自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
第5話『絡み絡まれ糸切れる怒号』
主人公名前変換
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「ここでいいか」
麻美が遥を連れてやって来たのは丸井が口にしていた校舎裏であった。
「ここ? 一体何をコソコソと話すの?」
「……」
キョロキョロする遥に向けて麻美はギッと今までにないほどの凄みを利かせた。
「私はもう隠れるつもりはない。その代わりあんたに付きまとってやる。どれだけ逃げようとも地の果てまで追いかけるから覚悟しろ」
もはや宣戦布告。それに加えて迫力満点の睨みはその場から逃げ出してもおかしくないほどの恐怖を与えていると言っても過言ではない。
「ふっふっふっ」
しかし、遥は不気味に笑うだけ。そんなおかしな反応を見せる彼女に麻美は「恐怖で狂ったか?」と眉間に皺を寄せた。
「つまり! あたしと鬼ごっこがしたいということだね! いいともいいとも! どこまでも付き合ってあげようではないか!」
「……」
期待に満ちたような満面の笑み。むしろどこか自信ありげだった。
麻美から遊びの誘いを受けたと思った遥は実にやる気であるが、麻美はというと何言ってんだこいつはと蔑むような目で顔を顰める。
(……こいつ、どうすれば離れていくんだよ)
はぁ、と溜め息を吐く麻美はこの作戦も駄目かと諦め、早々に遥を置いて帰ろうかと考えたときだった。
「よぉ、赤宮。来るのが早かったじゃねぇか」
彼女達以外の第三者が会話に割り込んできたのだ。
「ん?」
「あ? 誰だテメェ」
突然現れる数名の男子生徒達。麻美からすると彼らは全く知らない相手だが、遥にとっては見覚えのある顔だった。確か彼は友達の彼氏だったはず、と紹介してもらったことを思い出して。
そんな彼らはまるで麻美を待っていたかのような口ぶりだった。しかし麻美には何一つ心当たりがない。
「はあ? 靴箱に手紙入れただろ。話があるから20分休みに校舎裏に来いってよ」
「知らん。靴箱のゴミはゴミ箱に捨ててるんだよ……っつーか、お前か。人様の靴箱にゴミを入れやがったのは」
「ゴミだと? テメェ……」
拳を鳴らす麻美と青筋を立てるリーダー格の男を見た遥はいまいち状況が飲み込めないものの、何だか喧嘩に発展しそうな気配を感じたので慌てて仲裁しようと声を上げる。
「まあまあまあ! 待ちたまえ君達っ。麻美も今はその黄金の拳を下ろして、とりあえず用件を聞いてみようじゃないか」
「聞く必要なんてねぇ」
「あ? 言わなきゃ分からねぇか? 俺の彼女に手を上げたくせによくそんなでかい態度が取れるな!?」
「手を上げた? 麻美が?」
「知るか」
「西成、お前も友達だから知ってんだろ、俺の女」
「もち! お人形さんみたいに可愛い子よね!」
「あぁ、そうだ。あいつが赤宮に話しかけたら突き飛ばされたって泣いて来たんだ。だから仕返しに来たんだよ」
つまり手紙の呼び出しというのは報復というやつなのか。遥がそう理解すると同時に巻き込まれてしまったという事実にも気づく。
「麻美、麻美、ほんとに突き飛ばしたの?」
「知らねぇって言って……いや、そういえば難癖つけてきた女がいたな」
つい昨日のことだった。放課後の部活に向かおうとした時、麻美の前に複数人の女子生徒が麻美の道を阻んだのだ。
何の用だと問えば「あんたみたいな乱暴者がどういう手を使って男テニのマネージャーになったのよ!」と言い出してきた。知らん。部長に聞け。と、麻美はそうとしか言えない。
あの麻美に突っかかるなんてそうそうないのだが、それだけ腸が煮えくり返る思いをしているのだろう。マネージャーになった麻美がただただ羨ましかっただけのことだが。
同じマネージャーでも秋は副生徒会長で成績も良く、素行もいい。仕方ないと割り切れる。
遥は交友関係が広く、人脈も多い。コネだと思えば割り切れなくもない。
ただし麻美のようなどういう経緯でマネージャーになったのかも分からなければ、相応しいとは思わないし、合わないからそのマネージャーの一席を私に寄越しなさいよ。
そんなふうに言われた麻美は面倒臭い奴に絡まれたなと思いながら彼女の隣を横切ろうとしたが、話はまだ終わってないわよと言わんばかりに彼女達によって手を掴まれ阻止されてしまう。
それに苛立った麻美が「離せっ!」と払い除けると、グループのリーダーである女子がよろめいて尻もちをついた。
『ちょっと! 何すんのよ!』
カチンときた女子が急いで起き上がり、麻美に向けて駆け寄ればその手を振り上げて引っぱたこうとした。
しかし、麻美にとっては止まって見えるような動作だったので、自分に向けられるビンタを軽く叩き落とし、仕返しと言わんばかりに彼女を突き飛ばしたのだ。
麻美が遥を連れてやって来たのは丸井が口にしていた校舎裏であった。
「ここ? 一体何をコソコソと話すの?」
「……」
キョロキョロする遥に向けて麻美はギッと今までにないほどの凄みを利かせた。
「私はもう隠れるつもりはない。その代わりあんたに付きまとってやる。どれだけ逃げようとも地の果てまで追いかけるから覚悟しろ」
もはや宣戦布告。それに加えて迫力満点の睨みはその場から逃げ出してもおかしくないほどの恐怖を与えていると言っても過言ではない。
「ふっふっふっ」
しかし、遥は不気味に笑うだけ。そんなおかしな反応を見せる彼女に麻美は「恐怖で狂ったか?」と眉間に皺を寄せた。
「つまり! あたしと鬼ごっこがしたいということだね! いいともいいとも! どこまでも付き合ってあげようではないか!」
「……」
期待に満ちたような満面の笑み。むしろどこか自信ありげだった。
麻美から遊びの誘いを受けたと思った遥は実にやる気であるが、麻美はというと何言ってんだこいつはと蔑むような目で顔を顰める。
(……こいつ、どうすれば離れていくんだよ)
はぁ、と溜め息を吐く麻美はこの作戦も駄目かと諦め、早々に遥を置いて帰ろうかと考えたときだった。
「よぉ、赤宮。来るのが早かったじゃねぇか」
彼女達以外の第三者が会話に割り込んできたのだ。
「ん?」
「あ? 誰だテメェ」
突然現れる数名の男子生徒達。麻美からすると彼らは全く知らない相手だが、遥にとっては見覚えのある顔だった。確か彼は友達の彼氏だったはず、と紹介してもらったことを思い出して。
そんな彼らはまるで麻美を待っていたかのような口ぶりだった。しかし麻美には何一つ心当たりがない。
「はあ? 靴箱に手紙入れただろ。話があるから20分休みに校舎裏に来いってよ」
「知らん。靴箱のゴミはゴミ箱に捨ててるんだよ……っつーか、お前か。人様の靴箱にゴミを入れやがったのは」
「ゴミだと? テメェ……」
拳を鳴らす麻美と青筋を立てるリーダー格の男を見た遥はいまいち状況が飲み込めないものの、何だか喧嘩に発展しそうな気配を感じたので慌てて仲裁しようと声を上げる。
「まあまあまあ! 待ちたまえ君達っ。麻美も今はその黄金の拳を下ろして、とりあえず用件を聞いてみようじゃないか」
「聞く必要なんてねぇ」
「あ? 言わなきゃ分からねぇか? 俺の彼女に手を上げたくせによくそんなでかい態度が取れるな!?」
「手を上げた? 麻美が?」
「知るか」
「西成、お前も友達だから知ってんだろ、俺の女」
「もち! お人形さんみたいに可愛い子よね!」
「あぁ、そうだ。あいつが赤宮に話しかけたら突き飛ばされたって泣いて来たんだ。だから仕返しに来たんだよ」
つまり手紙の呼び出しというのは報復というやつなのか。遥がそう理解すると同時に巻き込まれてしまったという事実にも気づく。
「麻美、麻美、ほんとに突き飛ばしたの?」
「知らねぇって言って……いや、そういえば難癖つけてきた女がいたな」
つい昨日のことだった。放課後の部活に向かおうとした時、麻美の前に複数人の女子生徒が麻美の道を阻んだのだ。
何の用だと問えば「あんたみたいな乱暴者がどういう手を使って男テニのマネージャーになったのよ!」と言い出してきた。知らん。部長に聞け。と、麻美はそうとしか言えない。
あの麻美に突っかかるなんてそうそうないのだが、それだけ腸が煮えくり返る思いをしているのだろう。マネージャーになった麻美がただただ羨ましかっただけのことだが。
同じマネージャーでも秋は副生徒会長で成績も良く、素行もいい。仕方ないと割り切れる。
遥は交友関係が広く、人脈も多い。コネだと思えば割り切れなくもない。
ただし麻美のようなどういう経緯でマネージャーになったのかも分からなければ、相応しいとは思わないし、合わないからそのマネージャーの一席を私に寄越しなさいよ。
そんなふうに言われた麻美は面倒臭い奴に絡まれたなと思いながら彼女の隣を横切ろうとしたが、話はまだ終わってないわよと言わんばかりに彼女達によって手を掴まれ阻止されてしまう。
それに苛立った麻美が「離せっ!」と払い除けると、グループのリーダーである女子がよろめいて尻もちをついた。
『ちょっと! 何すんのよ!』
カチンときた女子が急いで起き上がり、麻美に向けて駆け寄ればその手を振り上げて引っぱたこうとした。
しかし、麻美にとっては止まって見えるような動作だったので、自分に向けられるビンタを軽く叩き落とし、仕返しと言わんばかりに彼女を突き飛ばしたのだ。