自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第6話『友人関係の際に起こる洗礼』
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は部活する気分じゃないのぅ。
部活の時間に差し掛かった頃、欠伸をする仁王は自分にやる気を起こす方法より、どう部活をサボるかを考えていた。
そこで思い浮かんだのが部長幸村のお見舞いという名目のサボりである。
しかし自分一人ではただのサボりとしか思われかねない。せめてもう一人巻き込んでやるかと共犯者を探すことにした。
「おお、ちょうどいい」
廊下を歩く仁王の視界に入るのは同じクラスの遥であった。おそらく部活に向かっているのだろう。しかし仁王はすでにターゲットをロックオンしたので巻き込んでやろうと彼女の元へ駆け寄った。
「よぉ、西成。お前さんに折り入って頼みがあるんじゃがえぇか?」
「えぇっ? なんだいいきなりっ?」
「実は俺のぉ、幸村の容態が気になって仕方ないからちょいと見舞いに行こうと思うんじゃ。でも俺一人じゃとあいつも心細いじゃろうし、良かったらお前さんもどうかと考えたわけぜよ。部活は休んで、な?」
「なんだか胡散臭さしか感じられないが、確かに幸村の容態は気にならなくもないし、そもそもちゃんと挨拶も交わしてないから顔は合わせたいかも」
マネージャー勤務初日にパソコンの画面上で軽く話をしたくらいしか記憶にないので仁王の誘いは悪くないかもと遥は考える。それより何より一日でも部活を休めるのは彼女にとっても願ってもないことだった。
「残念ですが私としては許可出来ませんね」
「柳生っ!」
びくっと遥が肩を跳ねさせる。まさかの横槍に仁王は小首を傾げながら「ん? なんでじゃ?」と尋ねる。
「西成さんにはまだまだ覚えてもらわなければならないことが沢山ありますので」
「ひ、ひぇ……」
カチャリと柳生が眼鏡のブリッジを上げる。レンズも光ったような気がした。
遥はこの柳生によるテニス勉強から少しでも逃げられると思っていたが、どうやら彼は許可を出してくれないようだ。
「で、でも、一日くらいいいんじゃないかなっ? あたしもゆっきーのこと気になるし……」
「幸村くんのことを思うのならマネージャー業に差し支えない知識を得ることが何よりかと思います」
「ぴえんっ」
別にそこまでの知識なんていらないんじゃないかなっ? と遥が思うものの、柳生としては中途半端なことはしたくなかったのだろう。
仁王もこりゃダメじゃの。と早々に遥を切ることに決めた。
「それなら俺は九条にでも誘ってみるかの。柳生、真田にそう言うといてくれ」
「……まったくあなたって人は。九条さんに迷惑をかけないでくださいよ。もし、彼女が断ったら無理強いはせずに━━」
「わーっちょるって」
「ず、ずるいぞ! あたしも連れてけ!」
「ノーです。西成さん。ステイ」
「飼い犬扱いやめて!」
背後でギャーギャー騒ぐ遥を見捨てながらも仲がいいのぅと思いながら仁王は次のターゲットの元へと向かうのだった。
「おーおったおった。九条」
「に、仁王くん?」
どうやら着替えるために更衣室に入る一歩手間だったようで仁王はセーフセーフと安心する。
「実はお前さんに頼みがあってな。今から幸村の所に見舞いに行くんじゃけど、一人じゃ味気なくて一緒に行ける奴を探しとったぜよ」
「えっ?」
「九条、俺と一緒に行かんか?」
「え、あ、でも部活が……」
「すでに柳生に伝えたから心配しなさんな」
「そう? でも大丈夫かな……?」
不安げな様子で秋が悩む。真面目な人間だからなのか部活を参加しないというのは躊躇われた。
頭の固い人間はこれだからの……と、仁王は頬を掻く。
「俺の言うことが信用出来んか?」
「そ、そんなことないよっ」
「じゃあ、決まりじゃの。行くか」
「あ、うんっ」
まだ戸惑いがあるものの、仁王が先に歩き出すと秋も慌ててあとをついて来る。
少し無理強いだったか? と柳生に言われた言葉を思い出すものの、ついて来ると決めたのは彼女なのでこれは無理強いではないとそう判断した仁王は秋という共犯者を連れて幸村の入院する金井総合病院へと向かった。
部活の時間に差し掛かった頃、欠伸をする仁王は自分にやる気を起こす方法より、どう部活をサボるかを考えていた。
そこで思い浮かんだのが部長幸村のお見舞いという名目のサボりである。
しかし自分一人ではただのサボりとしか思われかねない。せめてもう一人巻き込んでやるかと共犯者を探すことにした。
「おお、ちょうどいい」
廊下を歩く仁王の視界に入るのは同じクラスの遥であった。おそらく部活に向かっているのだろう。しかし仁王はすでにターゲットをロックオンしたので巻き込んでやろうと彼女の元へ駆け寄った。
「よぉ、西成。お前さんに折り入って頼みがあるんじゃがえぇか?」
「えぇっ? なんだいいきなりっ?」
「実は俺のぉ、幸村の容態が気になって仕方ないからちょいと見舞いに行こうと思うんじゃ。でも俺一人じゃとあいつも心細いじゃろうし、良かったらお前さんもどうかと考えたわけぜよ。部活は休んで、な?」
「なんだか胡散臭さしか感じられないが、確かに幸村の容態は気にならなくもないし、そもそもちゃんと挨拶も交わしてないから顔は合わせたいかも」
マネージャー勤務初日にパソコンの画面上で軽く話をしたくらいしか記憶にないので仁王の誘いは悪くないかもと遥は考える。それより何より一日でも部活を休めるのは彼女にとっても願ってもないことだった。
「残念ですが私としては許可出来ませんね」
「柳生っ!」
びくっと遥が肩を跳ねさせる。まさかの横槍に仁王は小首を傾げながら「ん? なんでじゃ?」と尋ねる。
「西成さんにはまだまだ覚えてもらわなければならないことが沢山ありますので」
「ひ、ひぇ……」
カチャリと柳生が眼鏡のブリッジを上げる。レンズも光ったような気がした。
遥はこの柳生によるテニス勉強から少しでも逃げられると思っていたが、どうやら彼は許可を出してくれないようだ。
「で、でも、一日くらいいいんじゃないかなっ? あたしもゆっきーのこと気になるし……」
「幸村くんのことを思うのならマネージャー業に差し支えない知識を得ることが何よりかと思います」
「ぴえんっ」
別にそこまでの知識なんていらないんじゃないかなっ? と遥が思うものの、柳生としては中途半端なことはしたくなかったのだろう。
仁王もこりゃダメじゃの。と早々に遥を切ることに決めた。
「それなら俺は九条にでも誘ってみるかの。柳生、真田にそう言うといてくれ」
「……まったくあなたって人は。九条さんに迷惑をかけないでくださいよ。もし、彼女が断ったら無理強いはせずに━━」
「わーっちょるって」
「ず、ずるいぞ! あたしも連れてけ!」
「ノーです。西成さん。ステイ」
「飼い犬扱いやめて!」
背後でギャーギャー騒ぐ遥を見捨てながらも仲がいいのぅと思いながら仁王は次のターゲットの元へと向かうのだった。
「おーおったおった。九条」
「に、仁王くん?」
どうやら着替えるために更衣室に入る一歩手間だったようで仁王はセーフセーフと安心する。
「実はお前さんに頼みがあってな。今から幸村の所に見舞いに行くんじゃけど、一人じゃ味気なくて一緒に行ける奴を探しとったぜよ」
「えっ?」
「九条、俺と一緒に行かんか?」
「え、あ、でも部活が……」
「すでに柳生に伝えたから心配しなさんな」
「そう? でも大丈夫かな……?」
不安げな様子で秋が悩む。真面目な人間だからなのか部活を参加しないというのは躊躇われた。
頭の固い人間はこれだからの……と、仁王は頬を掻く。
「俺の言うことが信用出来んか?」
「そ、そんなことないよっ」
「じゃあ、決まりじゃの。行くか」
「あ、うんっ」
まだ戸惑いがあるものの、仁王が先に歩き出すと秋も慌ててあとをついて来る。
少し無理強いだったか? と柳生に言われた言葉を思い出すものの、ついて来ると決めたのは彼女なのでこれは無理強いではないとそう判断した仁王は秋という共犯者を連れて幸村の入院する金井総合病院へと向かった。