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第6話『友人関係の際に起こる洗礼』
主人公名前変換
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病院にて幸村との面会を取り付けることが出来た秋と仁王はそのまま病室へと足を運ぶ……が、そこで「ちょい待ち」と仁王に声をかけられ、秋は足を止めた。
「俺は病室前で待っちょるからお前さんが一人で幸村に会いに行ってやりんしゃい」
「えっ? どうして? せっかく仁王くんも来たのに……」
「俺がテニスバッグを持って顔を出したら幸村への当てつけになるじゃろう」
「そんなこと……」
「それに今顔を出したら『何サボってるんだい』って言われるのがオチじゃからの。だから俺のことは内密にな?」
ここまで来たのに顔を合わせないなんて。でも幸村のことを考えて身を引く仁王の言い分も分からないわけでもなかったので秋は躊躇いながらもうんと頷く。
しかし秋は知らなかった。幸村のお見舞いは仁王がサボるための口実であり、本当に幸村と顔を合わせたら練習をサボってることを突かれるのでそれを避けるためである。
そうとも気づくことはない秋は仁王くんは優しいな……と思うのだった。
「お前さんはえぇ子じゃの。幸村によろしく言うてやってくれ」
フッと笑む仁王の姿に秋は胸が高鳴った。あまりにも綺麗であまりにも色気があってあまりにも格好良くて目が奪われてしまうがすぐにハッとする。
「あ、わ、分かったよ。行ってくるねっ」
赤くなる顔を相手に見られないように頬を押さえながら、秋は幸村の病室へと一人で向かった。
コンコンと病室の扉を叩き、中から「どうぞ」と声が聞こえると秋はゆっくり扉を開ける。そこにはベッドに座り、読書をしている幸村の姿があった。
「やぁ、九条さんじゃないか。お見舞いに来てくれたんだ?」
「うん、体調はどうかな?」
「今のところは問題ないよ。ところで……今日は部活があったんじゃない?」
「あ、うん。もちろんちゃんと幸村くんのお見舞いに行くって告げて来たよ」
仁王くんが、とは言えないのでそこだけは伏せる。しかし幸村はくすくすと笑うので秋は疑問符を浮かべた。
「いいよ、隠さなくたって。大方仁王の仕業だろう?」
「えっ、えっ?」
「真面目な九条さんが部活を蹴ってまでお見舞いに来るわけないことくらい俺でも分かるよ。どうせ病室の外にでもいるんだろう?」
幸村のその声は病室前の壁に背中をよりかけていた仁王の耳にも入り、彼はぴくりと反応する。その後、やはりお見通しかという溜め息を漏らしながらもその姿を見せることはしなかった。
「え、えっと、私一人で来たから仁王くんはいないよ。でも、もしそうだとしても仁王くんは幸村くんのことを心配してることは確かだからっ」
内密と言われたからには仁王との約束を守ろうとして必死に仁王はいないとアピールするも幸村はやれやれと笑みを浮かべるだけ。
「九条さんに免じてそういうことにしておこうかな」
あぁ、幸村くんに気を遣わせてしまった……バレないと思っていたから咄嗟の言い訳も思いつかなかったのは私のミスだ。
内心しょんぼりしながら仁王がいることを隠しきれなかった上に幸村を騙すようなことを言ってしまった秋は仁王と幸村の両方に申し訳なさを抱いた。
「ところで部活の方はどうだい? 上手くやれてる? マネージャー仲とか問題ないかい?」
「あ、うん。ちゃんと上手くやれてるかは部員達の判断になるけど、遥と友達になれたし、麻美とも少し距離が縮まったよ」
「へぇ、西成さんだけじゃなく赤宮さんとももう仲良くなったんだ。名前呼びまでするんだから随分と早いじゃないか」
「麻美とはまだ友達って認めてくれないかもしれないけど、一緒に昼食を共にすることは出来たの」
そのことを思い出し嬉しく笑いながら報告する秋に幸村も微笑ましげに彼女を見つめる。
テニス部のコミュニケーション担当として入れた遥の効果が少なからずあったのではないかと考えるものの、想像よりマネージャー仲がよろしいようで幸村も「あぁ、俺も早く女子マネージャーのいる部活に復帰したいな」とにこやかに笑う顔をしたままそう願った。
「俺が戻る頃には三人の仲ももっと深まってるかもしれないね」
「そうだといいなぁ」
「それにしてももうすぐ地区大会だ。みんなが手こずるようなことはないと思うけど応援を頼むよ」
「うん。みんなの試合を応援して見守るから幸村くんも頑張ってね」
「あぁ、ありがとう九条さん」
秋からの声援を受け、早くこんな所から抜け出したいなと思いながらも幸村はもう少しだけ頑張ればあの場所へと戻れるのだと信じていた。
「俺は病室前で待っちょるからお前さんが一人で幸村に会いに行ってやりんしゃい」
「えっ? どうして? せっかく仁王くんも来たのに……」
「俺がテニスバッグを持って顔を出したら幸村への当てつけになるじゃろう」
「そんなこと……」
「それに今顔を出したら『何サボってるんだい』って言われるのがオチじゃからの。だから俺のことは内密にな?」
ここまで来たのに顔を合わせないなんて。でも幸村のことを考えて身を引く仁王の言い分も分からないわけでもなかったので秋は躊躇いながらもうんと頷く。
しかし秋は知らなかった。幸村のお見舞いは仁王がサボるための口実であり、本当に幸村と顔を合わせたら練習をサボってることを突かれるのでそれを避けるためである。
そうとも気づくことはない秋は仁王くんは優しいな……と思うのだった。
「お前さんはえぇ子じゃの。幸村によろしく言うてやってくれ」
フッと笑む仁王の姿に秋は胸が高鳴った。あまりにも綺麗であまりにも色気があってあまりにも格好良くて目が奪われてしまうがすぐにハッとする。
「あ、わ、分かったよ。行ってくるねっ」
赤くなる顔を相手に見られないように頬を押さえながら、秋は幸村の病室へと一人で向かった。
コンコンと病室の扉を叩き、中から「どうぞ」と声が聞こえると秋はゆっくり扉を開ける。そこにはベッドに座り、読書をしている幸村の姿があった。
「やぁ、九条さんじゃないか。お見舞いに来てくれたんだ?」
「うん、体調はどうかな?」
「今のところは問題ないよ。ところで……今日は部活があったんじゃない?」
「あ、うん。もちろんちゃんと幸村くんのお見舞いに行くって告げて来たよ」
仁王くんが、とは言えないのでそこだけは伏せる。しかし幸村はくすくすと笑うので秋は疑問符を浮かべた。
「いいよ、隠さなくたって。大方仁王の仕業だろう?」
「えっ、えっ?」
「真面目な九条さんが部活を蹴ってまでお見舞いに来るわけないことくらい俺でも分かるよ。どうせ病室の外にでもいるんだろう?」
幸村のその声は病室前の壁に背中をよりかけていた仁王の耳にも入り、彼はぴくりと反応する。その後、やはりお見通しかという溜め息を漏らしながらもその姿を見せることはしなかった。
「え、えっと、私一人で来たから仁王くんはいないよ。でも、もしそうだとしても仁王くんは幸村くんのことを心配してることは確かだからっ」
内密と言われたからには仁王との約束を守ろうとして必死に仁王はいないとアピールするも幸村はやれやれと笑みを浮かべるだけ。
「九条さんに免じてそういうことにしておこうかな」
あぁ、幸村くんに気を遣わせてしまった……バレないと思っていたから咄嗟の言い訳も思いつかなかったのは私のミスだ。
内心しょんぼりしながら仁王がいることを隠しきれなかった上に幸村を騙すようなことを言ってしまった秋は仁王と幸村の両方に申し訳なさを抱いた。
「ところで部活の方はどうだい? 上手くやれてる? マネージャー仲とか問題ないかい?」
「あ、うん。ちゃんと上手くやれてるかは部員達の判断になるけど、遥と友達になれたし、麻美とも少し距離が縮まったよ」
「へぇ、西成さんだけじゃなく赤宮さんとももう仲良くなったんだ。名前呼びまでするんだから随分と早いじゃないか」
「麻美とはまだ友達って認めてくれないかもしれないけど、一緒に昼食を共にすることは出来たの」
そのことを思い出し嬉しく笑いながら報告する秋に幸村も微笑ましげに彼女を見つめる。
テニス部のコミュニケーション担当として入れた遥の効果が少なからずあったのではないかと考えるものの、想像よりマネージャー仲がよろしいようで幸村も「あぁ、俺も早く女子マネージャーのいる部活に復帰したいな」とにこやかに笑う顔をしたままそう願った。
「俺が戻る頃には三人の仲ももっと深まってるかもしれないね」
「そうだといいなぁ」
「それにしてももうすぐ地区大会だ。みんなが手こずるようなことはないと思うけど応援を頼むよ」
「うん。みんなの試合を応援して見守るから幸村くんも頑張ってね」
「あぁ、ありがとう九条さん」
秋からの声援を受け、早くこんな所から抜け出したいなと思いながらも幸村はもう少しだけ頑張ればあの場所へと戻れるのだと信じていた。