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第6話『友人関係の際に起こる洗礼』
主人公名前変換
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「副生徒会長さんは早速サボりか」
放課後の部活終わり、女子更衣室にて麻美がぼそりと呟いた。部活に出ていない秋の姿がないことには早くから気づいていたが、その理由まで知らないから。
隣で着替えていた遥が目をぱちくりしたあとにまーっと口角を上げて笑い顔を見せた。
「麻美ってば秋のことが心配なんだねっ」
「……今の言葉でどうしてそうなる?」
「ふふふ、みなまで言うな。あたしには何でも分かるのだ」
「分かってねぇよ、馬鹿」
「照れない照れないだだだだだっ!! 耳っ! 耳ちぎれるっ!」
勝手に勘違いするなと言いたげに遥の耳を思いっきり引っ張る麻美。しばらくして耳から手を離すと遥は片耳を押さえながら「ちぎれてないっ? あたしの耳ちゃんとある!?」と騒いだ。
「それくらいで大袈裟な奴」
「いや、君の力凄いから! あたしびっくりしちゃったもん!」
「あ、そ」
「クール! クールが過ぎるぜ麻美さんよぉ!」
「ところであいつはなんで今日は部活に出てないわけ?」
あんた知ってんだろ。そういう目で遥を見やれば彼女はやれやれといった表情で答えた。
「仁王と一緒に幸村のお見舞いに行ったのだよ」
「部活を休んでまで行くものかよ」
「積もる話があるんじゃないかしら? そもそも仁王が誘ってたし」
「あぁ、あいつが元凶か。飄々していてなんかムカつく奴」
「そういう覚え方……? まぁ、次の部活はちゃんと出て来るから心配しないでくれたまえ」
「心配じゃなくサボってんのが気に食わない」
「秋に関してはサボりというか巻き込まれだと思うのだが」
「マネージャーたるもの部員に惑わされてどうする」
そう告げると麻美はすでに着替え終え、遥に何も告げることなく先に更衣室から出る。
「えっ、ちょっと待ってよー!」
遥を置いて先々と歩く麻美に着替え途中の遥は急いで着替え、少し遅れて女子更衣室から飛び出した。
駆け寄って一緒に帰ろうとする彼女に麻美はチッと舌打ちをし、振り切るかと考えて走り出す。
「なんで走るの!? 何の競走始まったの!? 一緒に帰るんでしょ!?」
「うっさい! 勝手に決めるな! 一人で帰れ!」
そう叫ぶも遥が「分かった!」と言うわけなく麻美を追いかける。しかし脚力は麻美の方が強いので遥は麻美に追いつくどころか段々と離されていく。
よし、このまま振り切ってやるか。後ろをちらりと見てそう思った瞬間だった。
ドンッ!
後ろを振り向きながら走っていた麻美の落ち度であった。前方不注意だったせいで人とぶつかってしまう。
走っていた勢いや、急いでいたため鞄もきちんと閉まっていなかったこともあってか鞄の中身が地面へとぶちまけてしまった。
不幸なことにぶつかった相手も同じく鞄の中をばらけてしまう。
「ってぇ!」
「チッ。私の前に立つな!」
「はあっ!? んだよ、赤宮かよ……って、ぶつかって来たのはそっちだろぃ!?」
「丸井……あんた運動部員なら持ち前の運動能力で避けるなりしろよっ」
「無茶言うなってーの! あーぁ、中身がめちゃくちゃになっちまったし……」
深い溜め息を吐き捨てながら丸井はしゃがみ込み、麻美と己の教科書やノートを確認しながら集めていく。
「くそっ、ツイてない……」
「こっちの台詞だっつーの」
「はあ?」
「そもそもなんで走ってんだよ。怖いものから逃げてんの?」
「怖いものなんてないけど」
「じゃあ何をそんなに急いでるわけ?」
ぐっ、と麻美は唇を噛む。急いでいるというわけではないが怖いものから逃げてるわけではない。鬱陶しい奴を撒いてるだけだと口にしたいが「結局逃げてんじゃねぇか」と反論があるような気がして下手に言い返せなかった。
すると麻美の前に教科書が差し出される。どうやらそれは彼女のものようで丸井は再度溜め息をつきながら受け取るのを促すように突きつける。
「お前って結構慌ただしいよな」
「人をおっちょこちょいみたいに言うなっ」
バッと奪うようにして教科書を受け取った麻美は自分の所有物を鞄に押し込めていく。
「おいおい、そんな適当に押し込むことないだろぃ? せっかちな奴だな」
「うっさい! 早くしねぇとあいつが━━」
「麻美ー! みっけ!」
「っち、もう来やがった!」
「あー……なるほど」
遥が麻美に追いつこうと走って来る。それを見た丸井は全て察したかのように呟いた。
最近はよく追いかけっこしてるよな、と感じる丸井は少し思うことがある。
麻美は嫌がっているように見えるが手を上げるようなことはしていないので本気で拒絶しているわけではないと。
おそらく他人から歩み寄られ慣れていないのだろう。麻美は逃げることしか対処出来ないのだから。
そんなことを考えていたら麻美は散らばった荷物を全て詰め終えたのか、すぐにその場から走り出した。また遥との追いかけっこ再開である。
(微笑ましいと思うべきか、これ?)
嵐のような二人を見送ると、丸井も荷物を鞄に詰め込み終え帰宅することにした。
放課後の部活終わり、女子更衣室にて麻美がぼそりと呟いた。部活に出ていない秋の姿がないことには早くから気づいていたが、その理由まで知らないから。
隣で着替えていた遥が目をぱちくりしたあとにまーっと口角を上げて笑い顔を見せた。
「麻美ってば秋のことが心配なんだねっ」
「……今の言葉でどうしてそうなる?」
「ふふふ、みなまで言うな。あたしには何でも分かるのだ」
「分かってねぇよ、馬鹿」
「照れない照れないだだだだだっ!! 耳っ! 耳ちぎれるっ!」
勝手に勘違いするなと言いたげに遥の耳を思いっきり引っ張る麻美。しばらくして耳から手を離すと遥は片耳を押さえながら「ちぎれてないっ? あたしの耳ちゃんとある!?」と騒いだ。
「それくらいで大袈裟な奴」
「いや、君の力凄いから! あたしびっくりしちゃったもん!」
「あ、そ」
「クール! クールが過ぎるぜ麻美さんよぉ!」
「ところであいつはなんで今日は部活に出てないわけ?」
あんた知ってんだろ。そういう目で遥を見やれば彼女はやれやれといった表情で答えた。
「仁王と一緒に幸村のお見舞いに行ったのだよ」
「部活を休んでまで行くものかよ」
「積もる話があるんじゃないかしら? そもそも仁王が誘ってたし」
「あぁ、あいつが元凶か。飄々していてなんかムカつく奴」
「そういう覚え方……? まぁ、次の部活はちゃんと出て来るから心配しないでくれたまえ」
「心配じゃなくサボってんのが気に食わない」
「秋に関してはサボりというか巻き込まれだと思うのだが」
「マネージャーたるもの部員に惑わされてどうする」
そう告げると麻美はすでに着替え終え、遥に何も告げることなく先に更衣室から出る。
「えっ、ちょっと待ってよー!」
遥を置いて先々と歩く麻美に着替え途中の遥は急いで着替え、少し遅れて女子更衣室から飛び出した。
駆け寄って一緒に帰ろうとする彼女に麻美はチッと舌打ちをし、振り切るかと考えて走り出す。
「なんで走るの!? 何の競走始まったの!? 一緒に帰るんでしょ!?」
「うっさい! 勝手に決めるな! 一人で帰れ!」
そう叫ぶも遥が「分かった!」と言うわけなく麻美を追いかける。しかし脚力は麻美の方が強いので遥は麻美に追いつくどころか段々と離されていく。
よし、このまま振り切ってやるか。後ろをちらりと見てそう思った瞬間だった。
ドンッ!
後ろを振り向きながら走っていた麻美の落ち度であった。前方不注意だったせいで人とぶつかってしまう。
走っていた勢いや、急いでいたため鞄もきちんと閉まっていなかったこともあってか鞄の中身が地面へとぶちまけてしまった。
不幸なことにぶつかった相手も同じく鞄の中をばらけてしまう。
「ってぇ!」
「チッ。私の前に立つな!」
「はあっ!? んだよ、赤宮かよ……って、ぶつかって来たのはそっちだろぃ!?」
「丸井……あんた運動部員なら持ち前の運動能力で避けるなりしろよっ」
「無茶言うなってーの! あーぁ、中身がめちゃくちゃになっちまったし……」
深い溜め息を吐き捨てながら丸井はしゃがみ込み、麻美と己の教科書やノートを確認しながら集めていく。
「くそっ、ツイてない……」
「こっちの台詞だっつーの」
「はあ?」
「そもそもなんで走ってんだよ。怖いものから逃げてんの?」
「怖いものなんてないけど」
「じゃあ何をそんなに急いでるわけ?」
ぐっ、と麻美は唇を噛む。急いでいるというわけではないが怖いものから逃げてるわけではない。鬱陶しい奴を撒いてるだけだと口にしたいが「結局逃げてんじゃねぇか」と反論があるような気がして下手に言い返せなかった。
すると麻美の前に教科書が差し出される。どうやらそれは彼女のものようで丸井は再度溜め息をつきながら受け取るのを促すように突きつける。
「お前って結構慌ただしいよな」
「人をおっちょこちょいみたいに言うなっ」
バッと奪うようにして教科書を受け取った麻美は自分の所有物を鞄に押し込めていく。
「おいおい、そんな適当に押し込むことないだろぃ? せっかちな奴だな」
「うっさい! 早くしねぇとあいつが━━」
「麻美ー! みっけ!」
「っち、もう来やがった!」
「あー……なるほど」
遥が麻美に追いつこうと走って来る。それを見た丸井は全て察したかのように呟いた。
最近はよく追いかけっこしてるよな、と感じる丸井は少し思うことがある。
麻美は嫌がっているように見えるが手を上げるようなことはしていないので本気で拒絶しているわけではないと。
おそらく他人から歩み寄られ慣れていないのだろう。麻美は逃げることしか対処出来ないのだから。
そんなことを考えていたら麻美は散らばった荷物を全て詰め終えたのか、すぐにその場から走り出した。また遥との追いかけっこ再開である。
(微笑ましいと思うべきか、これ?)
嵐のような二人を見送ると、丸井も荷物を鞄に詰め込み終え帰宅することにした。