自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第7話『合同練習とスパイ組』
主人公名前変換
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「ただいまーっと」
丸井が帰宅するとその声を聞きつけ、彼の5歳と8歳の弟が玄関まで迎えにきた。
「兄ちゃんおかえり!」
「おかえりー!」
輝かしい目で兄を見つめる二人に丸井は「うっ」と言葉に詰まった。
二人が何を期待しているのか知っているためどうするか悩むが、年の離れた可愛い弟達に喜んでもらいたい気持ちもないわけではない。結局丸井は折れるしかなかった。
……だってこんな期待のこもった目で見られちまったら駄目だなんて言えやしねぇだろぃ?
心の中で言い訳しながら彼はバッグを下ろした。
「夕飯前だから1個だけだかんな? それで怒られるのは俺だからよ」
バッグの中には貰い物のお菓子もあれば自分でコンビニなどで買ってきたお菓子が出てきた。
基本的に貰い物はすぐに食べるがあまりにも美味しい物や弟達の好きな物があれば少しだけ残すこともある。たまに我慢が出来ずに食べてしまうこともあるがその場合はコンビニで買った菓子を与えていた。
しかし最近は母に「夕飯前にお菓子をあげないように」と言われたばかりなので抵抗はあるものの、結局弟達の穢れのない目には勝てなかったのである。
「うん!」
「兄ちゃんありがとー!」
それでも弟達のキラキラ笑顔は眩しいものでついつい「これもいるか?」と言いたくなるがグッと堪える。それで怒られるのは自分になるのだから。
弟達は各々好きなお菓子をひとつ選んで喜びながら部屋へ走った。
「ったく、天使すぎるのも困ったもんだぜ。俺に似すぎだろぃ」
玄関前には開けっ放しのバッグと中を漁って取り出されたお菓子の数々。それを再び鞄の中へとしまっていたら生徒手帳が落ちてることに気がつく。普通ならばお菓子と共に外へ出されたのだろうと思うが、丸井にとってそれはおかしなことだった。
何故ならば自分の生徒手帳はポケットに入れているはず。そう思っていつも突っ込んでいるポケットに手を入れると間違いなくそこには自分の生徒手帳が出てきた。
じゃあこれはなんだ? 生徒手帳が二冊あるわけないし。どっかで紛れ込んだってのか?
訳がわからないまま生徒手帳を開くとちゃんと学生証と共に持ち主の名前もしっかり記載されていた。
「赤宮……麻美……?」
もちろん知っている名であった。学生証の写真も確認するとそこにはまさしく彼の知っている赤宮麻美の顔が写っている。学生証写真までどこか仏頂面だな……と思ったが今はそんなことを考えている場合ではない。
「いやいやいや、なんであいつの生徒手帳が……あっ」
そこで可能性がある事件を思い出した。それは先程、下校最中のことだ。麻美とぶつかって荷物が散乱したのだ。それも互いに。
おそらくその時にあれこれ突っ込んだことによって紛れ込んだのかもしれない。確認したつもりだったが喋りながらだったこともあり、気付かないまま詰め込んだのだろう。
「やべぇ……早く返してやんねーとあいつ怒るぞ」
ただでさえおっかねぇ奴なんだから次に会う時にでも返さないと睨まれること間違いなし。
連絡先さえ知ってりゃすぐにメッセを飛ばせるのに赤宮麻美とはアプリの友達登録どころかメアドすら交換してないから連絡しようもない……まぁ、生徒手帳なんてそんなに必要性はないだろうし、そこまで大袈裟に探してるわけでもないから緊急性もない。返せそうな日といえば日曜日の合同練習だからその時に返せば問題ないだろぃ。
そう思ってパラパラと生徒手帳を捲る。その拍子にヒラリと一枚の写真が落ちたので丸井はそれに手を取るが、その写真を見て固まった。
「!?」
それもそのはず。その写真は真田が写ったものだった。しかもこれは修学旅行で沖縄に行った時のもの。写真購入の際に見たことがあるから間違いない。
しかし自分の写ってない写真なんて必要か? いや、中にはいる。周りに気付かれることなく好きな相手の写真が手に入るのだからこっそり購入する生徒も少なくはない。
麻美と真田が幼馴染みという話は柳からこっそりと聞いたが、幼馴染みだからといってその相手の写真を持ち歩くものだろうか?
「もしかして赤宮の奴……」
考えられることはひとつ。赤宮麻美が真田に思いを寄せているというのなら全てが繋がるのだ。彼女があっさりとテニス部のマネージャーを承諾したのも、生徒手帳に真田の写真が挟まっていたのも。
おいおい。これって大スクープじゃねぇの!?
誰も知らないニュースを知った丸井は驚きながらも誰かに話したくて仕方なかったため、すぐに自室へと走った。
丸井が帰宅するとその声を聞きつけ、彼の5歳と8歳の弟が玄関まで迎えにきた。
「兄ちゃんおかえり!」
「おかえりー!」
輝かしい目で兄を見つめる二人に丸井は「うっ」と言葉に詰まった。
二人が何を期待しているのか知っているためどうするか悩むが、年の離れた可愛い弟達に喜んでもらいたい気持ちもないわけではない。結局丸井は折れるしかなかった。
……だってこんな期待のこもった目で見られちまったら駄目だなんて言えやしねぇだろぃ?
心の中で言い訳しながら彼はバッグを下ろした。
「夕飯前だから1個だけだかんな? それで怒られるのは俺だからよ」
バッグの中には貰い物のお菓子もあれば自分でコンビニなどで買ってきたお菓子が出てきた。
基本的に貰い物はすぐに食べるがあまりにも美味しい物や弟達の好きな物があれば少しだけ残すこともある。たまに我慢が出来ずに食べてしまうこともあるがその場合はコンビニで買った菓子を与えていた。
しかし最近は母に「夕飯前にお菓子をあげないように」と言われたばかりなので抵抗はあるものの、結局弟達の穢れのない目には勝てなかったのである。
「うん!」
「兄ちゃんありがとー!」
それでも弟達のキラキラ笑顔は眩しいものでついつい「これもいるか?」と言いたくなるがグッと堪える。それで怒られるのは自分になるのだから。
弟達は各々好きなお菓子をひとつ選んで喜びながら部屋へ走った。
「ったく、天使すぎるのも困ったもんだぜ。俺に似すぎだろぃ」
玄関前には開けっ放しのバッグと中を漁って取り出されたお菓子の数々。それを再び鞄の中へとしまっていたら生徒手帳が落ちてることに気がつく。普通ならばお菓子と共に外へ出されたのだろうと思うが、丸井にとってそれはおかしなことだった。
何故ならば自分の生徒手帳はポケットに入れているはず。そう思っていつも突っ込んでいるポケットに手を入れると間違いなくそこには自分の生徒手帳が出てきた。
じゃあこれはなんだ? 生徒手帳が二冊あるわけないし。どっかで紛れ込んだってのか?
訳がわからないまま生徒手帳を開くとちゃんと学生証と共に持ち主の名前もしっかり記載されていた。
「赤宮……麻美……?」
もちろん知っている名であった。学生証の写真も確認するとそこにはまさしく彼の知っている赤宮麻美の顔が写っている。学生証写真までどこか仏頂面だな……と思ったが今はそんなことを考えている場合ではない。
「いやいやいや、なんであいつの生徒手帳が……あっ」
そこで可能性がある事件を思い出した。それは先程、下校最中のことだ。麻美とぶつかって荷物が散乱したのだ。それも互いに。
おそらくその時にあれこれ突っ込んだことによって紛れ込んだのかもしれない。確認したつもりだったが喋りながらだったこともあり、気付かないまま詰め込んだのだろう。
「やべぇ……早く返してやんねーとあいつ怒るぞ」
ただでさえおっかねぇ奴なんだから次に会う時にでも返さないと睨まれること間違いなし。
連絡先さえ知ってりゃすぐにメッセを飛ばせるのに赤宮麻美とはアプリの友達登録どころかメアドすら交換してないから連絡しようもない……まぁ、生徒手帳なんてそんなに必要性はないだろうし、そこまで大袈裟に探してるわけでもないから緊急性もない。返せそうな日といえば日曜日の合同練習だからその時に返せば問題ないだろぃ。
そう思ってパラパラと生徒手帳を捲る。その拍子にヒラリと一枚の写真が落ちたので丸井はそれに手を取るが、その写真を見て固まった。
「!?」
それもそのはず。その写真は真田が写ったものだった。しかもこれは修学旅行で沖縄に行った時のもの。写真購入の際に見たことがあるから間違いない。
しかし自分の写ってない写真なんて必要か? いや、中にはいる。周りに気付かれることなく好きな相手の写真が手に入るのだからこっそり購入する生徒も少なくはない。
麻美と真田が幼馴染みという話は柳からこっそりと聞いたが、幼馴染みだからといってその相手の写真を持ち歩くものだろうか?
「もしかして赤宮の奴……」
考えられることはひとつ。赤宮麻美が真田に思いを寄せているというのなら全てが繋がるのだ。彼女があっさりとテニス部のマネージャーを承諾したのも、生徒手帳に真田の写真が挟まっていたのも。
おいおい。これって大スクープじゃねぇの!?
誰も知らないニュースを知った丸井は驚きながらも誰かに話したくて仕方なかったため、すぐに自室へと走った。