあるなら話は別だ。
(柳生君、そこまで考えてたんだ。新入部員にも本気で試合をしてもらえるようにチャンスを与えただなんて……)
尊敬の眼差しを柳生に向けながら秋は自分もそこまで気を回せる先輩にならないと、と考えた。
「のぅ、柳生。九条がお前さんに熱い視線を送っちょるぜ。盛大な勘違いをしとるとは思うがの。お前さんの遊び心は真面目な奴には伝わらんようじゃのぅ」
「何を仰るやら。私はいつでも紳士的に考えて実行したまでです」
「ほー?」
真意はどうかは分からないが、結局のところ本人にしか知りえないことである。
「赤也先輩がまだ来てないでヤンス~!! あと西成先輩も!」
浦山がまだ来ていない二人のことをレギュラー陣に伝えると真田の眉間が深く刻まれた。
「何をやっとるんだ、赤也も西成もたるんどる!!」
「監督! 赤也に連絡しておいてください! 試合はこっちで何とかします!」
柳が再度切原に連絡を取ってもらうように頼む。練習試合のため遠征したというのに相手に待ってもらうわけにはいかないのも事実。
一体どうするつもりなのかとざわつく立海部員に混じる秋は不安げな表情をするが、麻美は対照的に呆れの息を吐く。
そして腹を決めたのか、麻美は真田に近づき提案を出す。
「弦一郎。私が校門前に立ってあいつらを待つ。姿が見えたらすぐに走らせて向かわせる」
「そうか……すまないが頼まれてくれるか?」
「あぁ、任せてくれ」
一度切原達と連絡が取れた麻美はその報告をしに部員達と合流したというのに待てど暮らせど二人がやって来ないので苛立ちながらも彼らを待つために再び校門前に立つことに決めた。
よくも弦一郎に迷惑をかけたな、あいつら。と思いながら麻美は不機嫌そうに一人でまた校門へと向かう。
「麻美、今度は私が変わろうか?」
そんなあちこち移動ばかりする麻美に気遣ったのか秋が声をかける。
「結構。あいつらを殴らないと気がすまないし、私が行く」
「そう? こっちの仕事は私が何とかするからね」
「あぁ、頼んだ」
遠征であろうとマネージャーの仕事は変わらない。むしろ対戦相手がいることによりさらに彼らへにも目を配らなければいけないため仕事が増えるくらいだ。
麻美を見送った秋は「よしっ」と自身に気合いを入れる。
その前に切原の試合をどうするかだ。本人もいないことだし後回しにされるんじゃないかなと思ったその時。
「ワシが出てやろうかの?」
「!」
仁王の声を聞いてドキリとした。どうやら切原の代わりに出場する様子だが、すぐさま柳生が口を開く。
「あなたが出るまでもないですよ、仁王くん」
「?」
言葉の意味が分からなかった。桑原も秋と同じ気持ちだったのだろう。彼の頭上にも疑問符が浮かんでいる。
切原くんは絶対に間に合わないだろうし、他に適任でもいるのかな? そんな秋の疑問はすぐに解消される。
なぜなら柳生の視線は浦山へと向けられたのだから。気付いた周りの部員達も彼へといっせいに目を向ける。
「え?」
「……あ、まさか」
秋もようやく理解した。
「ええ~っ」
浦山が切原の代役となることに。
その後の試合は6-1で柿ノ木中テニス部主将、九鬼貴一の勝利となった。
「お前は決して弱くない。オレが強かっただけの話だ!!」
がっくりと肩を落とす浦山に指を差しながら声をかけた九鬼だったが、内心は立海のスーパールーキーに勝てたと喜んでいた。
知らない方が幸せというべきか。その結果を見ながら秋は少しだけ九鬼に同情する。
それにしてもわざわざ代役を立てなくても普通に違う選手と交代すれば良かったんじゃないかと、ぼんやりと考えたがそれを言うのは野暮かもしれないと思い口を閉じた。
「ぷはぁーっ。ばっちぃーでヤンスー!」
コートから離れた浦山が頭の被り物を剥ぎ取って地面に落とした。それは大量のワカメである。
「コレ、普通は気付くだろぃ……」
「ワカメを被れば誰もが切原君です」
丸井が若干引きながらも風船ガムを膨らませ、柳生は眼鏡のブリッジを上げていた。
どこからワカメを入手したのかは分からないけど、さすがにあれを頭に被せて試合するのはなかなかに大変だと思われる。
浦山くん、もしかして先輩達に遊ばれてる? なんて思ったが、ぜぇぜぇする彼を見て秋はふと思った。
もしかして、新入生に他校と練習試合をさせる経験をさせたかったのかな?
新入生部員ならば相手も手を抜いたり手加減をしたりして本気で相手をしてくれない可能性がある。だから実力のある立海のエースである切原として出たら対戦相手も手を抜けないのではないか。
そんな考えに辿り着いた秋は全てを納得した。最初は言い出しっぺである真面目そうな柳生が後輩をからかうなんて意外だと思っていたが、そういう思いがあるなら話は別だ。
(柳生君、そこまで考えてたんだ。新入部員にも本気で試合をしてもらえるようにチャンスを与えただなんて……)
尊敬の眼差しを柳生に向けながら秋は自分もそこまで気を回せる先輩にならないと、と考えた。
「のぅ、柳生。九条がお前さんに熱い視線を送っちょるぜ。盛大な勘違いをしとるとは思うがの。お前さんの遊び心は真面目な奴には伝わらんようじゃのぅ」
「何を仰るやら。私はいつでも紳士的に考えて実行したまでです」
「ほー?」
真意はどうかは分からないが、結局のところ本人にしか知りえないことである。