自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第5話『絡み絡まれ糸切れる怒号』
主人公名前変換
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「貴様ら何をしている!!」
その怒号に誰もがびくりと肩を震わせ、動きが止まった。あの麻美でさえも。彼女に至っては怒鳴り声よりも、その声の主に驚いたからだ。
その場の皆が声のした場所へと目を向ければそこには恐ろしいほどの形相をした真田弦一郎が腕を組んで立っていた。
「弦、一郎……」
「真田くんっ」
「真田……!」
なぜ真田がここにいるのか分からず動揺する麻美と秋ではあったが、遥はこの場を治めるのに打って付けの人物だと察し、期待のこもった目をした。
男子生徒達もさすがに真田相手では分が悪いと思ったのか、まごついている様子だった。
「貴様ら、揃いも揃って女子に手を上げようとしていたのか。それでも日本男児か! 恥を知れ!!」
「ちげっ、そいつが俺の女に怪我させたから!」
「ならばそいつを呼んで来い!! 本人がいなければ解決するもんも出来んだろうが! このたわけがっ!!」
「っ……くそ、行くぞ!」
真田の迫力に根負けしたのか、鴨川は手下と共にその場から走り去った。
どうやら脅威はなくなったようで秋と遥が深い溜め息を吐く。
「真田ー! ありがとー! 助かったよー!」
「怪我はなさそうだな」
「本当にありがとう、真田くん。でもどうしてここに?」
「仁王と丸井から麻美が西成を連れて校舎裏に行ったという連絡があってな。おそらくさっきの奴らのことに気づいていたのだろう」
いや、それは違う。と、全力で否定したかった麻美はそう口にしたいのを我慢し、ぐっと飲み込んだ。
「しかし、俺が来たから良かったものの、あんな奴に立ち向かう必要はないだろう」
「……何言っても喧嘩売るから」
「それでもだ。お前が悪くないことくらい分かっている。だが、事を大きくしても何も意味はない。むしろ九条と西成が巻き込まれそうになったんだ。そこは反省すべきだ」
「……」
こく。麻美は静かに頷く。こんな素直に人の話を聞く彼女を見た秋と遥は驚きに目を丸くさせるが、真田の話はまだ続いていた。
「お前に何かあってからでは遅い。俺も心配になるから危ない時は俺や他の奴に頼れ。いいな?」
「あぁ……」
真田以外の者が同じことを言ってもおそらく麻美の耳には届かなかっただろう。相手が真田だからこそ麻美は反論することなく静かに耳を傾ける。
そこへ次の授業時間が迫ることを告げる予鈴が鳴り、彼女達は急いで教室に戻ることになった。
色んなことがなあなあで終わってしまったが、面倒事に巻き込まれたのだからさすがにあの二人も嫌気が差し、自分に付き纏うことはないだろう。麻美はそう思っていた。
その怒号に誰もがびくりと肩を震わせ、動きが止まった。あの麻美でさえも。彼女に至っては怒鳴り声よりも、その声の主に驚いたからだ。
その場の皆が声のした場所へと目を向ければそこには恐ろしいほどの形相をした真田弦一郎が腕を組んで立っていた。
「弦、一郎……」
「真田くんっ」
「真田……!」
なぜ真田がここにいるのか分からず動揺する麻美と秋ではあったが、遥はこの場を治めるのに打って付けの人物だと察し、期待のこもった目をした。
男子生徒達もさすがに真田相手では分が悪いと思ったのか、まごついている様子だった。
「貴様ら、揃いも揃って女子に手を上げようとしていたのか。それでも日本男児か! 恥を知れ!!」
「ちげっ、そいつが俺の女に怪我させたから!」
「ならばそいつを呼んで来い!! 本人がいなければ解決するもんも出来んだろうが! このたわけがっ!!」
「っ……くそ、行くぞ!」
真田の迫力に根負けしたのか、鴨川は手下と共にその場から走り去った。
どうやら脅威はなくなったようで秋と遥が深い溜め息を吐く。
「真田ー! ありがとー! 助かったよー!」
「怪我はなさそうだな」
「本当にありがとう、真田くん。でもどうしてここに?」
「仁王と丸井から麻美が西成を連れて校舎裏に行ったという連絡があってな。おそらくさっきの奴らのことに気づいていたのだろう」
いや、それは違う。と、全力で否定したかった麻美はそう口にしたいのを我慢し、ぐっと飲み込んだ。
「しかし、俺が来たから良かったものの、あんな奴に立ち向かう必要はないだろう」
「……何言っても喧嘩売るから」
「それでもだ。お前が悪くないことくらい分かっている。だが、事を大きくしても何も意味はない。むしろ九条と西成が巻き込まれそうになったんだ。そこは反省すべきだ」
「……」
こく。麻美は静かに頷く。こんな素直に人の話を聞く彼女を見た秋と遥は驚きに目を丸くさせるが、真田の話はまだ続いていた。
「お前に何かあってからでは遅い。俺も心配になるから危ない時は俺や他の奴に頼れ。いいな?」
「あぁ……」
真田以外の者が同じことを言ってもおそらく麻美の耳には届かなかっただろう。相手が真田だからこそ麻美は反論することなく静かに耳を傾ける。
そこへ次の授業時間が迫ることを告げる予鈴が鳴り、彼女達は急いで教室に戻ることになった。
色んなことがなあなあで終わってしまったが、面倒事に巻き込まれたのだからさすがにあの二人も嫌気が差し、自分に付き纏うことはないだろう。麻美はそう思っていた。