自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第6話『友人関係の際に起こる洗礼』
主人公名前変換
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「いやーようやく麻美とランチタイムすることに成功したね!」
「うん、良かったよ。これからもこうやって親睦を深めたらいいね」
「……」
どうしてこうなった? と、麻美は頭を抱えたくなる。
真田と話し終えたと思ったら遥に腕を引かれ海風館へと連れて行かれた麻美は彼女達と昼食を共にすることになった。
弁当持参の秋、購買のパンを手にする遥、そして麻美は日替わり定食Aだ。
真田がいなくなったとはいえ、彼の前だけいい顔してるなんて思われたくないし、断るに断れないままこうなってしまった麻美だが、意を決して彼女達と一緒に昼を過ごすことに決める。
また突っぱねたら真田にいらない心配をさせるかもしれない。大会で忙しくなる彼のために面倒事を増やしたくはないし、真田も麻美に友人が出来たと思って安心そうな顔をしていたことを思い出すとそれを歪ませることはしたくない。
それなら少しだけこいつらの友人ごっことやらに付き合ってやるか。
真田の顔を曇らせたくないため、麻美は目の前の二人を利用しようと決める。
「そういえば今度の日曜日に柿ノ木中へ練習試合なんだって。初めての遠征だね」
「よその学校に行くの楽しみー!」
そういえば部活中にそんな話が出ていたなと麻美は思い出す。
何せ立海は2年連続全国制覇を成し遂げているのだ。そのため他校からの練習試合の申し込みが多いので外部との練習試合も少なくはない。
「現地集合だから遅れないように気をつけなきゃね」
「遅れないように……頑張らねば! 麻美も遅刻には注意だよっ」
「誰に言ってんだ」
「麻美に決まってんじゃん」
「そもそも名前で呼んでいいって許可した覚えはないんだけど」
「じゃあ、あたしのことも遥って呼んでいいよ! それでオッケーだね!」
「まったくオッケーじゃねぇ」
「そんじゃあ秋のことも名前呼びにしよう!」
「え? あ、うん。私は構わないよ。赤宮さんさえ良ければ」
「は?」
「ノンノン。秋も麻美って呼んであげなよ。それが対等ってもんさ!」
待て。どういう流れだこれは。なんでいきなり名前呼び推奨になってんだ。
「でも、赤宮さんの許可は必要だと思うよ」
それでいい九条。やはりあんたは結構まともだ。副生徒会長なだけある。
麻美がうんうん頷いたのもつかの間、すかさず遥が笑みを浮かべながらものを言う。
「なーに言ってんの! 名前を呼ばれた方が嬉しいに決まってんじゃんっ」
「何勝手な━━」
「い、いいのかな? 私が赤宮さんのことを名前で呼んでも嫌じゃない……?」
勝手なことを言うなと怒鳴りつけようとしたら秋の期待のこもった眼差しで麻美を見つめる。
やめろ。そんな目で見るなと目を逸らしたくなるが、麻美は怒りを抑えようと深呼吸をひとつする。
「……勝手にしろ」
名前くらいなんだ。たかが名前だ。何も変わるわけない。そう思って渋々ではあるが名前呼びを許した。
「ありがとう、麻美さん」
許可を出すと早速秋は麻美の名前を呼んだ。しかし、さん付けはしっくりこないから呼び捨てでいいと麻美は返す。
「ねーねー、麻美も今あたしらのことを名前で呼んでよ!」
「は?」
「遥、そんな急に言ったら逆に言いづらくなるよ」
「だってこうでも言わなきゃ言ってくんないっしょ? だから最初に言っときゃ言いやすくなるじゃん!」
「なるほど……確かに」
納得するな副会長。こんな奴に丸め込まれるな。
「ほら、遥と秋。さん、はいっ!」
「……はぁ」
深い溜め息を吐き捨て、冷めた目で二人を見ても彼女達はそわそわした態度で引く様子は見られない。何度こっちが折れたら気がすむのかと思うところはあるがしばらくして麻美は決心する。
名前のひとつやふたつで満足するなら安いもんだ。仕方ない。
面倒だと思いながらも彼女は一人ずつ指を差し、しっかりと相手の固有名詞を口にした。
「秋」
「!」
「遥」
「おうとも!」
「……満足か?」
「うんっ」
「もち!」
あぁ、そうかよ。お安い奴らだ。こっちはどっと疲れたけど。
キャッキャと喜ぶ二人を見ながら一気に疲労感が襲ってきた。
女友達ってのはやっぱり面倒臭いなと思うも、そういえばこいつらはあのクソ野郎に突っかかられた私を信じるって言ってたっけなと麻美は20分休みの時のことを思い出す。
……面倒だけど見る目はあるか。そんなことをぼんやり思いながら昼休みは過ぎていった。
「うん、良かったよ。これからもこうやって親睦を深めたらいいね」
「……」
どうしてこうなった? と、麻美は頭を抱えたくなる。
真田と話し終えたと思ったら遥に腕を引かれ海風館へと連れて行かれた麻美は彼女達と昼食を共にすることになった。
弁当持参の秋、購買のパンを手にする遥、そして麻美は日替わり定食Aだ。
真田がいなくなったとはいえ、彼の前だけいい顔してるなんて思われたくないし、断るに断れないままこうなってしまった麻美だが、意を決して彼女達と一緒に昼を過ごすことに決める。
また突っぱねたら真田にいらない心配をさせるかもしれない。大会で忙しくなる彼のために面倒事を増やしたくはないし、真田も麻美に友人が出来たと思って安心そうな顔をしていたことを思い出すとそれを歪ませることはしたくない。
それなら少しだけこいつらの友人ごっことやらに付き合ってやるか。
真田の顔を曇らせたくないため、麻美は目の前の二人を利用しようと決める。
「そういえば今度の日曜日に柿ノ木中へ練習試合なんだって。初めての遠征だね」
「よその学校に行くの楽しみー!」
そういえば部活中にそんな話が出ていたなと麻美は思い出す。
何せ立海は2年連続全国制覇を成し遂げているのだ。そのため他校からの練習試合の申し込みが多いので外部との練習試合も少なくはない。
「現地集合だから遅れないように気をつけなきゃね」
「遅れないように……頑張らねば! 麻美も遅刻には注意だよっ」
「誰に言ってんだ」
「麻美に決まってんじゃん」
「そもそも名前で呼んでいいって許可した覚えはないんだけど」
「じゃあ、あたしのことも遥って呼んでいいよ! それでオッケーだね!」
「まったくオッケーじゃねぇ」
「そんじゃあ秋のことも名前呼びにしよう!」
「え? あ、うん。私は構わないよ。赤宮さんさえ良ければ」
「は?」
「ノンノン。秋も麻美って呼んであげなよ。それが対等ってもんさ!」
待て。どういう流れだこれは。なんでいきなり名前呼び推奨になってんだ。
「でも、赤宮さんの許可は必要だと思うよ」
それでいい九条。やはりあんたは結構まともだ。副生徒会長なだけある。
麻美がうんうん頷いたのもつかの間、すかさず遥が笑みを浮かべながらものを言う。
「なーに言ってんの! 名前を呼ばれた方が嬉しいに決まってんじゃんっ」
「何勝手な━━」
「い、いいのかな? 私が赤宮さんのことを名前で呼んでも嫌じゃない……?」
勝手なことを言うなと怒鳴りつけようとしたら秋の期待のこもった眼差しで麻美を見つめる。
やめろ。そんな目で見るなと目を逸らしたくなるが、麻美は怒りを抑えようと深呼吸をひとつする。
「……勝手にしろ」
名前くらいなんだ。たかが名前だ。何も変わるわけない。そう思って渋々ではあるが名前呼びを許した。
「ありがとう、麻美さん」
許可を出すと早速秋は麻美の名前を呼んだ。しかし、さん付けはしっくりこないから呼び捨てでいいと麻美は返す。
「ねーねー、麻美も今あたしらのことを名前で呼んでよ!」
「は?」
「遥、そんな急に言ったら逆に言いづらくなるよ」
「だってこうでも言わなきゃ言ってくんないっしょ? だから最初に言っときゃ言いやすくなるじゃん!」
「なるほど……確かに」
納得するな副会長。こんな奴に丸め込まれるな。
「ほら、遥と秋。さん、はいっ!」
「……はぁ」
深い溜め息を吐き捨て、冷めた目で二人を見ても彼女達はそわそわした態度で引く様子は見られない。何度こっちが折れたら気がすむのかと思うところはあるがしばらくして麻美は決心する。
名前のひとつやふたつで満足するなら安いもんだ。仕方ない。
面倒だと思いながらも彼女は一人ずつ指を差し、しっかりと相手の固有名詞を口にした。
「秋」
「!」
「遥」
「おうとも!」
「……満足か?」
「うんっ」
「もち!」
あぁ、そうかよ。お安い奴らだ。こっちはどっと疲れたけど。
キャッキャと喜ぶ二人を見ながら一気に疲労感が襲ってきた。
女友達ってのはやっぱり面倒臭いなと思うも、そういえばこいつらはあのクソ野郎に突っかかられた私を信じるって言ってたっけなと麻美は20分休みの時のことを思い出す。
……面倒だけど見る目はあるか。そんなことをぼんやり思いながら昼休みは過ぎていった。